お彼岸で渡す「お布施」の意味
仏教を学んでいる人でなければあまりなじみのないお彼岸について、どんなものでお布施やその金額はいくらが適正なのかを見ていきましょう。
そもそもお彼岸って何?
お彼岸とは何か
お彼岸は、日本の伝統的な行事の一つであり、
多くの人々が故郷や実家に帰省し、先祖への感謝を込め、あらためて供養を行う期間のことです。
時期は春のお彼岸(春彼岸)と秋のお彼岸(秋彼岸)の年2回。
具体的な日付は年によって異なりますが、春分の日および秋分の日の前後から数日間にわたって行われます。
今年の秋のお彼岸は9月20日㈬から9月26日㈫までです。
お布施はどんな意味がある?
お布施はお墓の管理や法要、お寺の維持費、仏具などに使われるため、巡り巡って先祖を大事に扱ってもらうための費用になります。
また、仏教的には以下のように自分自身の心の向上につながるとされています。
仏教的なお布施の意味
感謝の表現
先祖に対する感謝の気持ちの表現として扱われます。利他の心の供養
他者に思いやりを持ち、自己中心的な欲望から離れて他者の幸福や利益を願う心を育みます。カルマ(因果律)の積極的な作用
「情けは人の為ならず」お布施という善行を積むことで巡り巡って自分にもいいことが返ってくるはずです。心の浄化と内面的成長
お布施を行うことで自身の執着や欲望を捨てて心を清める効果があります。
いくら包むのが適切?
お布施の理由はわかっても、いくら包めばいいのかわからない。という方は多いと思います。
お寺や地域の慣習、宗派により金額は変わるので、先祖が入っている宗派での平均金額を調べるのが良いでしょう。
①お寺が営む法要に参加する場合:3,000円〜20,000円前後
お寺の彼岸会といわれる行事があり、そこでお布施を渡す場合は、お寺ごとに金額が変わるので事前に調べることをおすすめします。
②自宅に呼んできてもらう場合:30,000円〜50,000円前後
自宅に招いて法要をしてもらう場合、お寺に訪れ参加するよりも高額になります。さらにお車代として5,000円〜10,000円ほど包むこともあります。
「お布施」の包み方・渡し方・書き方
お布施はわかったけど、何に入れてどうやって渡すのか、わからない方も多いかと思います。
白い封筒に入れてお渡ししても、絶対にダメではありませんが、より丁寧でマナーに沿った方法をご紹介します。
【包み方】二重封筒はマナー違反?
お布施の包み方は2通りあります。
1つ目は「奉書紙」に包む方法。
現金を半紙で包み、その上からさらに奉書紙に包むのが丁寧なマナーです。
2つ目は簡易的に無地の白封筒に入れる方法。
不幸の重なりをイメージする二重封筒はNGです。用意できるのであれば1つ目の方法で包みましょう。
外側の封筒は「御布施」と書かれた水引のついたものにしましょう。
水引の色はお寺や地域の慣習によって変わりますので、事前に確認する方がいいでしょう。
【書き方】金額を明記するのがルール
住所は一般的な封筒と同じような書き方で問題ありませんが、この時に気をつけるべきなのは金額を封筒に書かなければいけない点です。
中袋に入れない場合は、裏面に金額と住所を書いてお渡しします。
中袋に入れる場合は、金額は中袋に書いて、住所は外袋に書きましょう。
こちらの記事でお布施の書き方についてさらに詳しく解説しています⇩
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【渡し方】渡すタイミングは?
お布施は渡すタイミングも困ってしまいますよね。
最も良いとされるのは、読経の終了後です。
お寺様に挨拶とお礼の言葉を述べながら渡すのが良いでしょう。袱紗や切手盆に乗せると尚良しです。
お彼岸でのお墓参りの挨拶とマナー
挨拶と振る舞い方は、お墓参りにおける基本的なマナーとなるので身につけていきましょう。大切なのは先祖への敬意と感謝の気持ちを持って参拝することです。地域や宗派によっても異なることがあるので、寺院や地域の慣習に従うことも重要です。
お墓参りの正しい挨拶と振る舞い方
手を合わせる
お墓に到着したら手を合わせて一礼しましょう。心を静め敬意を込めて行います。
お墓の前での一礼
お墓の前に立ったら再び手を合わせて一礼します。
静かにする
お墓参りは心静かに行うべきものです。他の参拝者に配慮し静かにお参りをしましょう。
敬虔(けいけん)な態度を持つ
お墓参りは敬虔(深く敬う気持ち)な行為であり、故人や先祖への感謝や冥福を祈る場です。
お墓参りの正しいマナーと礼儀
一般的なマナーや礼儀の一部を紹介します。地域や宗派によって細かな違いもありますが、今から紹介することを押さえておけば、大きな問題になることはないと言えるでしょう。
服装と身だしなみ
控えめな服装・髪型・メイクを心掛けましょう。明るい色や派手な柄の服装は避け、シンプルで控えめなスタイルが望ましいです。
男性の場合
黒や濃い色のスーツやジャケット、白または淡色のシャツ、ネクタイ、ビジネスシューズ
女性の場合
黒や濃い色のスカートやパンツスーツ・ワンピース、髪型は清潔にまとめるか控えめなアレンジ、スカート丈は控えめ、露出の少ない服装
手を合わせる、お供え物を持つ
墓前で手を合わせて一礼します。お供え物を持つ場合は、両手で持ちましょう。
線香の火の扱い
線香は風上から火をつけます。速やかに火がつくように、他の参拝者に煙が当たらないように配慮しましょう。
周囲の清掃に配慮する
お墓は清潔に保ちましょう。自分が使用した場所や道具などはきちんと片付けましょう。
他の参拝者への配慮
他の参拝者との間に適切な距離を保ち、列に並ぶ場合は順番を守りましょう。
携帯電話の使用を控える
お墓参りの際には、携帯電話の使用を最小限にしましょう。
寺院の指示に従う
寺院や墓地によっては、特定のルールやマナーが存在する場合があります。寺院の指示に従い、適切なふるまいを心掛けましょう。
よくある質問
お彼岸のお墓参りのタイミングは?
お彼岸は春と秋がありますが、秋のお参りは春の3分の2ほどに人数が減るそうで、秋の方が少し空いているという特徴があります。
また、六曜によってお参りに向いている時期とそうでない時期があります。
先勝(先んずれば勝つ)
⇒午前中にお参りすると良い。
友引(良くも悪くも友を引く)
⇒お墓参りは避けたほうがいい
先負(先んずれば負ける)
⇒午後のお墓参りは良いが、他に比べてあまり良くない
仏滅(仏が滅する)
⇒弔事については様々な意見があるためお寺に確認するのがよい
大安(万事縁起良し)
⇒お墓参りに良い
赤口(すべてが滅する凶日)
⇒お墓参りはさけたほうがよい
2023年の大安とお彼岸が重なる日は9月24日(日)です。
日曜日と重なり若干込み合うことが予想されるので、
午前中に行くことができるのであれば9月20日(水)、9月26日(火)に行くと混雑を回避できそうです。
先負であれば9月22日(金)がありますので、調整されてはいかがでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
お墓参りには慣れておらず、作法やマナーを知らない方も多かったのではないでしょうか。
お布施は少々高いイメージがありますが、感謝と共にお渡しすることで、きっといいことが自分に返ってきます。
気持ちよくご先祖様とつながれることを祈っています。
この記事の著者・監修者
株式会社ディライト株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。
この記事の編集者
お墓の口コミ編集部
竹田 勇仁
東京都出身。大学を卒業後葬儀社で勤務。
現場経験を経て、消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。