何が違う?「お盆」と「お彼岸」意外と知らないその違いをご紹介!

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何が違う?「お盆」と「お彼岸」意外と知らないその違いをご紹介!

新型コロナウィルス感染症が5類になり、今年の夏は故郷へ帰省する方も多いでしょう。お盆にはお墓参りをと考えていらっしゃる方もいるに違いありません。
お盆の時期は地域によって異なり、7月のお盆を新盆、8月のお盆を旧盆と呼びます。お彼岸は、春と秋にありますが、お盆とお彼岸の違いは何なのでしょうか。
普段は考えたことはないかもしれませんね。 今日はお盆とお彼岸の由来と、どんな準備が必要かを一緒に学んでいきましょう。

「お盆」と「お彼岸」成り立ち

「お盆」とは?

お盆の正式な名称は盂蘭盆会(うらぼんえ)、または盂蘭盆(うらぼん)です。
お盆は先祖を供養する旧暦の7月15日を中心に行われる儀式です。先祖の霊が家族のもとに帰ってきてともにひと時を過ごすと言われています。

お盆の由来になったエピソード

釈迦の十大弟子の一人に目連(もくれん)という人がいました。
目連は、神通力を持ち、その力で今は亡き母の様子をみることに。目連の母は地獄にいて、水や食べ物を口に入れようとすると火に変わってしまうのです。痩せ衰えた母を目の前に嘆き悲しむ目連を見た釈迦は、「毎年雨期になると修業をしている僧侶たちが、町に降りてくるから食事をふるまいなさい。」と言いました。


その雨期がおおよそお盆にあたることから、この時期に供養するようになったと言われています。

「お彼岸」とは?

お彼岸はもともと仏教用語で「彼岸に至る」という意味があります。時期は春分の日と秋分の日の前後数日間とされています。

お彼岸の由来

お彼岸とはもともと仏教用語で「仏様の住む悟りの世界」を指し、逆に私たちの暮らす世界を「此岸(しがん)」と呼び、煩悩や欲にまみれた世界としています。
春分・秋分の日には昼と夜が同じ長さになり、2つの世界が最も近づくとされるため、この時期にお墓参りをするようになったとされています。

お盆とお彼岸の日は、正式にはいつ?

お盆とお彼岸の日は、正式にはいつ?

『お盆』いつからいつまで?

7月の新盆は、7月15日前後。
8月の旧盆は、8月15日前後。
新盆を行う地域は、多摩地区の一部を除く東京都、神奈川県函館、金沢の旧市街地です。(※地域や宗派によって異なります)

【2023年度のお盆】
新盆:7月13日(木)〜7月16日(日)
旧盆:8月13日(日)〜8月16日(水)

『お彼岸』いつからいつまで?

春のお彼岸の春分の日、秋のお彼岸の秋分の日を中心とする前後3日間とされています。

【2023年度のお彼岸】
春分の日は3月21日(火)⇒3月18日(土)〜3月24日(金)
秋分の日は9月23日(土)⇒9月20日(水)〜9月26日(火)


春分の日と秋分の日は、毎年2月に行われる閣議で翌年の何日にするかを決めるそうです。

お盆とお彼岸の際にすること

お盆とお彼岸の際にすること

お盆とお彼岸は準備するものや行うことがほとんど変わりません。
お墓参りをすること仏壇を綺麗にすることお供え物をすることは両方とも行いましょう。

お供え物の違い

ほとんどやることに変わりはありませんが、それぞれの由来が異なるためお供えすべきものも変わります。

お盆:五供(ごく)「線香・お花・ろうそく・お水・飲食(おんじき)」
飲食は炊き立てのご飯、季節の果物、お菓子などが一般的です。

お彼岸:春は「ぼたもち」、秋は「おはぎ」

しかしこれらは、由来から考えるとお供えすべきというだけで、基本的にはご先祖様や故人が好きだったものをお供えするのが良いでしょう。

【お盆だけ】迎え火と送り火

お盆は、先祖の霊が家族のもとに帰ってくると言われています。

お盆の初日にするのが「迎え盆」です。暗い夜道に帰ってくる故人が迷わないように、お墓や玄関先に「迎え火」を焚くのが慣例となっています。
実際は、火の代わりにきれいな燈明を灯してお迎えする家庭が多いようです。

お盆の最終日は「送り盆」と言い、あの世に戻る霊を見送る「送り火」をします。

地域ごとのお盆のイベント

地域それぞれに、お盆に行う行事があります。その中から二つ紹介していきます。

【京都】五山送り火

京都のお盆の行事でみんなに知られているのが、五山送り火です。
本物は見ていなくても、テレビで夜の山に浮かぶ「大」の字を見たことがあるのではないでしょうか。
東山に「大」の字が浮かんでから、松ヶ崎に妙・法、西加茂に舟形、大北山に左大文字、嵯峨には鳥居形が浮かび上がってきます。
5つの送り火は全部、京都市登録無形民俗文化財です。

【長崎・佐賀・熊本】精霊流し

長崎県で有名な精霊流し。佐賀市、熊本県の一部でも行われています。
故人の初めてのお盆(新盆)に、家族が造花や灯ろうで飾った船を終着点まで運ぶのです。
船には故人の霊が乗っていると考えられています。毎年8月15日のの夕刻から開催され、爆竹の破裂する音・鉦の音、掛け声でとてもにぎやかです。

よくある質問

Q.お墓参りの際の適切な服装は?

A.お墓参りが初盆で法要を伴う場合は、礼服での参加が良いでしょう。

法要を伴わない場合は、服装は自由です。
ただし先祖のためにお墓の前で手を合わせるので、露出の多い服装や派手な服装は避けたほうがよいでしょう。

Q.供えるべきお花に決まりはある?

A.決まりは特にありません。

一般的に多いのは菊ですが、この花にしないといけないという決まりはありません。
菊の他に仏花として選ばれるのは「りんどう、ゆり、けいとう、スターチス、アイリス」です。
棘や毒のある花は避けるべきとされていますが、近年では故人が好きだったという理由であれば選んでも良いという流れになっています。

Q.遠くに住んでいて墓参りに行けない場合は?

A.近くに住む親戚もしくは代行業者に依頼しましょう。


墓参りを代行する業者は、洗浄やお墓の周辺の清掃、仏花や水を供える、線香を焚くまでが依頼できる内容です。料金は一概に言えませんが、お墓参りだけで1~2万円、お墓の清浄、お墓周りの清掃、草取りまで含むと2~3万円が相場のようです。

まとめ

お墓の前で手を合わせて思うことはなんでしょうか?親しい家族をなくした場合は、最近の自身や家族のニュース、うれしかったこと、つらかったことなど報告したくなりませんか。先祖を供養することは、自身の家族を大切に思うことにつながります。事情が許す限り、お盆やお彼岸にはお墓参りをしましょう。

この記事の監修者

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株式会社ディライト

株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。

この記事を書いた人

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竹田 勇仁(お墓の口コミ編集部)

東京都出身。大学を卒業後葬儀社で勤務。
現場経験を経て、消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。

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