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五輪塔は身分の高い人専用のお墓?⇒ 現代では誰でも建てられます

最新編集日:2025年10年22日

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五輪塔には「身分の高い人だけが建てるお墓」というイメージをお持ちではないでしょうか。 五輪塔は平安時代は貴族専用でしたが、現代では誰でも建立できるお墓です。 この記事では、五輪塔と身分の関係について知りたい方向けに、五輪塔の歴史や意味、建立方法までわかりやすく解説します。 〈記事を読んでわかること〉 ● 五輪塔は身分の高い人専用か ● 現代では誰でも五輪塔を建てられる ● 五輪塔と宗派の関係 ● 五輪塔を建てる流れ
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【目次】

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五輪塔とは?

五輪塔は身分の高い人専用だったのか?

現代では誰でも五輪塔を建てられる

宗派ごとの五輪塔に刻む文字

五輪塔の費用

五輪塔を建てる流れ

五輪塔に関するよくある質問(FAQ)

まとめ

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五輪塔とは?

五輪塔の構造図
五輪塔とは、5つの石を積み重ねた独特の形をしたお墓です。 上から順に、宝珠形、半月形、三角形、円形、方形(四角形)という5つの形状の石材で構成されています。 5つの石は、古代インドの哲学や仏教思想における「空・風・火・水・地」という宇宙の5大構成要素を表します。つまり、五輪塔そのものが宇宙を象徴しているのです。 五輪塔の起源には、古代インドの五大思想が元になったという説と、日本で独自に考案されたという説があります。どちらが正しいかは明確になっていませんが、平安時代後期に日本で広まったことは確かです。 五輪塔は、お墓または供養塔として用いられ、故人が極楽浄土に往生できるようにという願いが込められています。一般的なお墓(一般墓)とは形が異なりますが、遺骨を納めて供養するという本質的な役割は同じです。 なお、五輪塔の納骨方法は一般墓と異なります。多くの一般墓では、水鉢(みずばち)を外してカロート(納骨スペース)に納骨しますが、五輪塔には水鉢がないため、拝石(はいせき)や納骨蓋(のうこつぶた)を外して納骨します。

五輪塔は身分の高い人専用だったのか?

日本の平安時代の貴族
五輪塔が日本で使われ始めた平安時代後期、当初は貴族など身分の高い人のためのお墓として用いられていました。高貴な方々が極楽往生を願って建立したのが始まりとされています。 鎌倉時代になると、武士階級にも五輪塔が広まります。戦国武将のお墓として五輪塔が建てられることも多くなりました。有名なところでは、豊臣秀吉のお墓も巨大な五輪塔として知られています。 しかし、時代が進むにつれて状況は変わっていきます。室町時代には、庶民も極楽往生を願って五輪塔を建てるようになりました。 鎌倉時代から室町時代にかけては、お墓の8割以上が五輪塔だったという記録もあります。つまり、五輪塔は最初こそ身分の高い人専用でしたが、次第に一般の人々にも広がっていったのです。 ただし、江戸時代中期以降は現在のような和型墓石(縦長の三段墓)が主流になり、現代に至っています。

現代では誰でも五輪塔を建てられる

現代において、五輪塔を建てるのに特別な身分や資格は必要ありません。社会的地位に関係なく、誰でも五輪塔のお墓を建立できます。 「自分のような普通の人間が五輪塔を建ててもよいのだろうか」と不安に思う方もいるかもしれませんが、そんな心配は無用です。五輪塔を建てたいという気持ちがあれば、どなたでも建立できます。 墓地や霊園によっては、お墓の高さやデザインに制限がある場合もありますが、「五輪塔だから受け入れられない」ということは基本的にありません。事前に管理者へ相談すれば、多くの場合は問題なく建立できるでしょう。 近年では、仏教に関心の深い方や、ご先祖様を手厚く供養したいと考える方が五輪塔を選ぶケースが増えています。また、古いご先祖様のお墓をまとめて供養するために、五輪塔を建てる方もいます。

宗派ごとの五輪塔に刻む文字

五輪塔にどのような文字を刻むか、そもそも五輪塔を建ててよいかは、宗派によって異なります。

浄土真宗以外の場合

五輪塔に刻む梵字の図解
真言宗の五輪塔には、五大(空・風・火・水・地)を表す「キャ・カ・ラ・バ・ア」を梵字で刻みます(上から順)。真言宗は五輪塔と最も深い関わりがあり、中興の祖・覚鑁上人(かくばんしょうにん)が木製の五輪塔を全国に広めたといわれています。 真言宗と同じ密教の天台宗でも、上から順に「キャ・カ・ラ・バ・ア」と梵字で刻むのが原則です。 日蓮宗では、上から順に「妙・法・蓮・華・経」と漢字で刻む場合があります。妙法蓮華経は、日蓮宗の根本経典である法華経の題目です。 浄土宗では、上から順に「南・無・阿弥・陀・仏」と漢字で刻むことがあります。南無阿弥陀仏は、阿弥陀仏への信仰を表しています。 禅宗(臨済宗・曹洞宗)でも五輪塔を建てることがあり、「空・風・火・水・地」と上から順に漢字で刻む場合があります。
宗派 刻む文字(上から順)
真言宗「キャ・カ・ラ・バ・ア」(原則、梵字で刻む)
天台宗「キャ・カ・ラ・バ・ア」(原則、梵字で刻む)
漢字で「空・風・火・水・地」と刻む場合もある
日蓮宗「妙・法・蓮・華・経」(漢字で刻む)
浄土宗「南・無・阿弥・陀・仏」(漢字で刻む)
禅宗「空・風・火・水・地」(原則、漢字で刻む)
これらはあくまでも原則で、同じ宗派でも寺院や地域によって異なる場合があります。どのような文字を刻むべきかは、菩提寺に確認が必要です。

五輪塔の費用

五輪塔を建てるには、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。一般墓と比べて高いのか安いのか、気になるところです。

建立費用の相場は数十万円~300万円

五輪塔の建立費用の相場は、数十万円~300万円です。かなり幅が広いため「どうしてこんなに価格が違うの?」と驚かれるかもしれませんね。五輪塔の価格は、主に以下の3つの要素で大きく変わります。
項目 価格が高くなるケース 価格を抑える方法
1. 石材の種類希少な国産石材を選ぶ比較的安価な外国産の石を選ぶ
2. 大きさ大きく立派なサイズにするコンパクトなサイズにする
3. デザイン細かい彫刻などを施す彫刻などを省いたシンプルなデザインにする
この3つの要素以外にも、お墓を建てる場所(都市部か地方か)や、依頼する石材店によっても費用は変わってきます。複数の石材店から見積もりを取って比較検討することをおすすめします。

五輪塔も一般墓も費用は同程度

五輪塔は見た目が特殊なため「高そう」と思われがちですが、石材の使用量や構造は一般墓とそれほど変わりません。そのため、建立費用も一般墓と大差はありません。 一般墓の費用について、もっとくわしく知りたい方は以下の記事をご覧ください。 関連記事:墓石の値段を決める6つの要因とは?石材店の見積書の注意点も解説

年間管理費の相場は数千円~2万円

年間管理費の相場は、自治体が運営する公営霊園なら数千円~1万円程度、民営霊園や寺院墓地では1万円~2万円程度です。

五輪塔を建てる流れ

ここでは、五輪塔を建てるときの手順をご紹介します。

ステップ1|寺院や霊園に事前に相談する

五輪塔を建てる前に、まず墓地の管理者に相談しておきましょう。石材店は墓地の規約やルールを熟知していますが、施主自身も確認しておくと安心です。 ▶ これから新しく墓地を探す場合: 五輪塔の建立が可能かどうかを最初に確かめておきましょう。 ▶ 現在のお墓を五輪塔に建て替える場合: 区画の高さやデザイン制限がないかを確認し、石材店と相談を進めるとスムーズです。 ▶ 寺院墓地の場合: 菩提寺の住職に「五輪塔を建てたい」と伝え、宗派上の制限や刻む文字の可否を確認しましょう。了承を得てから石材店に依頼すると安心です。

ステップ2|石材店を選び相見積もりを取る

寺院や霊園からOKが出たら、次は石材店を選びます。 複数の石材店に相談し、見積もりを取って比較しましょう。費用だけでなく、提案内容やアフターサービスの充実度も確認してください。石材の種類、五輪塔のサイズ、デザイン、刻む文字などを決めていきます。わからないことがあれば、遠慮なく石材店に質問しましょう。

ステップ3|契約して工事を進める

石材店と契約し、手付金を支払うと工事が始まります。完成までには通常2~3ヶ月かかります。

ステップ4|開眼供養を行い納骨する

五輪塔が完成したら、開眼供養(かいげんくよう)という儀式を行います。 開眼供養「魂入れ」とも呼ばれ、お墓に魂を宿らせる大切な儀式です。開眼供養を行わないと、五輪塔はただの石の塔でしかありません。お寺の住職にお願いして、しっかりと拝んでもらいましょう。 開眼供養を終えたら遺骨を納骨します。

五輪塔に関するよくある質問(FAQ)

Q.五輪塔にはどんな文字を刻むのですか?
A.
五輪塔に刻む文字は宗派によって異なります。真言宗では梵字で「キャ・カ・ラ・バ・ア」(サンスクリット語で「空・風・火・水・地」という意味)、日蓮宗なら漢字で「妙・法・蓮・華・経」、浄土宗なら漢字で「南無・阿・弥・陀・仏」と刻みます。どんな文字を刻むかは、必ず菩提寺の住職に確認してください。
Q.五輪塔を建てるのにお寺の許可は必要ですか?
A.
必要です。寺院墓地なら住職に、民営霊園や公営墓地なら管理事務所に事前相談しましょう。墓地によっては高さやサイズなどに制限がある場合もあります。石材店は墓地の規約やルールを熟知していますが、施主自身も確認しておくと安心です。
Q.古い先祖墓を五輪塔にまとめたい場合の手続きは?
A.
複数のお墓を1箇所にまとめる場合、改葬(かいそう)手続きが必要です。自治体の役所で「改葬許可証」を取得し、古いお墓から遺骨を取り出して五輪塔に納めます。行政手続きは複雑ですが、石材店や墓地管理者がサポートしてくれることが多いです。 関連記事:改葬とは?改葬の具体的な流れや費用・トラブル事例を解説!
Q.歴史上の人物の五輪塔はどこで見られますか?
A.
高野山奥の院(和歌山県)に織田信長や豊臣秀吉の五輪塔が建立されています。豊臣秀吉の五輪塔は豊国廟(京都府)にもあります。また、鎌倉市の法華堂跡で源頼朝の五輪塔を見ることができます。
Q.五輪塔と宝篋印塔の違いは何ですか?
A.
五輪塔と宝篋印塔は、どちらも供養塔や墓碑として使われる石塔ですが、形状と込められた意味が異なります。 五輪塔は五層の石(空・風・火・水・地)を積み重ねた装飾性の少ない形で、僧侶から庶民まで幅広く使われてきました。 宝篋印塔は笠の四隅に「隅飾(すみかざり)」という突起があり、相輪・笠・塔身・基礎・基壇の5部材で構成される装飾的な形です。100年以上前の先祖を供養するためのお墓とされ、主に名家や旧家で建てられてきました。また、子孫繁栄の意味も込められています。

まとめ

この記事では、五輪塔は身分の高い人だけのものかという疑問について解説してきました。また、五輪塔の意味や宗派との関係、費用や建立の流れについてもご紹介しました。 以下に重要なポイントをまとめます。 ● 五輪塔は平安時代は貴族専用だったが、現代では誰でも建立できる ● 五輪塔の建立費用は数十万円~300万円で一般墓とほぼ同じ ● 宗派によって五輪塔の扱いや刻む文字は異なる 五輪塔の歴史的な意味や現代での位置づけを理解できたのではないでしょうか。 当サイト「お墓の口コミ」では、全国の霊園情報や実際に利用された方々の口コミを多数掲載しています。五輪塔の建立を検討する第一歩として、まずは当サイトで気になる霊園を探してみてはいかがでしょうか。

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