お盆が7月と8月に分かれた理由
もともとは旧暦の7月15日を中心に行われていましたが、明治5年に歴の国際基準化を目的とし、太陰太陽暦から太陽暦の新暦に切り替わったことで人々が混乱し、お盆期間に1ヵ月のずれが生じたといわれています。
改暦に伴い、日本の行事は30日遅れとなり、現在では地域によって新盆は7月15日、旧盆は8月15日を中日として行われるようになりました。
7月と8月のお盆で違いはある?
7月の「新盆」、8月の「旧盆」と呼び方は異なりますが、行われる時期が違うだけで内容に大きな違いはありません。
全国的にみると旧盆の地域がほとんどとなっていますが、東京や横浜、北海道の一部、金沢市や静岡県の都市部は今でも新盆が主流となっています。
旧盆の地域では、7月半ばは農家の人々が農作業で忙しい時期と重なってしまうので、8月15日に行われるようになったといわれています。
お盆期間中の過ごし方
お盆は、ご先祖様や故人様をお迎えして感謝を伝え、供養する期間です。
地域によってお盆の風習は様々ですが、どのようなことをするのか具体的にご紹介していきます。
迎え火
13日のお盆初日を「迎え盆」といい、ご先祖様の霊を迎えるための「迎え火」を行います。
これは小さな焚火を家の玄関先やお墓で行うことにより、ご先祖様の霊が迷わず帰って来られるようにするためです。
火の代わりに提灯を使用する地域もあります。
お仏壇周りへのお飾り・お供え
お盆の時期には仏壇に果物やお花、故人が生前好きだったものなどをお供えします。
盆提灯やキュウリで作る「精霊馬」、ナスで作る「精霊牛」などを飾る家庭も多いです。
精霊馬や精霊牛は、故人やご先祖様の霊が家に戻ってくる際に行き来できる乗り物として作られたといわれています。
ちなみに、キュウリが馬でナスが牛を表し、「行きは足の速い馬で、帰りはゆっくり別れを惜しみながら帰る」という意味があります。
お墓参り
お盆時期には家族みんなでお墓掃除をし、ご先祖様に挨拶をするのが一般的です。
お墓参りはお盆入りの13日に行くのが望ましいとされていますが、期間中であれば行けるタイミングで良いでしょう。
送り火
お盆の最終日である「送り盆」の際も、迎え火のときと同様に火を焚き、再びご先祖様をあの世に送り出す「送り火」を行います。
お盆の風習
お盆の風習は地域によっても様々ですが、盆踊りや花火大会、精霊流しといった各地で行われている有名な行事もお盆の供養行事になります。
7月盆の魅力
7月盆(新盆)は、全国的に行われる8月盆(旧盆)よりも人出が少ないため、ゆっくりと落ち着いた雰囲気でお盆の行事が行えます。
電車やバスの混雑も少なく、お墓参りもスムーズに行え、迎え火や送り火の際もご先祖様の魂を丁寧に迎え入れることができるでしょう。
とは言っても、7月に行うか、8月に行うかは地域や家庭の伝統によって変わってくるので、その文化を尊重することが大切です。
よくある質問
7月のお盆入りはいつからですか?
7月13日~16日の4日間が新盆の期間になります。
古来より、この時期にお盆は行われていましたが、現在ではひと月遅らせた8月13日~16日に行う地域が多いです。
まとめ
新盆と旧盆、行われる期間は7月と8月で違うものの、内容には大きな違いはありません。
どちらにしても、お盆というのは故人やご先祖様の魂を迎え、供養するための行事だということを忘れず、全国各地のお盆休みの行事も楽しんでみてはいかがでしょうか。
この記事の著者・監修者
株式会社ディライト株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。
この記事の編集者
お墓の口コミ編集部
竹田 勇仁
東京都出身。大学を卒業後葬儀社で勤務。
現場経験を経て、消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。