墓じまいとは?増えている理由や進め方など分かりやすく解説!

最新編集日:

お墓

今回の記事では、「墓じまいとは何か」網羅的に解説していきます。
さまざまな理由から、墓じまいをする人が増えています。

いざ墓じまいをしようと思っても何からやっていいのか分からない方も多いでしょう。

本記事では、
・墓じまいとは?
・墓じまいする人が増えている理由
・墓じまいの進め方
・墓じまいの費用
・墓じまいのメリット、デメリット

など詳しく解説しています。

この記事を読めば、墓じまいをトラブルなくスムーズに進めて行くことが出来ます。
ぜひ最後までお付き合いください。

墓じまいの事でお悩みの方

・墓じまいをしたい方
・墓じまいを検討している方
・墓じまいについて相談がある方

お墓の口コミでは、
墓じまいに関する相談など、一貫したサポートを無料で提供しています。

どうぞ安心してご相談ください。

墓じまい

墓じまい
相談はこちら矢印
24時間365日受け付けております。

墓じまいとは

並んでるお墓

墓じまいとは、先祖代々のお墓を撤去・解体して更地にし、土地の使用権をお寺や霊園の管理者に返還することです。

取り出した遺骨を新しい納骨先への納骨(改葬)するまでを含めて墓じまいと考えるのが一般的です。

墓じまいする人が増えている理由

考える女性

墓じまいは、2008年の7万2483件から2022年で15万1076件と2倍以上増えています。

なぜ、墓じまいする人が増えているのか。

主な理由は以下の3つです。

・お墓を継ぐ人がいない
・子どもや孫に負担をかけたくない
・お墓参りが負担になる

1つずつ詳しく解説していきます。

出典:衛生行政報告例 | 厚生労働省ホームページ

お墓を継ぐ人がいない

日本は、昨今の少子高齢化や核家族化の影響で「子どもがいない」「親族がいても付き合いが無い」という方が増えています。

お墓を受け継ぐ継承者がいなければ、お墓を維持、管理することはできません。

そのため、自分たちの代で墓じまいを選択するケースが増加しています。

子どもや孫に負担をかけたくない

お墓を維持、管理していくには管理料やお布施などの費用がかかります。

そのままお墓を継承すると、費用の負担は子どもや孫にかかってしまいます。

そのため、子どもや孫に負担をかけないように墓じまいを考える方が増えています。

お墓参りが負担になる

「お墓のある故郷から出て離れて生活をしている」「山奥にお墓がある」などの理由でお墓参りに行くこと自体が負担になっている方もいらっしゃいます。

お墓参りの負担を減らすために、墓じまいをして近場にお墓を移す方も増えています。

墓じまいの進め方7ステップ

お墓の掃除

墓じまいを進めて行くことを決めたら、スムーズに墓じまいができるように墓じまいの進め方を確認しましょう。

一般的な墓じまいの進め方は以下の7ステップになります。
➀家族や親族に相談して同意を得る
②お墓のあるお寺や霊園に相談する
③新しい供養先と供養方法を決める
④改葬許可証を取得する
⑤閉眼供養(魂抜き)をする
⑥遺骨を取り出し、お墓を撤去する
⑦新しい供養先に納骨し、開眼供養する

1つずつ詳しく解説していきます。

➀家族や親族に相談して同意を得る

まず最初にすべきことは、家族や親族に相談し同意を得ることです。

事前に相談せずに墓じまいを進めてしまうとトラブルの原因になります。

家族や親族の中には「供養=伝統的なお墓」と考えていて、理解ができないという方もいます。

墓じまいしても先祖の供養はできること、供養には様々な方法があることを伝え、全員の理解を得るようにしましょう。

②お墓のあるお寺や霊園に相談する

お墓の管理者であるお寺や霊園に相談ベースで墓じまいの意思を伝えましょう。

特にお寺の場合は、「墓じまい=檀家をやめる=お寺の収入が減る」ということになります。

事前の相談をせずに「墓じまい」をする旨を伝えると、書類の手続きを拒否されたり、高額な離檀料を請求されたりするトラブルも起きています。

今まで供養してくれた感謝を忘れずに、理解してもらえるよう話し合いをしましょう。

③新しい供養先と供養方法を決める

家族や親族、お墓の管理者から墓じまいの理解を得たら、新しい供養先と供養方法を決めましょう。

墓じまいの手続きを進めていく上で、新しい供養先の住所が必要になります。

引っ越し先が人気のある霊園などの場合は、必ずしも空きがあるとは限りません。

また、新しい供養方法によっては家族や親族の理解を得られない場合もあるので余裕をもって探しましょう。

④改葬許可証を取得する

次は、改葬許可証を取得するための行政手続きを行います。

遺骨を新しい供養先に引っ越しをするためには「改葬許可証」という書類が必要です。

この「改葬許可証」を発行するためには以下の3つの書類を準備し、現在お墓のある自治体の役所に提出する必要があります。

➀「埋葬証明書」
今あるお墓の管理者から発行してもらう「このお墓には誰が眠っているのかを証明する書類」です。

②「受入証明書」
新しいお墓の管理者から発行してもらう「遺骨の受け入れを許可したことを証明する書類」です。

③「改葬許可申請書」
今のお墓がある市区町村から発行してもらう「お墓の移動を許可する申請書類」です。

⑤閉眼供養(魂抜き)をする

遺骨を取り出す前に閉眼供養を行います。

閉眼供養とは「魂抜き」とも呼ばれ、僧侶がお墓の前で読経供養し、お墓に眠る故人様の魂を抜いて通常の状態に戻す儀式です。

基本的にお寺の場合はご住職が行います。菩提寺が無い場合は近くのお寺のご住職に依頼しましょう。

閉眼供養は、必ず行わないといけない訳ではありませんが、特に理由が無い場合は閉眼供養を行いましょう。

閉眼供養を行っていないと作業を請け負ってくれない石材業者もいます。事前に相談しておくと安心です。

⑥遺骨を取り出し、お墓を撤去する

閉眼供養が終わったらいよいよ遺骨を取り出し、お墓の撤去をします。

一般的には、お墓を購入した石材業者に依頼します。

ただ、お寺や霊園によっては撤去する業者が指定されている場合もあるので事前に確認しておきましょう。

閉眼供養と遺骨の取り出しを同日でおこなう人が多いです。

⑦新しい供養先に納骨し、開眼供養する

新しい墓地管理者に「改葬許可証」を提出し納骨を行います。

納骨時に「開眼供養」を行います。
開眼供養とは、新しいお墓に故人様の魂を迎え入れる儀式です。

ここまでが墓じまいの一般的な流れになります。

墓じまいにかかる費用

電卓

墓じまいにかかる費用相場は30万円~300万円と言われています。

金額の幅が大きいのは、墓じまい後の供養方法によって変わってくるためです。

墓じまいにかかる費用の項目としては大きく以下が挙げられます。

・お墓の撤去費用
・行政手続き費用
・閉眼供養のお布施
・離檀料
・新しい納骨先の費用
・開眼供養のお布施

1つずつ詳しく解説していきます。

お墓の撤去費用

今までのお墓を撤去して、お寺や霊園に土地を返還する必要があります。

お墓を撤去する費用として、1㎡あたり10万円程度が相場と言われています。

作業用の機材が入れない場所や墓石の量などによって、追加で費用がかかるので注意しましょう。

行政手続き費用

墓じまいをおこなう上で、行政手続きがあります。

行政手続きでかかる費用は、数百円~1500円程度が相場と言われています。

行政手続きをする際に「埋葬証明書」「受入証明書」「改葬許可証」などの書類を発行してもらう必要があり、書類発行にかかる費用です。

費用は自治体によって変わってくるので、事前に確認しておくと安心です。

閉眼供養のお布施

遺骨を取り出す前に閉眼供養をおこないます。

閉眼供養とは「魂抜き」とも呼ばれ、僧侶がお墓の前で読経供養を行い、お墓に眠る故人の魂を抜いて通常の状態に戻す儀式です。

閉眼供養の費用は、3万~10万円程度が相場と言われています。

地域やお寺との関係性でも変わってくるので、事前に確認しておきましょう。

離檀料

寺院墓地の場合に、檀家をやめる(離檀する)ために必要になることがあります。

離檀料は、通常の法要でお渡しするお布施の2~3倍、10万~20万程度が相場と言われています。

離檀料は法的に決められているものでは無いので、お渡しするかは個人の判断になります。

一般的には、これまでのお礼として渡すことが多いです。

新しい納骨先の費用

新しい納骨先の費用は、5万~200万円程度が相場と言われています。

納骨先によって費用が大きく変わってきます。
納骨先の候補として以下が挙げられます。

●一般墓:50万~200万円程度
●樹木葬:30万~100万円程度
●納骨堂:30万~100万円程度
●永代供養墓:5万~150万円程度
●散骨:5万~70万円程度
●手元供養:数百円~50万円程度

開眼供養のお布施

新しい納骨先で納骨をする前に開眼供養を行います。

開眼供養とは、新しいお墓に故人様の魂を迎え入れる儀式です。

開眼供養の費用は、3万~10万円程度が相場と言われています。

地域やお寺との関係性でも変わってくるので、事前に確認しておきましょう。

墓じまい後の供養先

供養方法は、時代と共に多様化しています。

一般的に選ばれる供養方法として以下が挙げられます。

・一般墓
・樹木葬
・永代供養墓
・納骨堂
・散骨
・手元供養

1つずつ詳しく解説していきます。

一般墓

一般墓とは、家族や親族がお墓と土地を所有し、管理を行う伝統的なお墓のことです。

先祖から代々受け継がれるもので、一般的にイメージされるお墓の形態です。

樹木葬

一般的に樹木葬は、遺体や遺骨を樹木の下に埋め、その樹木を墓標とする埋葬方法です。

近年、都市化や墓地不足の問題があるため、手間がかからずコスト面でも魅力的な選択肢の1つとなっています。

2023年には、樹木葬を購入した人の割合が全体の過半数を超えるほど、今人気の供養方法です。

永代供養墓

永代供養墓は、お墓の持ち主に代わってお寺が供養や管理をしてくれます。

永代使用料が一般墓に比べて比較的安く、核家族化や少子高齢化の影響でお墓の後継者がいない人や後継者に負担をかけたくないという人からの需要が高まっています。

納骨堂

納骨堂は決められた場所に遺骨を納骨し、専用のスペースでお参りができる施設です。

屋内型の納骨堂が都心部を中心に増えています。

屋内型納骨堂は、天候に左右されることなくお参りができます。

また、アクセスの良い立地や施設が充実していることが多いです。

散骨

散骨とは、遺骨を粉末状にして自然環境に撒くことをいいます。

自然に還すということから「自然葬」とも呼ばれています。

有名な散骨方法としては、海に遺灰を撒く「海洋散骨」、自然の里山などに遺灰を撒く「森林散骨」、遺灰をロケットなどで打ち上げる「宇宙葬」などがあります。

手元供養

手元供養とは遺骨を分骨して、遺骨ペンダントやミニ骨壺などに入れて手元に置いておく供養方法です。

最近では遺骨でダイヤモンドを作り、自宅などに保管するダイヤモンド葬などもあります。

手元供養を引き継ぐ人がいなくなった場合は、永代供養や散骨などの他の供養方法で供養する必要があります。

墓じまいのメリット

メリットのテキスト

墓じまいすることのメリットとしては以下が挙げられます。

・子どもや孫に負担をかけなくてすむ
・経済的負担と身体的負担が減る
・無縁墓になる心配がなくなる

1つずつ詳しく解説していきます。

子どもや孫に負担をかけなくてすむ

墓じまいをして永代供養のお墓に遺骨を移すことで、永代にわたり管理・供養してもらえます。

子どもや孫がお墓を管理する必要がなくなるため、将来的に負担をかけずにすみます。

経済的負担と身体的負担が減る

お墓の維持・管理には「管理費」「お布施」「寄付金」などの経済的負担が伴います。

さらに、お墓が遠方にある場合、定期的なお墓参りは身体的に負担となるでしょう。

自宅近くの永代供養墓などにお墓を移すことで、これらの負担を大きく軽減することが出来ます。

特に、お布施などの費用が発生しないケースが多く、お墓参りの頻度も自由に調整することが出来ます。

無縁墓になる心配がなくなる

お墓が遠方にあり、なかなかお墓参りに行けないという人が増えてきています。

管理費を支払わずに放置し続けると無縁墓となり、お墓が撤去されてしまいます。

墓じまいをすることで、無縁墓になる不安や心配を解消できます。

墓じまいのデメリット

デメリットのテキスト

墓じまいすることのデメリットとしては以下が挙げられます。

・親族トラブルに発展することがある
・遺骨を取り出せなくなる場合がある
・費用が高額になる場合がある

1つずつ詳しく解説していきます。

親族トラブルに発展することがある

墓じまいは、先祖代々のお墓がなくなることになるので、親族から理解が得られない場合があります。

相談せずに墓じまいを進めてしまうとトラブルになることがあるので、お墓に関わる親族全員が納得できるように、事前に話し合いをしましょう。

遺骨を取り出せなくなる場合がある

新しい納骨先によっては、納骨すると二度と遺骨を取り出せなくなる場合があります。

一般的には、不特定多数の遺骨を一緒に納骨する「合祀(ごうし)」の場合は遺骨を後から取り出すことはできません。

費用が高額になる場合がある

既存のお墓の規模や新しい納骨先によっては、想定していた費用より高額になることがあります。

また、お寺に支払う離檀料を法外な費用で提示され、お寺とトラブルになる場合もあります。

費用をなるべく抑えたいのであれば、依頼する石材店から相見積もりを取ることや、自治体の補助金を利用することで費用を安く抑えることができるでしょう。

墓じまいのトラブル対策方法

対策のテキスト

墓じまいをおこなう際にトラブルが起きないよう、以下の2点に注意して進めて行きましょう。

・親族、お寺、石材店に事前に相談をしておく
・費用の見積りは複数社から取得する

1つずつ詳しく解説していきます。

親族・お寺・石材店に事前に相談しておく

トラブルの原因として、『墓じまい』を行うことが伝わっていない場合がほとんどです。

親族には「墓じまいを行うこと」「誰が費用を負担するのか」「継承者は誰にするのか」など事前に相談して全員の合意を得ておきましょう。

お寺には突然「墓じまいをします」と伝えるのではなくあくまで「相談」として事前に話をして良好な関係を作っておきましょう。

石材店には見積書の分からない点など事前に細かく確認をしておきましょう。

費用の見積りは複数社から取得する

「結果的に費用が高くなった」「言われていた費用と全然違う」などのトラブルも多くあります。

見積書は必ず複数社取得し、比較検討を行いましょう。
また事前に分からないことは質問して不安な点は無くしておくことが重要です。

よくある質問

墓じまいをしないとどうなる?

結論、お墓が「無縁墓」として扱われる可能性があります。

無縁墓として扱われてしまった場合、一定期間連絡が取れなければ、管理事業者側で撤去できるようになるので注意が必要です。

墓じまいすると不幸になる?

「墓じまいをすると不幸になる」「ご先祖様から祟られる」ということは全くありません。

管理が難しくなってきたお墓を放置するのではなく、ご先祖様のことを考えて、墓じまいするので祟られることは無いでしょう。

墓じまいはいくつになったら行うべき?

結論、墓じまいをするにあたって年齢の決まりはありません。

墓じまいを進めていく上で、本人じゃないとできない手続きもあるので、体が動けるときに進めておくといいでしょう。

まとめ

今回の記事では、墓じまいとは何か、どのように進めて行くのかなど墓じまいについて網羅的に解説いたしました。

墓じまいをしようか悩んでいる方!

是非、今回紹介した墓じまいのメリット・デメリットや墓じまいが増えている理由などを参考に、墓じまいが必要なのかもう一度考えてみてください。

墓じまいを進めて行くことが決まれば、今回紹介した「墓じまいの進め方7ステップ」を参考にトラブルなく進めて行きましょう。

墓じまいの事でお悩みの方

・墓じまいをしたい方
・墓じまいを検討している方
・墓じまいについて相談がある方

お墓の口コミでは、
墓じまいに関する相談など、一貫したサポートを無料で提供しています。

どうぞ安心してご相談ください。

墓じまい

墓じまい
相談はこちら矢印
24時間365日受け付けております。

株式会社ディライト

この記事の著者・監修者

株式会社ディライト

株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。

竹田 勇仁

この記事の編集者

お墓の口コミ編集部

竹田 勇仁

東京都出身。大学を卒業後葬儀社で勤務。
現場経験を経て、消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。

関連記事