お墓参りは一人で行ってはいけない?
結論、お墓参りは一人で行ってはいけないという決まりはありません。
では、なぜ「お墓参りは一人で行ってはいけない」という噂を耳にするのでしょうか。
その理由を解説していきます。
お墓参りは一人で行ってはいけない理由
お墓参りに一人で行ってはいけないと言われる理由を4つ紹介します。
霊がついてくる
昔は、お墓には霊がたくさんいて、「一人で行くと憑りつかれてしまう」と考えられていました。
ですが、本来お墓は、ご先祖様に感謝を伝える場所です。そのような場所でご先祖様の霊が悪いことをするとは考えられません。
スピリチュアル的な考え方になるので、信じるか信じないかは個人の判断になるでしょう。
どうしても気になる人は誰かと一緒に行くことをおすすめします。
人目につきにくい
お墓は、大勢の人が居る場所ではありません。
そのため、一人でお墓参りしている際に、万が一何かがあっても気づいてもらいづらいので危険だと考えられていました。
最近では、都心部の屋内納骨堂など人目に触れやすい場所にもお墓がありますが、まだ山奥などのお墓の方も多いのではないでしょうか。
一人でお墓参りに行く際は、十分に注意しましょう。
熱中症になりやすい
お墓は日陰が少なく、墓石からの照り返しが強いので熱中症になりやすいです。
一人でお墓参りをしている際に、熱中症になっても人が近くにいない可能性が高いです。
一人でお墓参りに行く際は、暑い日を避けて、水分補給など体調管理を徹底しましょう。
危険な場所にある
昔は、山奥や人目のつかない場所にお墓が多く存在し、物取りや野生動物との遭遇の危険があったため危険とされていました。
特に女性が一人でお墓参りに行くことが危険視されていて、この慣習が現代にも残っているのでしょう。
現代では、物取りや野生動物との遭遇の危険は高くは無いですが、早朝や夜間の時間帯にお墓参りに行くのはなるべく避けましょう。
お墓参りでしてはいけないこと
お墓参りでやってはいけないことはどんなことがあるのか紹介していきます。
ろうそくの火を口で吹き消す
仏教では、人の口は穢れたものと考えられています。
そのため、息を吹きかけて火を消すのではなく、振って消すか、手で扇いで消しましょう。
お供え物を放置する
お供え物を放置して帰ってしまうと、動物に荒らされたり、腐って墓石が劣化する原因になります。
お供えした食べ物は必ず持ち帰りましょう。
墓石にお酒やジュースをかける
墓石にお酒やジュースをかけてしまうと、墓石が変色したり劣化する原因になります。
故人が好きだった飲み物をあげたい気持ちは分かりますが、墓石にかけるのは水だけにしましょう。
毒やトゲのある花をお供えする
バラや彼岸花のようなトゲや毒を持つ花は「死や怪我」を想起させるので、お供えする花としては不向きとされています。
トゲのある花をどうしてもお供えしたい場合は、トゲを処理してからお供えしましょう。
お供えする花の詳しい注意点やおすすめの花について知りたい方はこちらの記事も参考にしてください⇩
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「ついで参り」をする
ご先祖様への挨拶は最も優先される事と考えられているので、何かの用事のついでにお参りは良くないとされています。
そのため、午前中にお墓参りをするのがいいとされています。
お墓参りの作法とマナー
お墓参りにはさまざまな作法とマナーがあります。
一つずつ紹介していきますので参考にしてみてください。
服装
お墓参りの服装に明確な決まりはありません。
しかし、なんでもいいわけではなく、節度を持った服装を心がけましょう。
以下の服装は避けた方がいいでしょう。
・派手な色や柄の服装
・革製品や毛皮
・露出が多すぎる服装
持ち物
お墓参りに必要な持ち物は以下になります。
【供養に必要な物】
・線香
・花
・ろうそく
・水
・食べ物
・数珠
・マッチやライター
・半紙やおぼん
お墓参りの持ち物について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください⇩
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時間
お墓参りの時間に明確な決まりはありません。
ですが、「ご先祖様への挨拶は最優先」と考えられているので、午前中に行けるのであれば、なるべく午前中に行きましょう。
タイミング
お墓参りに行くタイミングに明確な決まりはありません。
一般的には以下のタイミングで行く人が多いです。
・祥月命日(故人が亡くなった月日)
・月命日(故人が亡くなった日)
・お彼岸
・お盆
・年末年始
注意点として、「29日」は「にじゅうく」と考えられ、お墓参りには適していないと言われています。
また、「大晦日」は、お寺や霊園が新年の準備で忙しくしているので避けれるなら避けた方がいいでしょう。
お墓参りの手順
お墓参りの手順は以下の通りに進めて行きましょう。
➀寺院墓地の場合、ご本尊に一礼
②手桶に水を汲んでお墓に向かう
③お墓の前で合掌する
④お墓を掃除する
⑤お供え花を生ける
⑥水鉢に水を入れる
⑦お供え物を置く
⑧お線香をあげて合掌する
⑨後片付けをする
お墓参りは手を合わせるだけでもいいの?
結論、お墓参りは手を合わせるだけでも問題ありません。
お墓参りには、さまざまな作法やマナーがありますが、必ず「こうしなければいけない」という決まりはありません。
お墓参りで一番大切なことは、故人や先祖を思って手を合わせることです。
もちろん、お供え物をしたり掃除をすることはいいことですが、できなくても気にする必要はありません。
故人や先祖を思って手を合わせること自体が最高の供養になります。
お墓参りに行ってはいけない日はある?
お墓参りに行ってはいけない日は明確にはありません。
ですが、一般的に避けた方がいいと考えられているのが以下の日にちです。
・仏滅
六曜で「何をするにしても凶」とされている為、お墓参りにふさわしい日ではないと考えられています。
・友引
六曜で「家族・親族・友人・知人が故人様に引かれてしまう」とされている為、お墓参りを避ける人もいます。
・29日
29は「二重苦(にじゅうく)」と考えられ、縁起が悪い日と言われています。
しかし、禁止されているわけではないので、自身の都合のいい日にお墓参りに行くのがいいでしょう。
よくある質問
お墓参りは手ぶらで行ってもいいの?
結論、お墓参りは手ぶらで行っても問題ありません。
お墓参りで大切なのは、ご先祖様や故人を偲んで手を合わせることです。
お墓参りのお線香は何本?
宗派によって異なります。
日蓮宗や曹洞宗は1本、浄土宗は2本、天台宗や真言宗は3本です。
宗派や地域、家族の慣習によって異なってきますので、家族や親族に確認しましょう。
お墓には誰までが入れるの?
一般的には「お墓の継承者とその配偶者のみ」と考えられています。
お墓は「家制度」という考え方を原則としているためです。
まとめ
今回の記事では、「お墓参りは一人で行ってはいけないのか」を詳しく解説しました。
お墓参りには、さまざまなマナーや決まりがあると耳にすることが多いと思います。
ただ、厳密な決まりは無く、地域や家族の慣習の影響が大きいため、事前に家族や親族に確認すると安心でしょう。
1番大事なのは「お墓参りに行く」ことです。マナーなども大事ですが、しっかりご先祖様に感謝を伝えることが重要です。
葬儀の人材派遣と集客支援の最大手、株式会社ディライトの代表取締役。20歳で葬儀の人材派遣スタッフとして働き始め、独立。以降約20年間、葬儀、お墓業界の「人の困った」と「集客の困った」を解消し続けている。
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この記事の著者・監修者
株式会社ディライト株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。
この記事の編集者
お墓の口コミ編集部
竹田 勇飛
東京都出身。計400社以上の墓石、葬儀会社と繋がりを持ち、お墓ディレクター2級を有している。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。