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宝篋印塔とは?|建てる意義・起源・構造・五輪塔との違いを解説

最新編集日:2025年10年29日

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お墓参りなどで「宝篋印塔(ほうきょういんとう)」という石塔を見かけたことはありませんか? 特徴的な形をしていますが、「五輪塔(ごりんとう)と何が違うの?か、どんな意味があるのか?」と疑問に思うかもしれません。 この記事では、宝篋印塔について知りたい方向けに、以下の内容をわかりやすく解説します。 〈記事を読んでわかること〉 ● 宝篋印塔の概要、起源 ● 宝篋印塔の構造、費用 ● 宝篋印塔と五輪塔の違い この記事が、ご先祖様を敬うお墓選びのお役に立てれば幸いです。
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【目次】

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宝篋印塔の概要・建てる意義

宝篋印塔の起源・日本への伝来

日本の宝篋印塔は「遠い先祖を供養するお墓」

宝篋印塔の構造

宝篋印塔の費用・石材店の選び方

宝篋印塔と五輪塔の違い

まとめ

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宝篋印塔の概要・建てる意義

宝篋印塔の概要 宝篋印塔(ほうきょういんとう)は、縦長で角張った石の塔です。四角い塔身の上に階段状の笠が載り、笠の四隅には「隅飾(すみかざり)」と呼ばれる突起があります。インドで生まれ、中国を経て日本に伝来した宝篋印塔は、平安時代後期から鎌倉時代にかけて、密教(真言宗・天台宗)の寺院で建立が始まり、その後、宗派を超えて受け入れられるようになりました。 ■ 宝篋印塔を建てる意義 現代において宝篋印塔を建立する意義は二つあります。一つは、100年以上前の遠いご先祖様までを含む「先祖供養の役割」、もう一つは、先祖供養によってもたらされる「子孫へのご利益(現世利益)」です。宝篋印塔には多数の如来が集うと考えられており、そのご利益は、ご先祖様だけでなく、今を生きる子孫にも及ぶとされています。

宝篋印塔の起源・日本への伝来

ここでは、宝篋印塔の起源から日本への伝来について、「舎利塔(しゃりとう)」「金塗塔(きんととう)」「籾塔(もみとう)」と、時代を追って解説します。 ■ 舎利塔(インド) 紀元前3世紀ごろ、インドのアショーカ王(阿育王)が釈迦の遺骨(仏舎利)を8万4千の小さな塔に分けて納めたという故事があります。この舎利塔(しゃりとう)と呼ばれる塔が、宝篋印塔の起源の一つとされています。 ■ 金塗塔(中国) その後、中国(10世紀)の呉越王・銭弘俶(せんこうしゅく)がアショーカ王の故事に基づき、「宝篋印陀羅尼(ほうきょういんだらに)」という短いお経を納めた8万4千の「金塗塔(きんととう)」を諸国に祀りました。
呉越王・銭弘俶の肖像画
呉越王・銭弘俶 出典:Wikipedia籾塔(日本) 平安時代に、この金塗塔が日本に伝来し、金塗塔に倣って「籾塔(もみとう)」という高さ数cmの小塔が作られるようになりました。
籾塔
籾塔には「宝篋印陀羅尼を墨書した紙で包んだ籾一粒」を納めます。籾は仏舎利(釈迦の遺骨)に見立てたものです。日本における、宝篋印塔という塔の名前は、宝篋印陀羅尼というお経の名前に由来するとされています。

日本の宝篋印塔は「遠い先祖を供養するお墓」

ここでは、宝篋印塔の日本での普及と、現代での役割について解説します。

密教の寺院で始まり他宗派にも広まった

平安時代後期には、密教(真言宗・天台宗)の寺院を中心に宝篋印塔の建立が始まり、その後、他宗派にも広まったようです。鎌倉時代に入ると、武士や貴族がお墓として建立するようになり、大きな石造りの宝篋印塔が各地で見られるようになりました。

遠忌の節目に建てられる

現代では、宝篋印塔は100年以上前の遠い先祖を崇める「家系の象徴としてのお墓」として建てられています。具体的には、33回忌・50回忌・100回忌といった遠忌(おんき)の節目に建立されることが多く、主に個人が亡くなった時に建てる五輪塔とは、この点が異なります。 関連記事:五輪塔は身分の高い人専用のお墓?⇒ 現代では誰でも建てられます

宝篋印塔の構造

宝篋印塔の5つの部位の構造図
宝篋印塔は、上から順に、相輪(そうりん)、(かさ)、塔身(とうしん)、基礎基壇の5つの部位で構成されています。四角い塔身の上に階段状の笠が載り、笠の四隅に隅飾(すみかざり)と呼ばれる突起があるのが特徴です。

相輪

宝篋印塔の相輪の部位の図解
相輪は、塔の頂上にある棒状の部分です。お釈迦様の遺骨を納める仏塔(ストゥーパ)に起源を持ち、宝篋印塔以外にも多宝塔や層塔などに見られます。石造の場合、上から宝珠(ほうじゅ)、請花(うけばな)、九輪(くりん)、伏鉢(ふくばち)、露盤(ろばん)という部分で構成されます。宝珠は時代が下るにつれて丸みが失われ、室町・江戸時代には先端が尖っていきました。

笠と隅飾

宝篋印塔の隅飾を示す図解
相輪の下には、上下に階段状になった「」があります。この笠の四隅に「隅飾(すみかざり)」または「」と呼ばれる突起が付いているのが、宝篋印塔の特徴です。隅飾は内側の曲線が二重または三重になっているものがあり、側面に梵字(ぼんじ=仏を象徴する文字)を刻むものもあります。隅飾は時代が進むにつれて外へ張り出す傾向があり、江戸時代には極端に反り返るように造られるようになりました。

塔身

笠の下の四角柱の部分が塔身です。宝篋印塔の本体にあたり、側面には仏像や梵字、それを受ける蓮華座(れんげざ)などが刻まれることがあります。

基礎

塔身の下の部分を「基礎」といいます。上端が階段状になっており、塔身を支える役割を持ちます。基礎の側面には四角い輪郭や蓮の花びらをかたどった格狭間(こうざま)を刻むものもあります。また、基礎石の下に反花座(かえりばなざ=満開の蓮の花の先端が下向きに反り返った様子が彫られた台座)が置かれる場合もあります。

基壇

宝篋印塔の最下部で基礎を支える部分が「基壇」になります。

関東形式と関西形式

宝篋印塔の外観・構造には「関東形式」と「関西形式」があります。関東形式は、塔身に輪郭があり、基礎の側面が輪郭で二つに区切られ、基礎の下に反花座を置く装飾的な形です。関西形式は、塔身や基礎に輪郭(枠線)がないシンプルな形で、日本に広く分布する基本の形とされています。

宝篋印塔の費用・石材店の選び方

宝篋印塔を建てる費用は、和型墓石や五輪塔よりもやや高くなる傾向があります。これは石材の使用量や加工の手間がかかるためです。具体的な金額は石材の種類や大きさによって大きく変わるため、石材店に見積もりを依頼する必要があります。 お墓の費用についてくわしく知りたい方は以下の記事をご覧ください。 関連記事お墓の費用相場は150万円~350万円|安く抑える方法も解説します 石材店の選び方も重要です。宝篋印塔の新設は墓石墓全体の数%しかないため、実際に建てた経験がある石材店は全体の1〜2割程度と思われます。建立を検討する場合は、石材店に宝篋印塔を建てた実績を確認することをおすすめします。経験がなくても建てることはできるはずですが、出来栄えが変わってきます。

宝篋印塔と五輪塔の違い

宝篋印塔と五輪塔
宝篋印塔と並んで古くから親しまれてきた石塔に「五輪塔(ごりんとう)」があります。どちらも遠い先祖を敬う塔として建てられますが、起源や形、用途が異なります。 以下に宝篋印塔と五輪塔の違いをまとめましたので、比べてみてください。
項目 宝篋印塔 五輪塔
外観棒状の柱のような相輪(そうりん)、笠(かさ)の四隅の隅飾(すみかざり)と呼ばれる突起が特徴宝珠形、半月形、三角形、円形、方形(四角形)の5つの石材で構成される
発祥・普及インド・中国が発祥。仏舎利塔(釈迦の遺骨を納めた塔)、金塗塔(宝篋印陀羅尼というお経を納めた塔)に由来する。日本では籾塔から発展した。日本発祥。真言宗の高野聖が広めた。
真言宗との繋がり現在はそれほど強くない現在でも強い(教義と直結しており、総本山にも五輪塔が多い)
建立費用和型墓石、五輪塔よりやや高い和型墓石と同程度
建立タイミング遠忌(33回忌・50回忌・100回忌など)の節目時期は問わない(生前・亡くなった時・改葬時・法要時など)
五輪塔は、平安時代に貴族のお墓として生まれ、その後、武士や庶民にも広まりました。一方で、宝篋印塔は、古代インドの王が釈迦の遺骨を分けて納めた塔や、お経を納めて祈る塔が起源とされます。 また、五輪塔は真言宗との繋がりが現在も強く、高野山奥之院では五輪塔が大多数を占めます。宝篋印塔は密教の寺院から始まりましたが、現在では宗派を超えて建てられています。ただし浄土真宗では五輪塔も宝篋印塔も原則として建立しません。

まとめ

この記事では、宝篋印塔の起源、構造について解説してきました。 また、五輪塔との違いや、建立にかかる費用、石材店の選び方もご紹介しました。 以下にポイントをまとめます。 ● 宝篋印塔は遠いご先祖様をまとめて供養する塔 ● 建立経験のある石材店を選ぶことが重要 ● 宝篋印塔と五輪塔は外観や起源が異なる 宝篋印塔は現代では珍しいお墓ですが、この記事で得られた情報が、お墓選びのお役に立てたなら幸いです。 当サイト「お墓の口コミ」では、「11,947件以上の霊園・墓地の情報」「4,540件以上の口コミ」を掲載しています。ご自身に合ったお墓を探すために、ぜひご活用ください。

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