お彼岸とは
お彼岸は仏教の「到彼岸(とうひがん)」に由来して、苦悩や煩悩の多いこの世「此岸(しがん)」から苦悩のない悟りの世界「彼岸(ひがん)」へ至るための修行期間とされています。
日本では、太陽が真東から昇り真西に沈む春分の日と秋分の日は、此岸と彼岸が最も近くなる日とされ、先祖の供養と自身の行いを見直すことを目的としたしきたりになりました。
お彼岸の時期
お彼岸は春(3月)と秋(9月)の年2回あり、春分の日と秋分の日を中日として前後3日間を含んだ7日間を指しています。
2024年のお彼岸は以下の期間になります。
春彼岸:3月17日~3月23日
秋彼岸:9月19日~9月25日
また、春分の日と秋分の日は毎年2月に開かれる閣議によって翌年の日程が定められます。
お彼岸とお盆の違い
お彼岸とお盆は「目的」と「時期」に違いがあります。
お彼岸
目的:先祖の供養と自身の行いを見直す
時期:春(3月)、秋(9月)の年2回
お盆
目的:先祖の魂を迎え入れて供養する
時期:夏(8月)の年1回(地域によっては旧暦の7月をお盆とする場合もある)
お彼岸にやってはいけないことって?
結論、仏教においてお彼岸にやってはいけないことはありません。
では、なぜお彼岸に「お祝い事をしてはいけない」「行事を避けた方がいい」と耳にするのでしょうか。
その理由を解説していきます。
お彼岸にやってはいけないこと7選
お彼岸にやってはいけないことはありませんが、周囲に気にする人がいた場合はトラブルの原因にもなるので配慮する必要があります。
お彼岸でやってはいけないと言われる代表的なものは以下になります。
・結婚式
・引っ越し
・お見舞い
・お宮参り
・納車
・水辺で遊ぶ
・彼岸花を持って帰る
1つずつ詳しく解説していきます。
結婚式
お彼岸に結婚式を避けるべきとされている理由は以下の2つになります。
・忙しい時期に行事が重なると負担に感じる
・「お彼岸にお祝い事をしないほうがいい」という考え
お彼岸のお墓参りや仏壇の掃除など大事にしている人にとっては、結婚式の招待が負担に感じる場合があります。
また、お彼岸にお祝い事を重ねない方がいいと考える人もいます。
お彼岸に結婚式を行う場合は、招待する方たちに説明や相談をするなど配慮を忘れないようにしましょう。
引っ越し
引っ越しが良くないとされている理由としては「引っ越しに時間を取られてご先祖供養ができない」という点です。
本来お彼岸は、ご先祖を供養する大切な時期になります。
引っ越しや新居祝いなどに時間を取られて、ご先祖供養ができないと良く思わない方もいるでしょう。
ただし、お彼岸の時期にしか都合が合わない方もいると思います。その場合は、可能な範囲でご先祖の供養を行いましょう。
お見舞い
お彼岸の時期にお見舞いに行くことが良くないとされる理由として以下が挙げられます。
・失礼な行為
・縁起が悪い
お彼岸は「死」を連想させる行事であるため、お彼岸の時期にお見舞いに行くと「死を連想して縁起が悪い」「お墓参りに来られた気分になる」と感じる人もいるでしょう。
そのため、お彼岸にお墓参りに行くことは避けるべきです。
お宮参り
神道において「死は穢れ(けがれ)」とされているため、仏事と神事を一緒にすることは良くないと考えられています。
お宮参りは、神主がとり行う神事のためやってはいけないと言われています。
もちろん必ず避けなければいけない訳ではないですが、周囲に気にする方がいる場合は配慮した方がいいでしょう。
納車
お彼岸に納車することは全く問題ありません。
仏教では「喪」の期間に何か新しいことを始めるのは慎むべきと考えられていますが、お彼岸は喪の期間ではないので気にしなくてよいでしょう。
人によっては、お彼岸は「死」を連想させるため、お彼岸時期に納車すると事故を起こすと考えている人もいます。
気になる方は避けて納車することをおすすめします。
水辺で遊ぶ
お彼岸の時期は、しっかり供養されなかった霊がさまよって、「人を水に引きずり込む」という迷信があります。根拠はありません。
また、秋のお彼岸には台風が接近しやすくなるため、水辺の事故が多くなります。お子さんから目を離さず注意しましょう。
彼岸花を持って帰る
彼岸花には「持ち帰ると火事になる」という迷信がありますが、迷信よりも危険な理由があります。
彼岸花には毒があり、誤って口に入れてしまうと、死に至る場合もあります。
そのため、彼岸花を持ち帰らないように「彼岸花を持ち帰ると火事になる」として伝えられてきたのです。
お彼岸にすること3つ
前章では、お彼岸にやってはいけないことを7つ紹介しました。
では、逆にお彼岸でやるべきことはあるのでしょうか?
ここではお彼岸にやるべきこととして以下の3つを紹介します。
・お墓参り
・仏壇の掃除
・彼岸会法要に参加する
1つずつ詳しく解説していきます。
お墓参り
お彼岸期間は、ご先祖の供養としてお墓参りに行きましょう。
春分の日、秋分の日にお墓参りに行くのが一番いいですが、当日が無理であればお彼岸期間中に行くことをおすすめします。
お墓参りに行った際は、墓石や周囲の掃除をし、お花やお供え物、お線香をお墓にお供えしましょう。
仏壇の掃除
家に仏壇がある場合は、仏壇をきれいにしましょう。
お供え物は、春であれば「ぼたもち」を秋であれば「おはぎ」をお供えします。
彼岸会法要に参加する
お彼岸に彼岸会法要に参加するといいでしょう。
お寺ではお彼岸時期に彼岸会法要が行われます。
参加する際のお布施としては、3,000円~10,000円が相場とされています。
また、服装は落ち着いた服で参加しましょう。男性であればグレーのスーツ、女性であれば黒系のワンピースやアンサンブルなどがいいでしょう。
お彼岸に何もしないのはいいの?
結論、お彼岸に何もしなくても特に問題はありません。
彼岸へ至るための修行期間とされているため、何かをしなければいけない期間ではないのです。
ただ、昔からの慣習でお彼岸期間にお墓参りなどをおこなう人が多いのも事実ではあります。
よくある質問
お彼岸は避けるべきですか?
結論、お彼岸だからという理由で避けるべきことはありません。
お彼岸はこの世「此岸」とあの世「彼岸」が一番近くになると考えられている時期です。
「喪」の期間ではないため避けないといけないことは無いのです。
お彼岸のお供え物は何がいい?
お彼岸のお供え物としての定番は、春は「ぼたもち」秋は「おはぎ」です。
また、保存がきく小分けしやすい菓子折りなども人気があります。
お彼岸のお供え菓子折りの相場はいくらですか?
お彼岸のお供え物としての菓子折りは3,000円~5,000円が相場と言われています。
故人様との関係性によっては相場より高いものを用意することもありますが、先方の気を遣わせない範囲にしておきましょう。
まとめ
今回の記事では、お彼岸にやってはいけないことについて詳しく解説してきました。
仏教上、お彼岸にやってはいけないことはありません。
ですが、お彼岸のタイミングは忙しい方も多いです。忙しい方からするとその時期に結婚式や引っ越しなど行事があると負担になってしまいます。
周囲の人へ配慮をするや相談することが重要です。
葬儀の人材派遣と集客支援の最大手、株式会社ディライトの代表取締役。20歳で葬儀の人材派遣スタッフとして働き始め、独立。以降約20年間、葬儀、お墓業界の「人の困った」と「集客の困った」を解消し続けている。
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この記事の著者・監修者
株式会社ディライト株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。
この記事の編集者
お墓の口コミ編集部
竹田 勇飛
東京都出身。計400社以上の墓石、葬儀会社と繋がりを持ち、お墓ディレクター2級を有している。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。