浄土真宗のお盆とは?過ごし方や仏壇の飾り方、他宗派との違いまで徹底解説!

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浄土真宗のお盆の仏壇写真

お盆といえば、一年に一度、故人やご先祖様が帰ってくるとされていることから、迎え火や送り火、お墓参りをしたり、仏壇にお供え物をするのが一般的です。

しかし、お盆に対しての考え方や過ごし方には宗派によって違いがあり、その中でも、浄土真宗のお盆の過ごし方には特徴があります。

今回の記事では、浄土真宗におけるお盆の意味や過ごし方などを詳しく解説していきます。

浄土真宗におけるお盆の基本概念

浄土真宗においては、「追善供養」という概念がありません。

一般的には、お盆法要やお墓参りなど、お盆ならではの行事も追善供養として行われます。

しかし浄土真宗の教えとして、ご先祖様はお盆の時だけこの世に戻ってくることはなく、亡くなった人はすぐに極楽浄土に往生し、仏様になるといわれているのです。

そのため、浄土真宗においてのお盆は、故人やご先祖様に感謝を伝えるための日とされています。

浄土真宗においてお盆で行わないこと

一般的に他の宗派では行われても、浄土真宗では行わないことがあります。

具体的にどのようなことなのかを紹介していきます。

迎え火・送り火

迎え火はご先祖様の霊が迷わず帰って来れるように、送り火はあの世にご先祖様を送り出すために火を焚きます。

しかし、霊が存在しない浄土真宗では、迎え火も送り火も必要ないのです。

精霊棚・精霊馬・精霊牛

お盆には霊を祀る場所である精霊棚を設けるのが一般的ではありますが、浄土真宗では設けません。

また、ナスやキュウリに割り箸を刺してで作った、精霊馬・精霊牛も用意しません。

これらも、浄土真宗では霊が存在しないと言われているからです。

新盆の白提灯

故人が亡くなってから四十九日が経ち、初めて迎えるお盆では、白提灯を飾るのが一般的ですが、浄土真宗では飾りません。

これも同じ理由で、浄土真宗では霊が存在しないと言われているからです。

地域によっては白提灯を飾るところもありますが、あくまで仏壇飾りの一環です。

浄土真宗のお盆の迎え方

浄土真宗では、他の宗派がお盆にしているような特別な準備をする必要はありません。

仏壇に飾るものも普段の法要と変わりませんが、仏具を磨いたりして、綺麗に掃除しておいたほうが良いでしょう。

仏壇の飾り方やお供え物も、他の宗派とは異なるので詳しく紹介していきます。

仏壇の飾り方

打敷

仏壇の卓の間に「打敷(うちしき)」という三角の布を敷きます。

お盆には、白・青・金のいずれかの色で、夏用のものを使用しましょう。

供笥

お餅をお供えする際に使用するものを「供笥(くげ)」といいます。

供笥の形状は宗派によって異なり、本願寺派は六角形、大谷派は八角形のものを使用します。

和ろうそく

ろうそくは錨型の先の太い形のもので、白の和ろうそくを選びましょう。

お寺によっては、赤の和ろうそくを使用する場合があるので、事前に確認すると良いでしょう。

仏花

花立に青木や供花をさしましょう。

お盆期間中は枯れないように、もちの良い菊やカーネーションがおすすめです。

トゲや毒のある花は避けましょう。

線香

浄土真宗では、線香は立てず寝かせて焚くことが多いですが、地域によって異なります。

仏壇のお供え物

浄土の世界には、たくさんの食べ物ときれいな水があるとされていますので、豪華すぎる食事はお供えしなくていいとされています。

また、故人が好んでいたとしてもタバコやお酒をお供えするのは避けましょう。

白い丸餅

供笥の上に大小の丸餅を上下に重ねてお供えします。

左右に一対お供えするのが一般的です。

本願寺派では丸餅以外にもお菓子や果物も一緒にお供えしますが、大谷派では丸餅のみになりますので注意しましょう。

仏飯

仏飯は蓮の花のつぼみをイメージして盛り付けましょう。

朝にお供えし、昼には下げるのが習わしです。

お菓子・果物

日持ちするお菓子や、季節の果物をお供えすと良いでしょう。

浄土真宗のお盆の過ごし方

浄土真宗は他の宗教とお盆の捉え方や、過ごし方が異なりますが、決して何もしないわけではありません。

では、具体的に何をするのか、準備しなければならないことなどをご紹介します。

歓喜会(かんぎえ)

浄土真宗ではお盆のことを「歓喜会(かんぎえ)」といい、ご先祖様を供養する期間ではなく、感謝をする期間とされています。

自宅に僧侶を招いて仏法を聞いたり、寺院で開催されている法話会に参加したりします。

「歓喜会」の法要の際は、以下のことも忘れずに準備しましょう。

①僧侶の手配

自宅に来てもらう場合でも、斎場やお寺で執り行う場合でも、僧侶を手配する必要があります。

歓喜会の時期はお寺も忙しくなるので、早めに連絡をしましょう。

自宅でない場合は、会場の予約も忘れずにしましょう。

②お布施・お車代・御善料の準備

下記の相場を参考に僧侶にお渡しする準備をしておきましょう。

お布施・・・3千~1万円。初盆法要の場合は3万~5万。
お車代・・・3千~1万円。自宅で行う場合。
御膳料・・・5千~1万円。会食を行わない場合や、僧侶が会食に参加する場合不要。

いずれも水引は不要なので、白い封筒に入れましょう。

③服装

普段着でいいとされていますが、カジュアルすぎる露出度の高い服装や、派手な色は控えましょう。

全体的に黒や紺、グレーといったダークカラーで揃えると良いでしょう。

また、靴下やストッキングも必ず着用しましょう。

お墓参り

お墓参りは他の宗派同様、お盆の時期に行うことのひとつですが、浄土真宗ではお墓参りの目的が異なります。

一般的にお墓参りは、故人の成仏を願って行います。

しかし浄土真宗では、故人を思い出す場所であるとともに、仏様に感謝し、阿弥陀如来への信仰を深めるためにお墓参りを行います。

お墓参りでは、お墓周辺の掃除も必ずしましょう。

よくある質問

浄土真宗のお盆のお供えの仕方は?

白い丸餅と仏花をお供えしましょう。

本願寺派では、仏飯やお菓子・果物もお供えしますが、地域によって異なるので事前に確認しましょう。

まとめ

今回の記事では、浄土真宗におけるお盆の意味や過ごし方を解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

他の宗派のお盆に比べるとシンプルに感じますが、故人やご先祖さまへの感謝の気持ちを忘れずに、阿弥陀如来との信仰を深められるようなお盆を過ごしましょう。

株式会社ディライト

この記事の著者・監修者

株式会社ディライト

株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。

竹田 勇仁

この記事の編集者

お墓の口コミ編集部

竹田 勇仁

東京都出身。大学を卒業後葬儀社で勤務。
現場経験を経て、消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。

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