改葬とは
![お墓参りする女性](https://img.oohaka.jp/media/news/7/93/detail/grave-woman.webp)
改葬とは、現在のお墓から遺骨を取り出して、新しい供養先に納骨することをいいます。
その際に、現在のお墓は撤去して更地に戻し、土地の使用権をお寺や霊園の管理者に返還する必要があります。
改葬の方法としては、大きく以下の3つが挙げられます。
・現在の墓石と遺骨をそのまま移動する方法
・遺骨のみを移動して新しく墓石を建てる
・遺骨のみを移動して納骨堂や樹木葬などの供養をする
改葬が増えている理由
近年、日本の少子高齢化や核家族化に伴い、改葬をする方が増えています。
2008年の7万2483件から2022年で15万1076件と2倍以上に増えています。
改葬をする理由としては以下が挙げられます。
・お墓を継ぐ人がいない
・子どもや孫に負担をかけたくない
・お墓参りが負担になる
上記以外にも様々な理由で墓じまいをする方が増えているのが現状です。
改葬と墓じまいの違い
改葬と墓じまいは同じような意味で利用されていますが、本来の意味は異なります。
改葬とは、現在のお墓から新しいお墓に引っ越すことを言います。
墓じまいとは、現在のお墓を撤去・解体して更地に戻すことを言います。
そのため、改葬の手続きの中に墓じまいが含まれるイメージです。
改葬するメリット
![MERITのテキスト](https://img.oohaka.jp/media/news/7/93/detail/merit-text.webp)
改葬することのメリットとしては以下が挙げられます。
・子どもや孫に負担をかけなくてすむ
・お墓参りがしやすくなる
・無縁墓になる心配がなくなる
1つずつ詳しく解説していきます。
子どもや孫に負担をかけなくてすむ
お墓を継承すると子どもや孫がお墓の管理費用を負担していくことになります。
改葬をして永代供養のお墓に遺骨を移すことで、お寺や霊園が永代にわたってお墓の管理・供養を行います。
子どもや孫がお墓を管理する必要がなくなるため、将来的に負担をかけずにすみます。
お墓参りがしやすくなる
最近では都心部に移り住む人が多くなり、地方にあるお墓にお参りすることが負担になっている人が増えています。
自宅近くにお墓を移すことで、お墓参りの負担を大きく軽減することが出来ます。
無縁墓になる心配がなくなる
お墓が遠方にあり、なかなかお墓参りに行けないという人が増えてきています。
管理費を支払わずに放置し続けると無縁墓となり、お墓が撤去されてしまいます。
改葬をすることで、無縁墓になる不安や心配を解消できます。
改葬するデメリット
![DEMERITのテキスト](https://img.oohaka.jp/media/news/7/93/detail/demerit-text_bDpUBWx_y3Kyqfm.webp)
改葬することのデメリットとしては以下が挙げられます。
・親族トラブルに発展することがある
・遺骨を取り出せなくなる場合がある
・費用が高額になる場合がある
1つずつ詳しく解説していきます。
親族トラブルに発展することがある
改葬すると、先祖代々のお墓がなくなることになるので、親族から理解が得られない場合があります。
相談せずに改葬を進めてしまうとトラブルになることがあるので、お墓に関わる親族全員が納得できるように、事前に話し合いをしましょう。
遺骨を取り出せなくなる場合がある
新しい納骨先によっては、納骨すると二度と遺骨を取り出せなくなる場合があります。
一般的には、不特定多数の遺骨を一緒に納骨する「合祀(ごうし)」の場合は遺骨を後から取り出すことはできません
費用が高額になる場合がある
既存のお墓の規模や新しい納骨先によっては、想定していた費用より高額になることがあります。
また、お寺に支払う離檀料を法外な費用で提示され、お寺とトラブルになる場合もあります。
費用をなるべく抑えたいのであれば、依頼する石材店から相見積もりを取ることや、自治体の補助金を利用することで費用を安く抑えることができるでしょう。
改葬の流れ
改葬(墓じまい)の進め方は以下の7ステップになります。
➀家族や親族に相談して同意を得る
②お墓のあるお寺や霊園に相談する
③新しい供養先と供養方法を決める
④改葬許可証を取得する
⑤閉眼供養(魂抜き)をする
⑥遺骨を取り出し、お墓を撤去する
⑦新しい供養先に納骨し、開眼供養する
ステップ⑦の新しい供養先に遺骨を納骨して、改葬が完了になります。
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改葬費用の内訳と相場
改葬にかかる費用相場は30万円~300万円と言われています。
金額の幅が大きいのは、遺骨を取りだした後の供養方法によって変わってくるためです。
改葬にかかる費用の項目としては大きく以下が挙げられます。
・お墓の撤去費用
・行政手続き費用
・閉眼供養のお布施
・離檀料
・新しい納骨先の費用
・開眼供養のお布施
1つずつ詳しく解説していきます。
お墓の撤去費用
今までのお墓を撤去して、お寺や霊園に土地を返還する必要があります。
お墓を撤去する費用として、1㎡あたり10万円程度が相場と言われています。
作業用の機材が入れない場所や墓石の量などによって、追加で費用がかかるので注意しましょう。
行政手続き費用
改葬をおこなう上で、行政手続きがあります。
行政手続きでかかる費用は、数百円~1500円程度が相場と言われています。
行政手続きをする際に「埋葬証明書」「受入証明書」「改葬許可証」などの書類を発行してもらう必要があり、書類発行にかかる費用です。
費用は自治体によって変わってくるので、事前に確認しておくと安心です。
閉眼供養のお布施
遺骨を取り出す前に閉眼供養をおこないます。
閉眼供養とは「魂抜き」とも呼ばれ、僧侶がお墓の前で読経供養を行い、お墓に眠る故人の魂を抜いて通常の状態に戻す儀式です。
閉眼供養の費用は、3万~10万円程度が相場と言われています。
地域やお寺との関係性でも変わってくるので、事前に確認しておきましょう。
離檀料
寺院墓地の場合に、檀家をやめる(離檀する)ために必要になることがあります。
離檀料は、通常の法要でお渡しするお布施の2~3倍、10万~20万程度が相場と言われています。
離檀料は法的に決められているものでは無いので、お渡しするかは個人の判断になります。
一般的には、これまでのお礼として渡すことが多いです。
新しい納骨先の費用
新しい納骨先の費用は、5万~200万円程度が相場と言われています。
納骨先によって費用が大きく変わってきます。
納骨先の候補として以下が挙げられます。
●一般墓:50万~200万円程度
●樹木葬:30万~100万円程度
●納骨堂:30万~100万円程度
●永代供養墓:5万~150万円程度
●散骨:5万~70万円程度
●手元供養:数百円~50万円程度
開眼供養のお布施
新しい納骨先で納骨をする前に開眼供養を行います。
開眼供養とは、新しいお墓に故人様の魂を迎え入れる儀式です。
開眼供養の費用は、3万~10万円程度が相場と言われています。
地域やお寺との関係性でも変わってくるので、事前に確認しておきましょう。
改葬時に必要なお布施
改葬をする際は、お布施の準備を行いましょう。
改葬のお布施は、3万~10万円が相場とされています。
金額に幅があるのは、そのお寺との関係性によってお渡しする金額が変わってくるためです。
また、お布施を直接渡すのはマナー違反とされていますので注意しましょう。
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改葬をする際に起こりやすいトラブル
お墓は家族や親族など様々な人たちが関わっているものです。
そのため、改葬に対する考え方や価値観が合わずトラブルになってしまう場合があります。
ここからは、改葬を行う際に起こりがちなトラブル事例を紹介していきます。
親族とのトラブル
改葬を行う際に起きるトラブルの一つとして親族とのトラブルがあります。
原因としては、大きく以下が挙げられます。
・親族の了承を得ないまま改葬を行う
・改葬費用を誰が払うのか
・親族からはお墓が遠方になる
他にも様々な理由によってトラブルに発展することがあります。
ここで重要なのは、事前に親族全員と話し合いを行い、改葬に同意をしてもらうことです。
お寺とのトラブル
お寺にお墓を持っている場合は、改葬時に檀家をやめる必要があり、その際にトラブルに発展することがあります。
原因としては、大きく以下が挙げられます。
・高額な離檀料の請求をされる
・改葬を拒否される
・閉眼供養をしないことでトラブルに
原因は様々ありますが、お寺は長年ご先祖を供養してきていますので、お寺側に改葬の相談をせずにいきなり「改葬します」とだけ伝えるといい気持ちにはなりません。
また、お寺側からすると檀家がいなくなることは、経済的支障が出ることになりますので、必ず事前に相談をしましょう。
石材店とのトラブル
お墓の撤去時に石材店とトラブルに発展する場合があります。
原因としては、大きく以下が挙げられます。
・高額な撤去費用の請求をされる
・複数社の見積りが取れない
お墓を撤去する際に、場所によっては指定石材店制度があり、決まった石材店でしか撤去工事ができない場合があります。
そのため、撤去費用やサービス内容の比較ができず、石材店の言い値になりトラブルになる場合があります。
最終的に話がまとまらない場合は、消費者センターや専門家に相談しましょう。
よくある質問
遺骨は捨てられますか?
結論、遺骨は捨てることはできません。
「墓地、埋葬に関する法律」の第4条で、埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはならない。と定められています。
違反すると罰せられますので注意しましょう。
遺骨をずっと持っておくことはできますか?
遺骨を自宅で持っておくことはできます。
遺骨が手元から無くなるのが嫌な方やお墓が遠くてお参りに行けない方などは「手元供養」を行うとよいでしょう。
最近では「手元供養」をする人が増えています。
喉仏は遺骨の中でどう扱われますか?
喉仏は地域によって扱われ方が異なってきます。
東日本では、他の遺骨と一緒に納骨されますが、西日本では、小さい骨壺に別で納骨する「分骨」を行う地域もあります。
まとめ
今回の記事では
・改葬とは
・改葬のメリット、デメリット
・改葬の流れ
・改葬の費用
・改葬時に起こるトラブル
など詳しく紹介してきました。
この記事を読んで改葬をスムーズに進めて行きましょう。
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この記事の著者・監修者
株式会社ディライト株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。
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この記事の編集者
お墓の口コミ編集部
竹田 勇仁
東京都出身。大学を卒業後葬儀社で勤務。
現場経験を経て、消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。