納骨堂の種類とメリットデメリット
納骨堂とは寺などの屋外にあるお墓とは異なり、室内に遺骨を納められる建物で、一般墓と比べて管理が不要です。
それらの種類、メリットデメリットをご紹介します。
納骨堂の種類
納骨堂には、「ロッカー型」「仏檀型」「自動搬送型」「位牌型」の4つがあります。それぞれの特徴を簡単にご紹介します。
ロッカー型
・個別にロッカーで遺骨を管理
・遺骨以外に想い出の品を入れられる場合もある
・スペースは数人分の骨壺が入る大きさ
・コインロッカーを想起させ抵抗がある方も
仏檀型
・1人用・2人用・家族用がある
・個別の納骨と礼拝が可能
・上段が仏檀スペース、下段が納骨スペースの場合が多い
・仏檀とお墓、両方の役割が可能
自動搬送型
・個別の納骨が可能
・コンピューターで管理
・数が限られているため、お盆やお彼岸などは混雑する可能性がある
・「ビル型納骨堂」や「マンション型納骨堂」とも呼ばれる
位牌型
・雛段に位牌を並べるため個別の占有スペースが小さい
・比較的費用が安い
・遺骨は別で管理する場合も
納骨堂を選ぶメリット
納骨堂のメリットは以下のとおりです。
・室内にあるため掃除や除草に手がかからない
・供養と管理をお任せできる
・アクセスが良い場所にあることが多い
・お墓を立てるより費用が安く済む
屋外のお墓に比べ納骨堂の場合、室内に納骨できるため、掃除や除草に手間がかかりません。
屋外のお墓は、敷地内や墓石の定期的な掃除が必要です。手入れを怠ると、お墓にカビや苔が生えてしまうでしょう。
納骨堂の場合、手入れが簡単なため「高齢になってお墓に通いづらくなった」「遠方のため、お墓の手入れにいけない」などの心配がないため、選ぶ方が増えています。またお寺などが運営している納骨堂も多く、管理だけでなく供養もお任せできるので、安心です。
納骨堂を選ぶデメリット
一方、納骨堂のデメリットは以下のとおりです。
・納骨できる数に限りがある
・最終的には合祀となりお墓を残せない
納骨堂はスペースが限られているため、一定期間を過ぎると合祀になることが多いです。合祀になると、個人の遺骨を残せないことに抵抗がある方もいるでしょう。
ただし最終的に合祀を行うかは、施設の考えによって異なり、最近では個別安置期間(契約期間)が決められていない納骨堂もあります。
個別安置期間が決められていない納骨堂の場合、維持管理費を納め続ければ、半永久的に個別供養が可能です。
⇩個別供養が可能な納骨堂
吾妻橋 天空陵苑向島 たから陵苑
永代供養の重要性
ここでは永代供養の重要性について以下の内容でご紹介します。
・永代供養とは何か?
・永代供養の流れと必要な手続き
・後継ぎがいない場合の永代供養
永代供養とは?
永代供養とは、遺族に代わって寺院や霊園が遺骨を管理し供養することです。
遠方で故郷に帰れない方、身寄りのない方などは永代供養を利用する方が多く、永代供養の場合、墓守や墓じまいの必要もありません。納骨堂で永代供養を行うとき、最初から遺骨を合祀するか、一定期間個別で供養してから合祀するか選べます。
永代供養の流れと必要な手続き
永代供養は、既にお墓がある場合と、これから新しくお墓をつくる場合で手続きが異なります。申請から契約まで以下の手順をご参考ください。
既にお墓がある場合
既にお墓があって、納骨堂などの永代供養に変更する場合、今のお墓を墓じまいしなければいけません。
1.必要な書類を用意する
・改葬許可申請書:自治体で書類を受け取り、今あるお墓の管理先で捺印してもらう
・使用許可証:永代供養先で受け取る
・改葬許可証:改葬許可申請書と使用許可書を役所に提出し、改葬許可証を受けとる
2.閉眼供養を行い遺骨を取り出す
3.墓石を撤去する
4.永代供養先に改葬許可証と遺骨を持参し、納骨
閉眼供養とは魂抜きともいい、お墓から遺骨を取り出すときに行われます。閉眼供養後、お墓が解体され、今まで利用していた区間を管理者に変換します。
これから新しくお墓をつくる場合
新しくお墓をつくる場合、改葬や墓じまいなどの手続きがなく、永代供養先に使用許可証を用意するだけです。
1.必要な書類を用意する
・使用許可書:永代供養先で受け取る
2.永代供養先に使用許可書を持参し、納骨
永代供養を申し込む寺院や霊園によっては、納骨するとき、開眼供養が行われる場合もあります。
後継ぎがいない場合の永代供養
身寄りのない方や、子どもがいない方など、跡継ぎがいない場合、生前のうちから永代供養の申込をしておきましょう。
寺院や霊園では、永代供養を生前予約でき、生前予約を行う場合、先に永代供養を申し込む先へ契約し、支払いを済ませます。契約書の控えや支払い済みの証明証などは、必ず保管しておきましょう。
納骨堂で起こるトラブルとその対策
ここでは納骨堂で起こる可能性のあるトラブルとその対策についてご紹介します。
よくある納骨堂のトラブル事例
①骨壺のまま納骨できるとは限らない
遺骨は納骨堂に骨壺のまま納骨できるとは限りません。
寺院や霊園によっては、骨壺から遺骨を取り出し、粉骨してからの納骨となる場合があります。契約するときは予め、保管方法を聞いておきましょう。
②契約時に管理者の説明が不十分
契約時に管理者の説明が不十分で、個別安置期間に関してトラブルになる場合が多々あります。
納骨堂を利用するとき、3年や13年など個別安置期間が設けられており、個別安置期間が終了すると遺骨は合祀され、後から改葬できません。個別安置期間がいつ終了するのか、予め契約時に管理者と確認しておきましょう。
③予想外の費用を請求
納骨堂を契約するとき、以下のように追加費用を請求される場合があります。契約時には費用の内訳を確認しましょう。
戒名料:仏教の場合に、亡くなった後に付けてもらう名前
法要料:お寺に渡すお布施
仏具代:香炉・お線香・燭台など
カードキー代:可動式の場合に必要になるカードキー
収蔵厨子代:遺骨を収骨するためのスペース
④家族や親族と話し合いが不十分
家族や親族との話し合いが不十分な場合、納骨堂の仕組みを理解して貰えないと、参拝方法や合祀などの理解が得られず、トラブルとなってしまいます。
また生前契約していても、後世に伝えられていないと納骨してもらえないかもしれません。納骨堂を検討している方は、家族や親族に予め相談し、話し合っておきましょう。
トラブルを防ぐためのポイント
前項で納骨堂でのトラブルをご紹介しましたが、これらのトラブルは防げるのでしょうか。
トラブルを防ぐためにも、以下の4つのポイントを抑えておきましょう。
・契約前に家族や親族と話し合う
・契約時に個別安置期間を確認しておく
・費用の内訳をチェックし契約後にかかる費用も確認しておく
・事前に申し込みたい納骨堂の資料を確認しておく
家族や親族から納骨堂の利用方法や合祀に理解を得られない場合、墓型や仏檀型の納骨堂を選べば、一般墓と同じように個別の礼拝が可能です。
合祀に抵抗がある場合、維持費を払えば半永久的に個別供養が可能な納骨堂を選べます。
納骨堂は、トラブルが起きたからと言って簡単に変えることはできません。
遺骨を移動させるときも、改葬同様に自治体へ申請が必要です。後悔しないためにも、契約前にしっかり確認しておきましょう。
納骨堂にかかる費用とお布施の実態
最後に納骨堂にかかる費用とお布施の実態についてご紹介します。
納骨堂の平均的な費用とその内訳
通常、納骨堂はお墓を新たに作るより、費用が抑えられるというメリットがあります。
ただし納骨堂や場所により費用は大きく異なります。以下に納骨堂の種類別の費用をまとめました。
ロッカー型:20万円~80万円
仏檀型:50万円~150万円
自動搬送型:80万円~150万円
位牌型:10万円~20万円
納骨堂を利用するためには、ほかに永代供養費と管理費が必要です。契約する寺院や霊園によって、彫刻費や仏具代などを支払う場合があるので、契約時に確認しましょう。
納骨堂のお布施とは?
お布施とは、僧侶に渡す謝礼金です。一般的には、法事や葬儀などで読経してもらったお礼にお布施を渡します。納骨堂でも、寺院同様に法要をしてもらった際にお布施が必要です。
納骨式:3~5万円
一周忌法要:3~5万円
三回忌法要:1~5万円
七回忌法要:1~5万円
納骨式でのお布施の相場は3〜5万円です。
納骨式で開眼供養を一緒に行う場合、納骨式のお布施から1.5〜2倍の金額を包みます。
コストを抑えるためのアドバイス
納骨堂を選ぶとき、コストを抑えるためには、まずは納骨堂の種類を検討しましょう。
永代供養費や管理費は、どの納骨堂の種類でも、共通してコストがかかります。
コストを抑えたい方には、位牌型やロッカー型の納骨堂がおすすめです。
さらに市町村や県が管理する公営の合祀墓を選ぶと、年間管理費や使用料を含め地域によっては3万円ほどで利用できます。ただし公営の合祀墓は住所や本籍がないと利用できない場合があるため、利用を検討されている方は市町村へご相談ください。
まとめ
この記事では、納骨堂を利用するときに知っておきたい納骨堂の種類や手続き、よくあるトラブルなどについてご紹介しました。
近年、新たにお墓を購入する際、一般墓より跡継ぎがいらない納骨堂を選ぶ方が増加傾向です。
ほかにも管理のしやすさ、一般墓より費用を抑えられるメリットがあります。
墓守に悩まれている方はぜひ納骨堂をご検討ください。
以上、納骨堂の永代供養についてご紹介しました。
この記事の著者・監修者
株式会社ディライト株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。
この記事の編集者
お墓の口コミ編集部
竹田 勇仁
東京都出身。大学を卒業後葬儀社で勤務。
現場経験を経て、消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。