彼岸団子って?

春と秋のお彼岸の時期に、仏壇やお墓にお供えするシンプルな白いお団子のことです。
丸いお団子は、円満を象徴していて、家族みんなの幸せを願う意味があります。
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いつお供えするの?
彼岸団子は、春分の日と秋分の日、それぞれのお彼岸入りの3日前と、お彼岸明けの3日後にお供えします。
お彼岸の期間は7日間で、真ん中にあたる春分の日と秋分の日は「お中日(おちゅうにち)」とも呼ばれています。
お彼岸入りにお供えするお団子は「入り団子」、お彼岸明けにお供えするお団子は「明け団子」と名付けられている。
お団子やお餅は、あまり嚙まないで食べられる食べ物のため、仏様やご先祖様も食べやすいだろうと考えられていたこともあり、お供え物として定着しました。
また保存がきいて、すぐに傷まないこともお供え物として最適だとの理由からです。
「入り団子」は、長い旅路にお疲れのご先祖様を癒すためにお供えします。
「明け団子」には、再び極楽浄土へお戻りになるご先祖様への敬意を表す意味合いがあります。
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どこにお供えするの?
仏壇やお墓にお供えします。
それぞれ細かく見ていきましょう。
仏壇の場合
仏壇にお供えする場合、ご先祖様の供養という意味合いがあるため、ご先祖様の魂が宿る仏壇中央のお供え台などの上に置きましょう。
お供え後は家族みんなで食べて、ご先祖様とのつながりを感じるとGOOD!
お彼岸の仏壇特集!お彼岸に向けての準備、仏壇飾りやお供えするものなどを詳しく解説
お墓の場合
お墓にお供えする場合、ご先祖様が極楽浄土で安らかに過ごせるようにと願い、感謝を伝えることができます。
お墓を綺麗にお掃除してから、正面にお供えするようにして、供物台などがあればその上に置きましょう。
お供え後は必ず持ち帰りましょう。
そのまま放置してしまうとカラスなどの野生動物に荒らされたり、虫が寄ったりして汚くなり周囲にも迷惑をかける可能性があります。
お供え台や高坏の場合

彼岸団子を小皿に盛ってから、お供え台などの上に置きましょう。
こちらも、お供え後は家族みんなでいただきましょう。
高坏(たかつき)
お供え物を置くための伝統的な台です。
お彼岸や法事のときに、仏壇やお墓の前に設置することが多いものです。
どうやって盛り付けるの?
お供えするにあたって、彼岸団子をお皿などに盛り付ける必要があります。
必ずしも数が決まっているわけではないですが、積み上げる数によって、仏教的な意味合いが変わってきます。
一般的な盛り付け方はどういうものがあるんでしょうか?
一般的!六道にちなんで6個

彼岸団子の積み上げ方として一般的なのが、6個です。
仏教では、人は死後に「地獄道」・「餓鬼道」・「畜生道」・「修羅道」・「人間道」・「天道」、この6つの世界のどこかに生まれ変わるといわれています。
彼岸団子は、この六道を超えて極楽浄土に行くための供え物として考えられているため、6個が一般的です。
1段目に5個のお団子を円状に並べて、2段目の中心に1個のお団子を乗せて、お供えします。
極楽浄土をめざして7個
7個のお団子は、6つの世界から抜け出して極楽浄土に行けますようにとの願いが込められて、6個+1個で7個です。
初七日法要など、亡くなられてから7日ごとに生前の行いを振り返る審判があり、その日数にちなんでいます。
ピラミッド型に積んでお供えします。
「死者の審理」の回数で10個
四十九日までの7回の審判で判決が下りない場合、一周忌や三回忌など、追加の審判が行われる「死者の審理」という考え方があります。
初七日から三回忌まで合計10回あり、その回数に由来して10個のお団子をお供えすることもあります。
13人の仏様と同じ13個
十三仏信仰という信仰にちなんで、13個のお団子をお供えすることもあります。
三十三回忌まで亡くなられた方を守ってくれる13人の仏様のことを、十三仏といいます。
亡くなられた方がこの世に未練を残すことなく、極楽浄土へとたどり着けるように導くといわれています。
1段目に7個のお団子を円状に並べて、2段目に5個のお団子を並べて、3段目の中心に1個のお団子を乗せて、お供えするとベスト。
四十九日分、49個?!
亡くなられた方が極楽浄土に行けるかどうか決まる四十九日にちなんで、49個のお団子をお供えする場合もあります。
彼岸団子は手作りできるの?

彼岸団子は手作りできます!
しかも簡単に作ることができるので、ぜひ一度作ってみてください!
材料
【生地】
・上新粉(米粉)
100g
・水
80ml
・砂糖
大さじ1(お好み)
【トッピング用】
・こしあん
・きなこ
・黒ゴマなど
作り方
①ボウルに上新粉(米粉)と砂糖を入れる。
②水を少しずつ加えてこねる。
③手で小さく3cmくらいに丸めてお団子の形にする。
④茹でる場合、沸騰したお湯で5分くらい茹でて、上に浮かんできたら取り出して冷水につける。
⑤蒸す場合、15分くらい蒸して冷ます。
⑥そのままお供えする。
⑦お供え後、こしあんやきな粉などをまぶして食べる。
彼岸団子は砂糖を入れなくても大丈夫です。
甘くしたい場合は、少なめに入れてシンプルな味にするのが基本。
地域が変わればお団子も変わる?!
地域によって彼岸団子の味付けに違いがあります。
①関東の彼岸団子
シンプルな白いお団子。
②関西の彼岸団子
きな粉や黒ごまをまぶしたお団子。
③東北の彼岸団子
小豆あんを絡めたお団子。
④九州の彼岸団子
黒糖を使ったお団子。
⑤やっぱり別格!京都の彼岸団子
老舗の和菓子店で販売される特別な彼岸団子が人気!
お供え後のお団子や作りすぎて余ったお団子のレシピ5選!
①甘じょっぱいタレが美味しい!みたらし団子

材料(2~3人分)
・お供え後の彼岸団子
10個
・醤油
大さじ2
・砂糖
大さじ2
・みりん
大さじ2
【水溶き片栗粉】
・片栗粉
小さじ1
・水
大さじ1
作り方
①フライパンでお団子を軽く焼いて表面をカリッと仕上げる。
②醤油・砂糖・みりんを鍋に入れて火にかける。
③沸騰したら、水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。
④みたらしダレをお団子に絡める。
⑤お好みで串に刺して食べる。
②和スイーツ風!きな粉と黒蜜のお団子

材料(2~3人分)
・お供え後の彼岸団子
10個
・きな粉
大さじ2
・砂糖
小さじ1
・黒蜜(はちみつ)
適量
作り方
①きな粉と砂糖を混ぜる。
②お団子に①をまんべんなくまぶす。
③黒蜜(はちみつ)をたっぷりとかける。
④お好みでバニラアイスを添えて食べる。
③中華風!ごま団子

材料(2~3人分)
・お供え後の彼岸団子
10個
・すりごま(黒か白)
大さじ2
・砂糖
小さじ2
・食塩
ひとつまみ
作り方
①すりごまに砂糖と食塩を混ぜる。
②さっと水をつけたお団子に①をまんべんなくまぶす。
③お好みでフライパンで軽く焼いて食べる。
④洋風アレンジ!チョコ団子
材料(2~3人分)
・お供え後の彼岸団子
10個
・板チョコ(お好み)
50g
・牛乳
大さじ1
・砕いたナッツ(お好み)
適量
作り方
①板チョコを細かく刻んで、耐熱ボウルに入れる。
②牛乳を加えて、電子レンジ(600W)で30秒加熱する。
③②をよく混ぜて溶かす。
④お団子に③をまんべんなくかける。
⑤砕いたナッツを上からまぶして食べる。
ホワイトチョコと抹茶パウダーもおススメ!
⑤おかずにも変身!団子汁
材料(2~3人分)
・お供え後の彼岸団子
6~8個
・だし汁
500ml
・味噌
大さじ1
・具材(にんじん・大根・しいたけ・豆腐など)
適量
作り方
①鍋にだし汁を入れて、具材を煮る。
②具材が柔らかくなったら、お団子を入れる。
③味噌を溶かし入れて、お団子が温まったら食べる。
味噌汁・けんちん汁・鍋物にすればあったまる!
そもそもお彼岸って?
みなさんも当たり前になっているお彼岸。
実は「彼岸」という言葉は、仏教の言葉で、「悟りの世界(極楽浄土)」を意味しています!
私たちが生きている現世を「此岸(しがん)」と呼び、「煩悩の世界」という意味があります。
ご先祖様への感謝と供養をすることが、お彼岸の目的です。
心を込めた供養をすることで、より良いお彼岸になるでしょう。
お彼岸にやってはいけないこと7選!お彼岸にすることも紹介
どうして春と秋なの?
春分の日・秋分の日は、太陽が真東から昇り、真西に沈む日です。
日照時間が昼夜でほぼ同じになるため、「陰陽のバランスが取れる特別な期間」と考えられています。
また仏教では、西には極楽浄土があると考えていて、「此岸(現世)」と「彼岸(悟りの世界)」が最も近づく時期のため、仏事をするのに最適な期間とされているからです。
農作物の収穫時期にもあたり、自然の恵みに感謝する意味合いも含まれています。
海外にもお彼岸はあるの?
海外にもお彼岸のような行事があります。
①中国
清明節(せいめいせつ)
ご先祖様の墓参りをする行事(4月)
②韓国
秋夕(チュソク)
ご先祖様を祀る韓国の旧盆(9月ごろ)
③メキシコ
死者の日
ご先祖様の霊を迎えるお祭り(11月)
彼岸団子以外にお彼岸にお供えするもの5種!
①甘くておいしい!ぼたもち・おはぎ
お彼岸の時期以外でも、スーパーでよく並んでいるぼたもち・おはぎ。
春分の日には春の花「牡丹」にちなんで、ぼたもち(牡丹餅)。
つぶあんがもち米を包んでいます。
秋分の日には秋の花「萩」にちなんで、おはぎ(御萩)。
こしあんがもち米を包んでいます。
小豆の赤色には、「魔除け」や「邪気払い」の意味合いがあります。
「もち米をつぶす=邪気を払う」との意味もあるとのこと。
最近では見た目に違いはないものの、昔はぼたもちとおはぎで形に違いがありました。
ぼたもちは牡丹のように、大ぶりの楕円形で丸くふっくらとした形。
おはぎは萩のように、細長めの形で小ぶりの楕円形でした。
みなさんはつぶあんとこしあん、どちらが好きですか?
②和風ヴィーガン!精進料理
お肉とお魚をまったく使わない、日本文化独自のヴィーガン。
お供えするものには、ごま豆腐、煮しめ、けんちん汁などがあります。
ごま豆腐は精進料理の定番といってもいいもの。
ごまは健康と長寿を象徴しています。
煮しめは根菜の煮物で、根菜には家族の絆が深まるという意味があり、縁起物でもあります。
けんちん汁は野菜の味噌汁で、こちらも精進料理の代表格。
身体を温める作用もあります。
精進料理がお肉やお魚を避ける理由として、仏教の戒律に従って、質素な食事で心を清めるという意味があります。
野菜や穀物中心の食事には、すべての生命に感謝して、シンプルさを心がけるといった意味もあります。
③彩とりどり!フルーツ
フルーツをお供えする場合は、ぶどうや桃などの腐りやすいものは避けるようにしましょう。
りんごは、身がしっかりしているため縁起がいいとされています。
みかんは丸い形をしているので、やはり「円満」を象徴しています。
バナナは房で実がなるため、家族や仲間との結びつきを表します。
④美しさを演出!お花
仏壇やお墓にお供えするお花は、香りの強すぎないお花や日持ちするお花が良いといわれています。
お彼岸にピッタリなお花として、菊・ユリ・リンドウ・カーネーション・グラジオラスがあります。
お花の意味
①菊
長寿・高貴・邪気払い
②ユリ
純粋・清浄・清らかな心
③リンドウ
敬意・思いやり
④カーネーション(白・ピンク)
追悼・愛情
⑤グラジオラス
誠実・情熱
お彼岸で避けたほうがいいお花もあります。
避けたほうがいいお花
①トゲのあるお花
バラ・アザミなど
亡くなられた方を傷つけてしまう
②匂いの強すぎるお花
一部のユリ・ジャスミンなど
仏壇などに向かないため
③毒性のあるお花
スズラン・ヒガンバナなど
縁起が悪いため
⑤香りを楽しむ!お線香
お線香は、元々お香典として捧げられていたものであり、良い香りでご先祖様を供養するためのものです。
お彼岸に適したお線香が、白檀(びゃくだん)・沈香(じんこう)・ラベンダーや桜の香りなどがあります。
白檀は上品で甘い香りがあり、お彼岸に最適とされています。
沈香は深みのある趣深い香りで、格式の高さを演出できます。
ラベンダーや桜の香りは、アロマオイルにも使われている現代風な香りで、こちらもお彼岸で人気です。
仏壇にお供えするときは、お線香に火を点けた後、手であおいで火を消します。
このとき、口で吹き消しすのはNG。
地域や宗派によって異なることもありますが、お線香を1~3本立てるのが一般的です。
お墓参りでお線香をお供えするときは、風が吹いているとお線香に火を点けづらいので、防風カバーなどを使って火を点けることをおススメします。
場所によっては、お線香に火を点ける専用のバーナーが設置してあるので、積極的に使うと良いでしょう。
豆知識ですが、ろうそくの火は「仏様の智慧の光」を象徴しています。
お彼岸で避けたほうがいいもの!
お供えNGなもの6選!
①お肉やお魚などの動物性食品
精進料理の習慣に反するため、お彼岸では避けましょう。
焼肉やステーキ、お魚のお刺身やお寿司、ハムやベーコン、卵料理などはNGです。
②お酒などのアルコール類
仏教では「五戒(ごかい)」の一つとして、「不飲酒戒(お酒を飲まない)」があるため、お彼岸では避けましょう。
亡くなられた方が生前にお酒が好きだった場合でも、お寺や宗派によってはふさわしくないことがあります。
どうしてもお供えしたい場合は、一時的にお供えした後、すぐに下げましょう。
③臭いの強すぎる食べ物
仏壇やお墓は清らかな場所なので、刺激的な臭いのする食べ物は避けましょう。
ニンニクやネギを使った料理(餃子・キムチなど)、カレー、強い香りのスパイス(唐辛子・山椒など)はNG。
臭いの強くないお吸い物や薄味の煮物などをお供えしましょう。
④腐りやすい食べ物
仏壇やお墓に長時間お供えすることになるため、傷みやすかったり腐りやすい食べ物は避けましょう。
生クリームを使ったケーキやプリン、果物ジュースはNG。
夏場なら、バナナ・桃・イチゴなどのフルーツも傷みやすいので気を付けてください。
日持ちがする和菓子、羊羹・干菓子・落雁などにしましょう。
⑤トゲのあるお花
バラやアザミ、サボテンなどトゲのあるお花は、亡くなられた方を傷つけてしまうイメージがあるため、供養には不向きです。
菊・ユリ・リンドウなど、清らかなお花にしましょう。
⑥お彼岸だけど彼岸花はNG!
ヒガンバナは、「死人花」・「幽霊花」など不吉な別名を持ち、お墓にお供えするのは縁起が悪いためです。
またヒガンバナ以外にも、毒性のあるスズランやチョウセンアサガオなども避けましょう。
お彼岸のお墓参りはいつ行くのがいい?タイミングやマナーを解説!
お墓参りでNGなこと4選!
①墓石の上に直接ものを置く
墓石はご先祖様が眠っている神聖な場所のため、ものを直接置くのは失礼にあたります。
お供え物も供物台に置くのがマナーです。
②お供え物をそのまま放置する
そのまま放置してしまうと、カラスなどの鳥や野生動物が荒らしに来たり、腐ってしまって悪臭が発生して不衛生なため気をつけましょう。
お供え物はその場で下げて、帰宅後に家族みんなでいただきましょう。
③お墓の周りを汚す
お墓の周りをお供えしているお花やお線香の灰などで散らかしてしまうと、周囲のお墓に迷惑がかかってしまいます。
雑巾やほうき、ごみ袋などのお掃除道具も持っていくのが良いでしょう。
④お墓参りの服装が派手すぎ
お彼岸は厳粛な行事の一つなので、ド派手な服装やアクセサリーはふさわしくないとされています。
落ち着いた色のカジュアルスタイルなど、シンプルな服装を心がけましょう。
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彼岸団子とそっくり!月見団子との違い
彼岸団子とそっくりで、白くて丸いお団子が積み上げられている月見団子。
パッと見は変わりがわからないですが、お供えする目的や積み上げる数に違いがあります。
彼岸団子はお彼岸に、ご先祖様の供養として極楽浄土へお祈りする目的で、仏壇やお墓などにお供えします。
月見団子は秋の収穫の時期に、月に感謝して豊作をお祈りする目的で、縁側や窓辺にお供えします。
原材料も、彼岸団子だと上新粉や米粉、もち米が材料ですが、月見団子だと上新粉や白玉粉となり、少し材料が違います。
積み上げる数も、彼岸団子だと6個だったり、7個だったりですが、月見団子は十五夜にちなんで15個積んだり、十三夜にちなんで13個積んだりと、違いがあります。
お供え後も、彼岸団子は家族みんなで食べて、供養の気持ちを込めますが、月見団子は月の力をいただくべく、月を眺めながら食べます。
見た目はそっくりでも、目的や材料など違うことがわかりましたね。
まとめ
今回は、彼岸団子について解説していきました。
お彼岸の時期にお供えすることや、お供えする目的、お供え後の食べ方など、新しい発見があったと思います。
彼岸団子を一から手作りしたり、お供え後のお団子をひと工夫したり、楽しく美味しくお彼岸を過ごしてみてはいかがでしょうか?