浄土真宗は正月にお墓参りしていいの?作法や準備、初詣とのタイミングも解説!

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墓参り

この記事はこんな人におすすめ

  • 浄土真宗の正月墓参りについて知りたい

  • 初詣のお布施や墓参りの準備をしたい

  • 浄土真宗特有の作法を知りたい

「正月にお墓参りをしてもいいの?」
「浄土真宗では初詣とお墓参りはどう進めるべき?」と悩んだことはありませんか?
浄土真宗では、正月の行事や墓参りは阿弥陀如来への感謝と信仰を新たにする大切な時間です。とはいっても、具体的な方法やマナーについて迷う方も多いでしょう。

この記事では

・浄土真宗のお墓参り事情
・浄土真宗の正月の墓参りや初詣の方法
・服装や持ち物の準備

について詳しく解説します。

この記事を読むことで、浄土真宗の教えを守りながら、心穏やかに新年を迎える準備が整います。
まずは基本から知りたい方は、年末年始のお墓参りからお読みください。

【編集者】
計400社以上の墓石、葬儀会社と繋がりを持ち、お墓ディレクター2級を有している「竹田 勇飛(たけだ ゆうひ)」が解説します!

浄土真宗は正月にお墓参りしてもよい?

本堂

浄土真宗では、正月のお墓参りを避けるべきという決まりはありません。

むしろ、家族でお墓を訪れ、先祖への感謝を示すことは推奨される行為と考えられています。

ただ、正月特有の注意点や浄土真宗の教えを踏まえた行動が求められます。

浄土真宗の墓参りの意味

浄土真宗では、故人は亡くなるとすぐに成仏し、極楽浄土へ往生すると教えられています。
なので、お墓は故人の霊が宿る場所ではなく、家族が故人を偲び、感謝を示すための場所とされています。

正月のお墓参りには、次のような意味があります。

感謝の気持ちを新たにする

新しい年を迎えるにあたり、先祖への感謝を改めて表す良い機会となります。
浄土真宗の教えでは、先祖への感謝を通じて阿弥陀如来への信仰を深めることが大切とされています。

家族で信仰を共有する

正月のお墓参りを通じて、家族で浄土真宗の教えを共有し、新年の誓いを立てることができます。そうすることで信仰や絆がより深まるでしょう。

初詣とお墓参りは同じ日でよい?

初詣

結論、初詣とお墓参りを同じ日に行うことは問題ありません。

ただし、順番やマナーを意識することで、よりスムーズに進められます。浄土真宗では、次のようなポイントを押さえておくと良いでしょう。

順番は初詣が先

初詣では、まずお寺を訪れて阿弥陀如来に新年の感謝と祈りを捧げます。
その後にお墓を訪れて、先祖に感謝を伝えるのが一般的な順番です。

これは、信仰を中心に据えた行動としておすすめです。

お墓参りと初詣の注意点

・初詣で訪れる寺院が浄土真宗である場合、手を合わせる際には「南無阿弥陀仏」とお念仏を唱えます。

・お墓参りの際には、感謝の気持ちを込めて静かにお参りをすることが重要です。過度な派手さや慌ただしい行動は避けましょう。

・何か別の用のついでにお参りする「ついで参り」を嫌う考えもあるので、初詣とお墓参りを同じ日にする際は、家族で相談すると良いです。

浄土真宗の正月墓参りの服装

少女とお墓

正月における浄土真宗の墓参りでは、特別に定められた服装はありません。
ただ、先祖や仏様への敬意を示すために適切な服装を選ぶことが重要です。

特に正月という特別な時期には、季節感やマナーを意識した服装を心がけましょう。

シンプルで色味は控えめに

浄土真宗では、派手すぎる服装は避け、落ち着いた雰囲気でお墓詣りに行きましょう。

控えめな色を選ぶ
黒や紺、グレーといった落ち着いた色合いが基本です。
ですが、正月というめでたい時期には、白やベージュなど柔らかい色合いも問題ありません。

シンプルなデザイン
装飾が多い服や派手な柄物は避け、清潔感のあるシンプルなデザインの服装にしましょう。

季節感を取り入れる

正月は冬の寒い時期にあたるため、寒さ対策をしながらも礼節を守る服装が求められます。

防寒対策をしっかりと
コートやマフラーを活用し、温かく過ごせる服装を準備します。
ただし、目立ちすぎる鮮やかな色の防寒具は避けましょう。

足元の注意
正月の墓地では足元が滑りやすい場合があるため、ヒールの高い靴は控え、滑りにくい歩きやすい靴を選びましょう。

家族で統一感を持つ

家族で墓参りをする場合、全員の服装に統一感を持たせると、より丁寧な印象になります。
派手になりすぎない範囲で明るい色味を取り入れ、正月らしい華やかさを添えるのも良いでしょう。

浄土真宗の正月墓参りの持ち物

数珠

浄土真宗の正月墓参りでは、故人や先祖に敬意を払い、感謝の気持ちを伝えるための持ち物を準備することが大切です。

墓参りをスムーズに行うために必要なものと、正月ならではの工夫を取り入れた準備を解説します。

基本的な持ち物

・お供え花
菊やカーネーションなど、落ち着いた色の花を選びます。
正月には季節感を意識し、スイセンや南天などもおすすめです。
花は仏教の教えに基づき、トゲや毒性のある植物は避けます。

・線香
浄土真宗では香炉に合わせて線香を折り、2~3本を横に寝かせておくのが作法です。
燃えやすいものや、無香料のものを選ぶと後片付けが楽になります。

・掃除道具
墓石や周辺をきれいにするため、ほうきや雑巾、スポンジなどを用意します。冬場は水が冷たいので、ゴム手袋を持参すると便利です。

・ろうそくとマッチまたはライター
風が強い時に備えて、風防付きのろうそくを用意するのがおすすめです。

・ゴミ袋
お供え物の残りや、掃除後のゴミを持ち帰るために必要です。

・念珠(数珠)
念珠は阿弥陀如来への祈りを捧げる際に欠かせません。
正月の参拝では、家族全員分を準備しておくと安心です。

正月ならではの持ち物

正月の墓参りでは、以下のような工夫を取り入れると、正月にふさわしいお参りができます。

・正月らしいお供え物
お餅やみかんなど、正月を感じられる食べ物をお供えします。
ただし、動物が荒らさないよう、お参り後に持ち帰ることを忘れないようにしましょう。

・防寒対策グッズ
正月の寒さに備え、ホッカイロや防寒具を持参しましょう。
風の強い墓地では、しっかりとしたコートや手袋が役立ちます。

・水代わりのペットボトル
冬場は凍結で水道が使えない場合もあるため、花立や墓石を清めるための水を持参すると安心です。

役立つ持ち物

状況に応じて以下のアイテムを持って行くと、より快適なお墓参りができます。

・折りたたみ椅子
長時間お参りする場合や、高齢者が同行する際に便利です。

・除雪道具
雪が積もっている地域では、スコップや雪かき道具を持参しましょう。

・タオルやウェットティッシュ
手を拭いたり、墓石を軽く拭くために役立ちます。

初詣をする場合の持ち物

・お布施
初詣の際にはお布施を用意しましょう。
浄土真宗では額に厳密な規定はありませんが、気持ちを込めて準備します。
白い封筒に「御布施」と書いてお渡しするのが一般的です。

浄土真宗の初詣・墓参りの方法

銅像

浄土真宗における正月の初詣と墓参りは、阿弥陀如来への感謝と信仰を新たにし、先祖を偲ぶ大切な行事です。
初詣や墓参りを丁寧に行うことで、新年の誓いを立て、家族の絆を深める良い機会となります。

以下に、初詣と墓参りの方法をまとめました。

初詣の方法

①参拝先の選択
浄土真宗では、神社ではなく、お手次のお寺(菩提寺)や各地の別院、本山のご本尊にお参りすることが推奨されています。

➁参拝の作法
本堂に入り、阿弥陀如来の前で合掌し、「南無阿弥陀仏」とお念仏を唱えます。この際、念珠を持つことが望ましいとされています。

③お札やお守りは不要
浄土真宗では、特定のご利益を求めるお札やお守りの信仰は行いません。

初詣を通じて、阿弥陀如来への感謝と新年の誓いを新たにし、信仰を深めることができます。

墓参りの手順

①本堂への参拝
お寺の境内にお墓がある場合、まず本堂に参拝し、本尊である阿弥陀如来に合掌礼拝します。

➁お墓の掃除
墓石や周辺の清掃を行います。

③お供え
花や線香をお供えします。浄土真宗では卒塔婆を使用しないため、卒塔婆供養は行いません。

④合掌と念仏
念珠を持ち、「南無阿弥陀仏」と唱えながら合掌します。
この際、焼香の回数は宗派によって異なります。本願寺派では1回、大谷派では2回行います。

よくある質問

浄土真宗の初詣のお布施は誰にいくら渡せばよいですか?

お布施は寺院に渡しますが、額に明確な決まりはありません。

一般的には、家族の気持ちに応じた金額で問題ありません。
たとえば、個人参拝の場合は1,000円から5,000円程度家族で参拝する場合は5,000円から1万円が目安です
ただし、特に多くのお世話になっているお寺や本山の場合は、それ以上の額を包むこともあります。

浄土真宗の初詣と墓参りはいつまで行けますか?

浄土真宗では、墓参りと初詣に「いつまで」といった厳密な期限はありません。

ただし、以下を参考にするとよいでしょう。

墓参り
正月三が日や松の内(一般的に1月7日頃まで)に行う人が多いです。
ただし、忙しい場合や天候の関係で時期をずらしても問題ありません。
1月中に行けば「新年のご挨拶」という意味合いを持たせられるでしょう。

初詣
1月中に行うのが一般的です。
浄土真宗では、特定のご利益を求める行為ではなく、阿弥陀如来への感謝を示す行事です。
そのため、年が明けてから都合の良い時期にお参りをすれば良いとされています。

まとめ

今回の記事では

・浄土真宗のお墓参り事情
・浄土真宗の正月の墓参りや初詣の方法
・服装や持ち物の準備

などを詳しく解説してきました。

浄土真宗の正月の初詣や墓参りは、阿弥陀如来への感謝を表し、新しい年を迎えるにあたって信仰を新たにする大切な機会です。

この記事を参考にして、年の初めにふさわしい穏やかな気持ちで、正月行事を迎えてください。
そして、ご自身や家族にとって意義ある一年のスタートとなりますように。

高橋亮

この記事の著者・監修者

株式会社ディライト 代表取締役

高橋亮

葬儀の人材派遣と集客支援の最大手、株式会社ディライトの代表取締役。20歳で葬儀の人材派遣スタッフとして働き始め、独立。以降約20年間、葬儀、お墓業界の「人の困った」と「集客の困った」を解消し続けている。

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株式会社ディライト

この記事の著者・監修者

株式会社ディライト

株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。

竹田 勇飛

この記事の編集者

お墓の口コミ編集部

竹田 勇飛

東京都出身。計400社以上の墓石、葬儀会社と繋がりを持ち、お墓ディレクター2級を有している。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。

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