墓地管理料とは
今回の記事を解説する上で『墓地管理料』が頻繁に出てくるので、初めに前提を揃えておきましょう。
墓地管理料とは、墓地管理者が定める墓地全体の保全に使用する費用のことを指します。
呼び方は様々あり、護持会費、年間管理料、年間管理費、墓地管理料などが一般的です。
この記事では墓地管理料として統一してお話させていただきます。
また、近年、一定期間分の墓地管理料を一括して支払うタイプのお墓が増えています。
墓じまいとは何なのかを知りたい場合は以下の記事も併せて読むと良いでしょう。
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墓じまいしないとどうなる?
墓じまいをせずに墓地使用者が墓地管理料を一定期間支払わないと「無縁墓」となります。
その後、墓地埋葬に関する法律や所在する市区町村の条例、墓地の管理者が発行する墓地使用規則に則り墓地の撤去をされてしまいます。
撤去されるまでの行程①
墓地管理料を支払っていない墓地使用者に郵送、電話、訪問をし、使用者の所在が分からなければ調査をします。
撤去される行程②
調査の結果、墓地使用者が見つからなかった場合は墓地管理料を支払っていない使用者にお知らせをします。方法として官報に掲載します。
撤去される行程③
墓石に立て札を1年以上設置し、定期的に証左となる日付入り写真の撮影をします。
撤去される行程④
1年以上経っても連絡が無い場合は、対象の墓地を管理業者側で撤去できるようになります。
費用は墓地管理をしているお寺様や民間霊園様などの墓地管理者が負担するため、近年では工程①の調査を徹底し、ご本人や親族を探す墓地管理者様が増えています。
その背景には以前でしたら撤去後すぐにその区画を求める新規の墓地使用者が現れていましたが、現在では墓地の小区画化や納骨堂、樹木葬の栄隆により、墓地区画が再活用出来なくなってしまったことが挙げられます。
場合によっては契約した墓地使用者ご本人が亡くなっていても、継承権のあるご親族へご連絡がいくことも増加しています。
出典:墓地、埋葬等に関する法律施行規則 | 厚生労働省ホームページ
そういった経緯から墓地の管理運営先によらず、お墓を放置したり、未納の墓地管理費を、言い方は悪いですが踏み倒すことは現状難しいとご認識ください。
墓地管理者様は大きく分けて以下の4つに分けられます。
それぞれ注意点がありますので一つずつ解説をさせていただきます。
・民間霊園
・寺院墓地
・公営霊園
・共同墓地
では、早速見ていきましょう。
民間霊園での注意点
霊園規則に管理費未納時の内容が記載されていることがあります。その規則に同意し契約をしているため、ご両親や祖父母様が契約した場合でも継承をしていればその規則に準ずる必要があります。
墓地撤去をする際に使用者が亡くなっている場合には撤去申請の前に継承申請が必須となっている霊園様も多く、事前に継承する可能性がある墓地に関しては規則を理解しておく必要があります。
寺院墓地での注意点
お寺様の墓地の場合、寺院規則や檀信徒規則、墓地使用規則などが定められており、規則に墓地管理費未納時の内容が記載されていることがあります。
その規則に同意し墓地を求めているため、ご両親や祖父母様が契約した場合でも継承をしていればその規則に準ずる必要があります。
墓地撤去をする際に墓地使用者が亡くなっている場合には撤去申請の前に継承申請が必須となっているお寺様も多く、事前に継承する可能性がある墓地に関しては規則を理解しておく必要があります。
また、お寺様の墓地を使用している場合はご葬儀や法要、行事の参加に関するルールも定められています。万が一、そのことを継承者様がご存じでなかったとしても、離檀(お寺様とのお別れ)をするまでは檀信徒としての務めを果たす必要がありますのでご注意ください。
また、離檀料という費用をお寺様から求められ、トラブルになるケースも近年増加しています。その場合は弁護士や行政書士へトラブル解決を依頼されるケースも増えています。
しかし中にはお寺様が仰っていたのは未納分の管理料などだった場合もあり、その点に関してはお渡しをする必要があります。
公営霊園での注意点
こちらも霊園使用規則などが定められており、規則に管理費未納時の内容が記載されていることがあります。
その規則に同意し墓地を求めているため、ご両親や祖父母様が契約した場合でも継承をしていればその規則に準ずる必要があります。
共同墓地での注意点
墓地埋葬に関する法律施行前からある地域の墓地で、管理人さんや管理組合が管理を行っているケースが多くあります。
もしくは、墓地使用者本人が墓地管理者を兼ねているケースもあります。
そもそも墓地管理費があるのかないのか不明な継承者様が多く、書面にもなっていない事が多いためトラブルが起きています。地元に残った親族へご連絡がいくケースが多いです。
墓じまいをした方がいい場合
墓じまいをした方がいい場合を具体的にご紹介していきます。
下記で紹介する具体例に当てはまった人は、墓じまいを検討してみてはいかがでしょうか。
お墓が遠方にあってお墓参りに行けない
お墓が遠くにあり定期的にお墓参りに行くことが難しい方が墓じまいをし、現住所の近くにて新しく納骨先をご用意するケースが増えています。
また、お墓参りに行くにあたって新幹線や飛行機など使用する場合は交通費や宿泊費も結構な金額がかかってしまいます。
お墓が遠くにあり、お墓参りに片道2時間以上掛かっている方が墓じまいを選ばれる方が多いです。
お墓の後継者がいない
自分の後にお墓を管理してくれる人がいない場合は、墓じまいをする事も選択肢にいれるべきと言えます。
現状はしっかり管理できていたとしても、自分が亡くなってしまった場合に無縁墓になってしまいます。
自分が元気なうちに墓じまいを行い、ご自身のご遺骨は死後事務委任を受任される方へ永代供養付きの樹木葬などへ納骨を依頼しておく方が増えています。
もしくは、ご自身の没後何年後に墓地を撤去する旨を記載した合意書を墓地管理者様と結んだり、そこまでを死後事務委任に含め、契約をされる方も増加しています。
また、お寺様の墓地の場合、特定の回忌法要までのお布施を先にお渡しする合意書を作成しておくとより安心できる供養体制が構築できます。
檀信徒としての務めが重責になってしまった
お寺様の檀信徒として活動してきたが、費用捻出やお手伝いの体力がなくなり、お付き合いが難しくなってしまう方が近年増加しています。
これまでなら、お子様世代にバトンタッチしていくご家庭が多くいらっしゃいましたが、お子様方が遠方であったり、転勤や海外赴任、老々介護などの理由で墓じまいと離檀を同時に行う方が増えています。
お墓参りに行くのが大変
年齢や体力、身体の不調で定期的にお墓参りに行くことが負担になる場合、墓じまいやお墓の引っ越しを選ばれる方が増えています。
お墓のバリアフリーやアクセスの問題も近年では話題になっています。
お墓参りにご不安がある方は墓じまいやお墓の引っ越しをご検討されてみてはいかがでしょうか。
子どもに負担をかけたくない
近年、急激に進む少子高齢社会や共働き世代の増加から、お子様世代に墓地の維持は難しいと判断され、墓じまいを行う方が増えています。
ただし、その場合はご家庭でよく話し合いをし、理解を得てから墓じまいを行いましょう。
子どもはお墓を継いで守っていきたいと思っている場合もあります。
お墓を維持する費用の負担が大きい
墓地管理料は場所によって様々で0円~数万円と幅が広く、負担に感じている方が多くいらっしゃいます。
また、管理料以外にも水道代や清掃道具などお金がかかる場合があります。
上記にある遠方のケースも組み合わさってお困りの方が多いと言えます。
費用面でお墓を維持することが負担に感じている場合は墓じまいを検討してみましょう。
墓じまいの事でお悩みの方
・墓じまいをしたい方
・墓じまいを検討している方
・墓じまいについて相談がある方
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墓じまいに関する相談など、一貫したサポートを無料で提供しています。
どうぞ安心してご相談ください。
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墓じまいの費用を抑える方法
墓じまいに掛かる費用は以下の項目に分かれます。
・墓地撤去工事代金
・墓石処分代金
・ご遺骨出しやご遺骨処置代金
・ご遺骨運搬代金
・新規納骨先もしくは合祀、散骨費用
・役所手続きの費用
・魂抜きの法要などのお布施
なるべくワンストップサービスで実行してくれる墓じまいの専門家をご用意することが費用を抑えるコツと言えます。
お値段だけで決めてしまうと、ご自身の役割が大きくなってしまい、結果として余計な出費が増えてしまう傾向にあります。
墓じまい費用が払えない時の対処法
墓じまいを考えているが費用の準備ができず進められていない人も多くいらっしゃいます。
費用が払えない時の対処法を紹介しますので参考にしてみてください。
家族や親族に相談する
後継者が1人で墓じまい費用を負担する必要はありません。
費用が準備できないのであれば家族や親族から少しずつでも協力してもらえないか相談してみましょう。
お墓は後継者だけの問題ではなく、家族や親族全体の問題になります。
メモリアルローンを利用する
メモリアルローンは、銀行などが行っているお墓や葬儀などに目的を絞ったローンです。
メモリアルローンの対象に墓じまいが含まれている場合も多く、各行へお問い合わせされるとよろしいでしょう。
メモリアルローンは目的が絞られている分、カードローンなどに比べると金利が安め傾向で審査も通りやすい傾向にあるそうです。
自治体の補助金を利用する
各自治体が実施している補助金などが活用できる場合があります。
自治体によって補助金額は異なりますが、10万円~20万円ほどであることが多いです。
ただし、すべての自治体が補助金制度を行っているわけではありません。まだ、対応している自治体が少ないのが現状です。
まずは、お墓のある自治体に墓じまいの補助金制度があるか確認してみましょう。
両家墓にする
両家墓とは、複数の家のお墓を1つにまとめたお墓です。
あまり知られていないお墓ですが、最近は少子化に伴い両家墓を希望する人も増えてきています。
お墓を1つにまとめることで、お墓参りの交通費や管理料など費用を抑えることができます。
ただし、お墓の場所はどこにするのか?墓石に彫刻する文字、場合によっては改宗をしなければいけないこともあります。
また、場所によっては両家墓を禁止しているところもあります。
後々トラブルにならないように事前に墓地管理者や家族や親族と相談し理解を得てから進めていきましょう。
フリーローンを利用する
フリーローンは、借入金の使い道に制限が無いので、墓じまいの資金として利用することができます。
一般的に銀行や金融機関が取り扱っていることが多いです。
60歳以上の方は2ヶ月に1度の返済ができるなど急な出費を抑えることができます。
取り扱い事業者によって様々なプランがあるので事前に確認をしましょう。
費用のかからない供養方法を選ぶ
墓じまいは墓地撤去費用と墓じまい後の供養費用がかかります。新しい供養先での供養費用をなるべく抑えましょう。
費用が抑えられる供養方法としては下記があります。
・家族で眠れる樹木葬
・合祀墓
・散骨
・手元供養
これらの供養方法は比較的費用を抑えることができます。
永代供養墓は入檀(檀家になる)が必要になる場合もありますのでご注意が必要です。
取り扱っている事業者によって金額は様々なので事前に確認しましょう。
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墓じまいを進める方法
墓じまいを検討して進めていくとなった場合にどのように進めていくのか大まかな流れを紹介していきます。
是非参考にしてください。
① 家族・親族へご相談
② 改葬業者の選定
④ 新規納骨先の申込ならびに使用許可証授受
⑤ 既存墓地のある役所にて改葬許可申請書を取得
⑥ 墓地の管理者様に改葬許可申請書に捺印を頂く
⑦ 役所手続き
⑧ 工事申請
⑨ ご遺骨取り出しと魂抜きの法要
⑩ 墓地撤去工事
⑪ 完了報告
⑫ ご遺骨の乾燥
⑬ ご遺骨の移送
⑭ 新規納骨先様・墓じまい先でのご納骨
実は墓じまいで一番のハードルは『お金は出さないけど口は出す』親族です。そういった方を撃退する方法もあります。
よくある質問
お寺で墓じまいをするにはいくらかかりますか?
『ざっくりいくら』というのは墓じまいには不向きと言えます。
家や建物の撤去と同じく現地調査は必須で、工法や素材、サイズ、立地などを含めて計算をする必要があります。
墓じまいで魂抜きしないとどうなる?
原則、お寺様の墓地では魂抜きの法要は必須としてお考えください。
その他墓地では墓地使用規則などに記載のない限り魂抜きをするかしないかは個人の自由です。
魂抜きをせずに墓地撤去をしても法的な罰則はありません。
ですが、墓地建立時に魂入れの法要(開眼法要)をしている場合は、魂抜きの法要を行うことが一般的です。
お墓を移すのはよくない?
お墓を移すことは法的にも問題はなく、悪いことではありません。
お墓を移動させる件数は年々増加しています。
ただし、費用は新しい墓地を建てる費用とあまり変わらないことが多いため、費用面ではメリットは大きくありません。
費用があまり変わらない理由として、撤去費用は変わらず掛かること、石材の持ち込みが可能であっても持ち込み費用が掛かる墓地が多いこと、移設時に傷をつけないように運搬する必要があること、補修費、などが挙げられます。
墓じまいしないとどうなる?
お墓の使用者がお金を払わずに墓じまいしないで一定期間連絡が取れないとお墓は『無縁墓』になってしまいます。
その後、墓地埋葬に関する法律や所在する市区町村の条例、墓地の管理者が発行する墓地使用規則に則り墓地の撤去をされてしまいます。
まとめ
今回は、墓じまいしないとどうなるのか、墓じまいの費用を抑える方法など紹介しました。
急にお金が必要になっても対応するのは大変です。
既にお墓を維持することが負担に感じている人は墓じまいを検討しましょう。
墓じまいを検討するにあたって今回の記事を参考にしていただければと思います。
墓じまいの事でお悩みの方
・墓じまいをしたい方
・墓じまいを検討している方
・墓じまいについて相談がある方
お墓の口コミでは、
墓じまいに関する相談など、一貫したサポートを無料で提供しています。
どうぞ安心してご相談ください。
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この記事の著者・監修者
株式会社ディライト株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。
この記事の編集者
お墓の口コミ編集部
竹田 勇仁
東京都出身。大学を卒業後葬儀社で勤務。
現場経験を経て、消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。