年末年始(正月)にお墓参りにいってもいいのか?

結論は、年末年始にお墓参りをしても問題ありません。
「喪中は年賀状を送らない」「お正月のお墓参りは縁起が悪い」という習わしから年末年始のお墓参りは良くないイメージがある方も多いと思います。
宗教宗派や地域などの慣習、考え方などで異なる場合がありますが、基本的にお墓参りをしてはいけない日はありません。
むしろ、年末年始は親戚一同が集まる数少ない場でもあり、1年の終わり・1年の始まりという節目で日頃の感謝を伝える良い機会になります。
年末と年始どちらにお参りいくべき?

年末と年始、どちらにお墓参りをするべきかは、家族の都合や地域の習慣によって異なります。
一般的には、年末にお墓を清掃し、新年を清らかな気持ちで迎えるためにお参りする方が多いです。
一方、年始に新年の挨拶を兼ねてお墓参りをする習慣もあります。
以下では、年末と年始それぞれのメリットを紹介します。
年末にお墓参りがいい理由
年末は、一年の締めくくりの節目になるのでご先祖様に挨拶をするいい機会になります。
帰省のタイミングでもあるので家族や親族が集まりやすく、お墓参りを行うのにおすすめな時期になります。
また、年末にお墓参りをするタイミングで、お墓掃除を行うと良いとされています。
一年間の汚れを落としお墓を整えることで、先祖に敬意を払うとともに、自身の心も整います。
新年を迎える準備として年末にお墓掃除を行うことはおすすめです。
年始にお墓参りがいい理由
年始は、一年の始まりの節目になるのでご先祖様に挨拶をするいい機会になります。
また、お正月は本来ご先祖様をお迎えし、感謝の挨拶やお祝いをするという意味があります。
そのため、年始にお墓参りを行うことは、お正月の本来の意味にもなっています。
年末同様に、帰省のタイミングでもあるので家族や親族が集まりやすく、お墓参りを行うのにおすすめな時期になります。
お墓参りで避けるべきタイミング

お墓参りは、基本的にいつ行っても問題ありません。
しかし、年末には避けた方がいい日がありますので注意しましょう。
具体的な日程を紹介していきます。
お墓参りに行ってはいけない日を詳しく解説しています!
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29日は縁起が悪い?
29日は「にじゅうく(二重苦)」と聞こえることから、お墓参りを避けるべきだという考え方があります。
そのため、あえて29日にお墓参りに行くべきではないと考えている人もいるのです。
一方で、「29(ふく:福 )」と考えている人もいるので、最終的には家族や親族と相談して決めましょう。
31日(大晦日)
31日は、お正月の一夜飾りから「お通夜」が連想できることからお墓参りを避けるべきだと考える人がいます。
また、霊園やお寺も新年の準備で忙しくしているので、お墓参りに訪れると邪魔になってしまう可能性もあります。
そのため、31日以外でお墓参りに行ける場合は、別日で調整する方がいいでしょう。
夕方に近い時間
厳密な決まりはありませんが、お墓参りは「午前中」に行くのがいいとされています。
一日の後半に行くことは「後回しにした」として、ご先祖様に失礼になると考える人もいます。
必ず午前中という訳ではないですが、行けるのであれば午前中に行くようにしましょう。
初詣とは別の日程にする
初詣とお墓参りを同じ日に行くことは良くないと考えられています。
神道の教えでは「死は穢れ」として不浄なものと考えられています。
お墓参り後に初詣に行くことは、神社に穢れを持ち込むことになるのであまりいいとされていません。
どうしても初詣とお墓参りを同じ日に行く場合は、初詣に行った後にお墓参りに行きましょう。
ただこの場合は、お墓参りを「後回しにした」とも考えられるので家族や親族と相談して決めましょう。
年末年始のお墓参りの注意点

年末年始のお墓参りで注意しなければならない点を紹介します。
霊園やお寺の運営時間を確認する
年末年始でも霊園やお寺は空いていることが多いですが、通常の開園時間と異なる時間設定をしている事がありますので注意が必要です。
また、普段お墓参りをする際に購入する花屋や和菓子屋などのお店も営業時間が変更されていることがあるので事前に確認しましょう。
「ついで」のお参りに注意する
他の用事のついでにお墓参りに行くことは失礼だと言う人もいます。
ご先祖様への挨拶は最も優先される事と考えられているので、何か他の用事のついでにお参りは良くないとされています。
しかし、「気持ちがこもっていれば問題がない」という人もいるので最終的には家族や親族と話し合って決めていきましょう。
時間に余裕をもって行動する
年末年始は帰省などの移動が多い為、混み合っていることがあります。
お墓参りに行く道路の渋滞や公共交通機関の運行時間の変更など普段通りの時間で行けないことがありますので、事前に確認し、余裕をもって行動しましょう。
防寒対策をしっかりする
年末年始はかなり寒くなっています。
日中のお墓参りですが、寒さ対策をしっかり行いましょう。
体調を壊してしまったら元も子もないです。
家族や親族と話し合う
年末年始のお墓参りは良くないという事はありません。
しかし、家族や親族の中には反対する人もいるかもしれません。
強引にお墓参りをすればトラブルになる場合もあります。
最終的に年末年始にお墓参りするかは家族や親族と相談して決めましょう。
年末年始のお墓参りのマナー

年末年始のお墓参りのマナーを紹介します。
是非参考にしてください。
服装
年末年始のお墓参りの服装は特に指定はありません。
しかし、防寒対策として毛皮のアウターなど着ていくのは「殺生」を連想させるので控えましょう。
普段からもお墓参りの際は派手すぎない服装を意識しましょう。
お線香の本数
お墓参りの際のお線香には宗派によって本数が異なります。
真言宗は3本、日蓮宗と臨済宗は1本または3本、曹洞宗は1本とされています。
各宗派によって様々決められているので自分の宗派については確認しておくと安心でしょう。
お布施
僧侶に読経をお願いする場合は、お布施を渡すのがマナーです。
特に、年末年始の忙しい時期にお願いする場合は少し多めにお渡しする場合もあります。
年末年始のお墓参りの持ち物

年末年始のお墓参りは、普段のお墓参りとは違う特有の持ち物があります。
持ち物を事前に整えておけば、当日に慌てることなくスムーズに参拝できます。
お供えの花
1.菊やユリ
清楚で格式が高く、お墓参りの定番とされる花です。
年末年始にもふさわしいとされています。
2.冬に咲く花(シクラメンやスイセンなど)
季節を意識した冬の花は、年末年始の特別感を演出します。
ただし、香りが強すぎる花は避けるようにしましょう。
色合いの工夫
白を基調とした花に、紅や黄色などの暖色を加えると、新年を迎える明るい雰囲気を演出できます。
お墓参りにお供えするお花について詳しく解説しています!
お供え物
1.お餅
鏡餅は控えつつ、シンプルなお餅や切り餅を供えると季節感を出すことができ、故人にも喜ばれるでしょう。
2.みかんや柿
年末年始は柑橘類や冬に旬を迎える果物が好まれます。
鮮度の良いものを選びましょう。
3.和菓子や干菓子
形が美しく保存が利く干菓子は、お供え物として適しています。
シンプルな包装のものを選びましょう。
避けるべきお供え物
アルコール:一部の宗教や地域では、アルコールを供えることをタブーとする場合があります。
香りが強すぎる花:強い匂いの花(例:ユリの一部やバラ)は、他の参拝者やお墓の環境に影響を与える可能性があるため避けましょう。
加工食品やジャンクフード:手軽に持ち運べるため選ばれることもありますが、控える方が無難です。
掃除道具
年末年始は、1年の汚れを落とし、新しい年を迎える準備をする節目のタイミングです。
きれいなお墓で祈りを捧げることで、自身の気持ちも整い、清々しい気分で年を越すことができます。
バケツ、水、使い捨てスポンジ、タオル、軍手などを用意します。
掃除用具は持ち帰るようにし、現場にゴミを残さないように注意しましょう。
防寒具
年末年始は冷え込みが厳しいので防寒対策もしっかりしましょう。
特に高齢の方やお子様と行くとなると体調を崩しやすいので気を付けましょう。
1.防寒グッズ
暖かいコートや手袋、マフラー、帽子などを準備します。
靴も防水や保温性のあるものが望ましいです。
3.携帯用カイロ
カイロは手やポケットに忍ばせておくと冷えを和らげてくれます。
使い捨てタイプが便利です。
3.温かい飲み物
サーモスなどに入れた温かいお茶やコーヒーがあれば、身体を内側から温められます。
特にお墓が遠方の場合、移動中にも役立ちます。
喪中の場合はどうする?

喪中の場合は、年賀状やお正月飾り、初詣など慎む習慣があります。
しかし、仏教では、お墓参りはご先祖様への供養として考えられているので、喪中だとしてもお墓参りをして問題はありません。
最終的には家族や親族、地域などの慣習によって異なりますので事前に話し合いをしておきましょう。
神道においては、死は「穢れ」と考えられているので仏教より慎む傾向があります。
ですが、こちらも家族や親族など相談して決めるのが良いでしょう。
よくある質問
1月1日にお墓参りに行っても大丈夫ですか?
結論は、問題ありません。
お墓参りに行ってはいけない日はありません。
お墓参りでタブーとされている花は?
バラなどトゲのある花は、ケガをする可能性があるためお墓参りには不向きです。
トゲが「先祖への配慮に欠ける」と考えられることもあります。
また、スズランやヒガンバナなどの毒性を持つ花は、縁起が悪いとされる場合があります。
特にヒガンバナは「死」を連想させるため、お墓参りには適しません。
年末の墓掃除はいつまでに済ませればいいですか?
12月30日までに済ませると良いでしょう。
大晦日はお寺や霊園なども新年の準備で忙しいので避けてあげるのが一般的なマナーになります。
どうしても大晦日しか行けない場合は、行ってはいけない訳ではないので問題ありません。
まとめ
今回は、年末年始のお墓参りについて解説しました。
基本的にお墓参りは「行ってはいけない日」はありません。
最終的には家族や親族、地域などの慣習によって異なりますので相談して決めましょう。
この記事を読んで年末年始のお墓参りに役立てていただければ幸いです。