禅宗と浄土真宗の違いって?関係性はどうなの?共通するポイントはある?

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禅寺

この記事はこんな人におすすめ

  • 禅宗と浄土真宗の違いをスッキリ理解したい!

  • 禅宗のお葬式、ちゃんとできるか少し不安…

  • 浄土真宗のお葬式に安心して参列したい!

「禅宗と浄土真宗の違いがよくわからない…」
「香典袋に“御仏前”と書くけど、曹洞宗と浄土真宗って関係あるの?」

この記事を読めば、これまでのモヤモヤがスッキリ解消!
各宗派のお葬式に参列するときの不安もなくなります。

お墓の口コミ監修者:株式会社ディライト 代表取締役 高橋亮
著者・監修者
株式会社ディライト 代表取締役
高橋 亮

葬儀の人材派遣と集客支援の最大手、株式会社ディライトの代表取締役。20歳で葬儀の人材派遣スタッフとして働き始め、独立。以降約20年間、葬儀、お墓業界の「人の困った」と「集客の困った」を解消し続けている。

「葬儀業界のインフラ企業」を目指して!AI活用で課題を解決するニッチ市場のオンリーワンとは
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お墓の口コミ編集者:お墓ディレクター2級 竹田勇飛
編集者
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竹田 勇飛

東京都出身。計400社以上の墓石、葬儀会社と繋がりを持ち、お墓ディレクター2級を有している。消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。

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一目でわかる!禅宗 vs. 浄土真宗の違いをサクッと解説!

禅宗と浄土真宗には、それぞれ異なる特徴があります。
まず最初に、禅宗と浄土真宗の違いを簡単にご紹介します!

自力で悟るか?他力に委ねるか?

禅宗も浄土真宗も、どちらも仏教の大切な宗派です。
しかし、教えの方向性は正反対であり、努力の仕方もまったく異なります。

禅宗では、坐禅(ざぜん)を組んで自分の内面と向き合い、悟りを目指す修行が重要とされています。

一方、浄土真宗では、「南無阿弥陀仏」と念仏を唱え、阿弥陀仏を信じることで救われると教えています。

どちらも、日本仏教ならではの発展を遂げ、多くの人々に信仰されています。

仏教の起源と主要な宗派をわかりやすく解説!

仏陀

ここでは、仏教がどのように誕生し、日本に広まっていったのかをわかりやすく解説します!

古代インドから日本へ!仏教のルーツをたどる!

仏教は、紀元前6~5世紀ごろに、古代インドのシャカ族の王子「ガウタマ・シッダールタ」によって生まれました。

古代インドには、「ヴァルナ」と呼ばれる身分制度がありました。
これは、現代インドにも残るカースト制度のもととなったものです。

加えて、人の魂は死後に生まれ変わると考えられており、これが「輪廻転生(りんねてんせい)」です。
そして、次にどの身分(ヴァルナ)に生まれるかは、「カルマ(業)」によって決まるとされていました。

良い行いをすれば、来世ではより高い身分に生まれる可能性があり、
逆に悪い行いをすれば、低い身分や動物などに生まれ変わると考えられていたのです。

人々は、「この終わりのない輪廻のループから抜け出す方法はないのか…」と嘆いていました。

輪廻転生から抜け出すことを「解脱(げだつ)」といいます。
解脱するには、悟りを開くことが必要だと考えられていました。

そんな中、「ガウタマ・シッダールタ」は、長い修行と瞑想を続けた末に、ついに悟りを開きました。

こうして、「ブッダ(目覚めた人)」と呼ばれるようになり、仏陀(ぶっだ)の教えが始まったのです!

仏教は、ヴァルナ制度と輪廻転生の関係を否定し、「すべての人は平等であり、修行をすれば誰でも悟りを開き、輪廻から解脱できる」と教えました。

古墳時代、日本に仏教が上陸!

古代インドで生まれ、アジアへ広がった仏教は、6世紀中ごろに朝鮮半島の国「百済(くだら)」を経由して、当時の日本「倭国(わこく)」に伝わりました。

当時の日本では、自然のあらゆるものに神が宿るとする「八百万(やおよろず)の神々」を大切にする神道が広まっていました。そのため、新しく伝わった仏教を受け入れることに抵抗があったのです。

それから数十年後の飛鳥時代、当時の政権を担っていた二大派閥の間で、仏教をめぐる争いが起こりました。
最終的に仏教を受け入れていた派閥が勝利し、仏教は日本の新しい宗教として定着していったのです。

この頃、現在の奈良県にあたる「飛鳥地方」では、「飛鳥寺」などの寺院が次々と建てられるようになりました。

聖徳太子、仏教を日本に広めた立役者!

その後、聖徳太子が仏教の素晴らしさに気づき、政治にも積極的に取り入れるようになりました。
その影響で、仏教は日本全国に広がっていきました。


奈良時代には、仏教文化が発展し、全国各地に多くの寺院が建てられました。

平安時代になると、伝教大師・最澄が比叡山で天台宗を、弘法大師・空海が高野山で真言宗を開き、日本の仏教文化はさらに発展していきました。

鎌倉時代、新しい仏教宗派が次々と誕生!

鎌倉時代になると、政権が貴族から武士へと移り変わり、仏教文化はさらに活発になりました。

この時代に、法然が浄土宗を開き、その弟子である親鸞が浄土真宗を、一遍が時宗を創設しました。これらはまとめて「浄土教」と呼ばれています。

また、中国に留学して仏教を学ぶほど熱心な僧侶もおり、帰国後にそれぞれの宗派を開きました。
栄西は臨済宗を、道元は曹洞宗を開き、これらはまとめて「禅宗」と呼ばれています。

さらに、日蓮が日蓮宗を開くなど、日本独自の仏教宗派が次々と誕生しました。

坐禅って何?禅宗の魅力を解説!

坐禅

坐禅や瞑想という言葉はよく聞くし、最近はマインドフルネスも流行っているけれど、実はよくわからない…。

そんな方のために、わかりやすく解説します!

そもそも禅宗とは?その特徴をわかりやすく解説!

禅宗とは、坐禅を中心とした修行を行う仏教の宗派の総称です。

主に、臨済宗(りんざいしゅう)、曹洞宗(そうとうしゅう)、黄檗宗(おうばくしゅう)の3つの宗派があります。

人は生まれながらにして、「仏性(ぶっしょう)」と呼ばれる仏になる可能性を持っているという考え方があります。
坐禅の修行を通じて、自分の内面と深く向き合い、その仏性を再発見することが目標とされています。

禅宗では、本尊として釈迦如来(しゃかにょらい)を信仰し、「南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)」とお経を唱えます。

禅宗のルーツとは?その始まりを探る!

今から約1600年前、南インドのカンチープラム(香至国)の第三王子であった達磨大師(だるまだいし)が禅宗を開きました。

幼い頃、達磨大師は「菩提多羅(ぼだいたら)」と呼ばれていました。
やがて、お釈迦様(仏陀)から数えて27代目の高僧である般若多羅尊者(はんにゃたらそんじゃ)のもとで出家し、「菩提達磨(ぼだいだるま)」という僧名を授かり、28代目の継承者となりました。

27代目の般若多羅尊者から、「まず67年間インドで布教し、その後は中国へ行きなさい」と告げられた達磨大師は、その教えに従い、中国へ渡りました。

その後、中国でも禅宗が広まり、いくつかの宗派に分かれていきました。

鎌倉時代になると、日本の僧侶も中国へ留学し、禅の教えを学びます。
栄西は中国で臨済宗を学び、日本に伝えました。
また、道元も中国で修行を積み、帰国後に曹洞宗を開きました。

時が流れ、江戸時代になると、中国臨済宗の僧侶・隠元隆琦(いんげんりゅうき)が来日し、日本で黄檗宗を開きました。

禅宗の教えとは?その本質をわかりやすく解説!

禅宗の「禅」は、仏教の修行法の一つで、「禅定」とも呼ばれています。

禅の基本的な考え方は、マイナスの出来事をプラスに変えて捉えることです。
どんな試練も、正面から向き合い乗り越えることで、人として成長できるとされています。


人生は穏やかで平和なままでも良いですが、波が激しく、谷が深いほど、山頂にたどり着いたときの景色は格別なものになるのです。

また、逆境を経験した人ほど謙虚になりやすく、他人の痛みに寄り添えることが多いものです。

もし今、まさに谷底にいると感じたり、逆境に立たされているなら、それを試練と捉え、乗り越えることを諦めないでください。
必ず、その経験があなたにとって大きなプラスになる時がやってきます!

禅宗といえば坐禅!

修学旅行などで坐禅を体験したことがある人も多いのではないでしょうか?
姿勢が崩れたり、つい居眠りをしてしまい、「パチンッ!!」と叩かれた経験があるかもしれませんね。

ここでは、そんな身近な坐禅について、わかりやすく解説します!

今話題のマインドフルネス!そのルーツは禅にあり!

坐禅とは、正しい姿勢で座り、精神を統一する禅宗の基本的な修行です。

坐禅を行うことで、自分を見つめ直し、心と体を安定させる効果があり、心のデトックスにもつながります。

モヤモヤした気持ちや、今の自分に不要なものなど、余計な雑念を手放し、無心の状態で精神を整えることで、内面に意識を向け、心を軽くすることができます。

「今この瞬間、自分がいる場所で、自分にできることを精一杯やる!」

過去を悔やんだり、未来を不安に思うのではなく、「今」を大切に生きることが大事だと教えています。

坐禅の「坐」ってどういう意味?

坐禅の「坐」は、「すわる動作」を意味する漢字です。
一方、私たちが普段使う「座る」という漢字は、「すわる場所」を表しています。

また、「坐」という漢字をよく見ると、土の上に二人の人がいる形をしています。
禅宗では、この二人を「今の自分」と「本来の自分」と解釈します。

坐禅を通じて静かに座り、心を落ち着かせることで、「今の自分」の生き方や考え方が合っているのか、「本来の自分」に問いかけるのです。

正しい姿勢で坐禅をすることで、呼吸が整い、心が落ち着き、スッキリとした気持ちになれるでしょう。

坐禅と瞑想、何が違うの?

坐禅は瞑想とは異なり、心の状態を常に「無」にすることが大切です。
自分という存在を手放し、ただ「体(器)」だけがそこに座っている感覚を持つことが重要とされています。

瞑想には、心身のリラックスや集中力の向上といった目的がありますが、坐禅には特定の目的はありません。
坐禅をすること自体が目的であり、その行為そのものに意味があると考えられています。

禅が生み出す、美の哲学

禅の思想の根本には、「今この瞬間に全力を注ぎ、シンプルに生きる」という考えがあります。
余計なものを手放し、極限までシンプルにすることこそが、美しさとされています。


ここでいう「余計なもの」とは、怒りや不安といった「負の感情」や「執着心」のこと。
これらを手放すことで、心が穏やかになり、精神的にシンプルで落ち着いた、より楽な人生を送ることができます。

大切なのは、自分にとって本当に価値のあるものや、生きる上での軸となる価値観を見つけることです。

スティーブ・ジョブズが愛した、引き算の美学

禅の思想では、余分なものを極限まで削ぎ落とし、最後に本質的な美しさが残ると考えます。

故スティーブ・ジョブズも、この禅の精神に魅了され、アップルの製品づくりに取り入れていました。

アップル社の基本理念は「フォーカス」と「シンプルさ」。

当時のパソコンは、大きな箱のような機械で、とても持ち運べるものではありませんでした。
デザイナーやアーティストも使い始めたものの、そのサイズや使い勝手の悪さに不満を感じていました。

そこで、スティーブ・ジョブズ率いるアップル社は、大きな箱型のパソコンから不要なものを徹底的に削ぎ落とし、シンプルで美しく、機能的なデザインを追求。

持ち運びができる洗練されたフォルムの Mac は、瞬く間に人気を集めました。

ミニマリズムのルーツは禅にある?

最近注目されている「ミニマリズム」。

持ち物を極限まで減らし、私物をたった15個に絞るミニマリストも増えていますよね。

このミニマリズムの考え方は、禅の思想にも通じています。
余分なものをそぎ落とし、シンプルに暮らすことで、心豊かな生活を目指すという考え方です。

「物がたくさんなくても、心が満たされていれば、それで十分。」

引っ越しを機に断捨離をしたり、ミニマリストを目指したりすることもあるでしょう。
しかし、気持ちよくなって捨てすぎた結果、本当に必要なものまで手放してしまうことも…。

大切なのは、「本当に必要かどうか」をしっかり見極めること。
禅の美学を取り入れながら、シンプルで心地よい暮らしをしてみませんか?

禅が育んだ日本文化の魅力

禅宗の一派である臨済宗を通じて、日本にはさまざまな文化がもたらされました。
ここでは、それらをわかりやすくご紹介します。

禅が生み出す奥深い言葉の世界

【幽玄(ゆうげん)】
神秘的で奥深い趣のあること。

【侘び寂び(わびさび)】
質素で静かでありながら、美しさを感じること。

「わびさび」は、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
これらの表現は、修行を重ねて悟りを開くために、理解しておくべき大切な概念です。

禅が息づく日本の文化

【水墨画】
墨と和紙だけで描かれる絵画の技法。
筆の運びや濃淡、ぼかし、にじみ、紙の余白を活かして表現するのが特徴。

【枯山水】
水を使わずに、石・砂・植物・地形などで水の流れを表現した庭園のスタイル。

【茶の湯】
お客様を招き、その場でお茶を点てて振る舞い、一緒に楽しむ儀式。
現在では「茶道」として広く親しまれている。

今ではすっかり日本の伝統文化として定着していますが、実はこれらも禅宗を通じて日本に伝わったものなんです。意外ですよね!

念仏って何?浄土真宗の教えをわかりやすく解説!

極楽浄土

「念仏」や「極楽浄土」と聞いても、仏教についてよくわからないという方も多いのではないでしょうか?

そんな方のために、わかりやすく解説していきます!

そもそも浄土真宗とは?その教えと魅力をわかりやすく解説!

浄土真宗とは、「念仏を唱えるだけで極楽浄土へ往生できる」と考える仏教の宗派です。

本尊として阿弥陀如来(あみだにょらい)を信仰し、「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」と念仏を唱えます。

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浄土真宗のルーツとは?その始まりを探る!

浄土真宗は、今から約800年前に、浄土宗の開祖・法然上人(ほうねんしょうにん)の弟子である親鸞聖人(しんらんしょうにん)によって開かれました。

親鸞聖人は幼いころに両親を亡くし、「死とは何か」という問いに強い関心を抱きました。
9歳で出家し、天台宗の僧侶となります。

その後、天台宗の総本山・比叡山で約20年間厳しい修行を積みましたが、死の問題に対する明確な答えを見つけることはできませんでした。

比叡山を下りた親鸞聖人は、京都中を歩き回る中で、法然上人と出会います。
法然上人から、阿弥陀如来の慈悲や念仏の力について教えを受けたことで、ついに「死とは何か」という問いへの答えを見出しました。

その後、一生をかけて阿弥陀如来の本願力を説き、人々に念仏を広めていきました。

親鸞聖人の没後、浄土真宗はいくつかの派に分かれました。
現在の代表的な派閥は、「浄土真宗本願寺派(西本願寺)」 と 「真宗大谷派(東本願寺)」 で、それぞれ 「お西さん」 「お東さん」 と親しまれています。

浄土真宗の教えとは?その核心に迫る!

浄土真宗では、主に二つの大切な教えを説いています。

【① 他力本願(たりきほんがん)】
「他力本願」という言葉は、よく「他人任せ」や「成り行きに任せること」と誤解されがちですが、実際の意味は異なります。

これは、阿弥陀如来がすべての命を救おうとする大いなる慈悲に身を委ねることを意味します。

つまり、自分の力だけで頑張るのではなく、阿弥陀如来の本願を信じ、その救いを受け入れるという考え方です。

【② 現生正定聚(げんしょうしょうじょうじゅ)】
これは、「阿弥陀如来の救いを信じた瞬間に、極楽浄土に往生することが決まり、成仏への道が確定する」という教えです。

この考え方では、信じる心を得た人は、すでに「未来の仏」として生かされているとされています。

何事も「信じる心」を持つことができる人は、しっかりとした心の拠りどころを持ち、強く生きることができますよね!

浄土真宗だけ?許されていた意外な習慣

浄土真宗では、肉を食べることや結婚して家庭を持つことが許されていました。

これは、阿弥陀如来がすべての人を平等に救うことを示すためであり、親鸞聖人自身もその教えを実践していました。

禅宗と浄土真宗のお葬式、その違いと特徴とは?

葬式

禅宗と浄土真宗では、お葬式の形式や香典の書き方に違いがあります。
それぞれの宗派ごとに、特徴をわかりやすく解説していきます。

禅宗のお葬式とは?その特徴を解説!

お経は何を読むの?

禅宗では、「般若心経」を読経し、執着を手放すことで心の平安が得られると説きます。

ただし、黄檗宗は例外で、中国語の発音に基づいた「唐音(とういん)」で読経を行います。

お葬式の本当の目的とは?

禅宗のお葬式は、亡くなった方がご本尊であるお釈迦様の仏弟子となるための儀式として行われます。
そのため、「授戒」と「引導」が中心となります。

【授戒(じゅかい)】
亡くなった方が、生前の行いを懺悔し、仏の弟子となること。

【引導(いんどう)】
亡くなった方を仏の世界へ導き、送り出す儀式。

お葬式では、僧侶が棺の前でお経や法語を唱えます。
また、式の最中には「鈸(はつ)」という打楽器を大きく打ち鳴らし、音楽とともに亡くなった方の魂を仏の世界へ送り出します。

臨済宗の焼香作法とは?

臨済宗では、焼香は基本的に3回行います。

ただし、お葬式の進行状況によっては、心を込めて1回だけでも問題ありません。

また、お線香をあげる際は、1本だけ立てて供えましょう。

曹洞宗の焼香作法とは?

曹洞宗では、焼香は2回行います。

1回目は、香を額に押しいただいてから香炉にくべます。
2回目は、額には押しいただかず、そのまま香炉にくべます。

曹洞宗の香典袋、書き方に要注意!

曹洞宗では、亡くなった方はお葬式の最中にすぐに仏弟子になると考えられています。

そのため、一般的な「御霊前」は使いません。
これは、曹洞宗には「亡くなった方が霊になる」という考え方がないためです。

お香典を用意する際は、「御仏前」または「御香典」を選びましょう。

浄土真宗のお葬式とは?特徴を解説!

お経は何を読む?

浄土真宗では、「浄土三部経」 を読経し、「南無阿弥陀仏」 と念仏を唱えます。

また、浄土真宗本願寺派(お西さん)と真宗大谷派(お東さん)では、念仏の唱え方が少し異なります。

お西さん(浄土真宗本願寺派): 「なんまんだーぶ」
お東さん(真宗大谷派): 「なんまんだぶ」

お葬式の本当の意味とは?

浄土真宗のお葬式は、亡くなった方の供養を目的として行うものではありません。

これは、阿弥陀如来の本願力(他力)によって念仏を唱えれば、「即身成仏」すると考えられているためです。

また、亡くなった瞬間に阿弥陀如来によって極楽浄土へ迎えられるとされているため、成仏を祈る必要がないという考え方があります。

浄土真宗では、礼拝の対象は亡くなった方ではなく阿弥陀如来であり、お葬式は仏様に感謝を捧げる時間とされています。

禅宗で中心となる「授戒」や「引導」も、浄土真宗のお葬式では行われません。
亡くなった方はすでに仏となっているため、仏弟子になる必要も、仏の世界へ送り出す儀式も不要とされているのです。

焼香の正しい作法とは?

ご本尊の前で一礼し、お香を3本の指で摘まみます。
ここまでは一般的な作法と同じです。

【浄土真宗本願寺派(お西さん)】
お香を額に押しいただかず、そのまま1回だけ香炉にくべます。

【真宗大谷派(お東さん)】
本願寺派と同じく、額に押しいただかずに、2回香炉にくべます。

浄土真宗ならでは?気をつけたいポイント!

浄土真宗では、亡くなった方はすぐに仏様になると考えられているため、

「冥土へ旅立つ」や「天に召される」などの表現は使いません。

また、亡くなった方とは仏様として再会できるため、
「告別式」という表現もふさわしくないとされています。

さらに、他の宗派ではお清めのために塩をまくことがありますが、
浄土真宗にはそのような考えがないため、塩をまく習慣もありません。
参列する際は注意しましょう。

浄土真宗の香典袋、書き方に要注意!

一般的な仏式のお葬式では、香典袋の表書きに「御霊前」や「御香典」と書くことが多いですが、浄土真宗ではどちらも使いません。

これは、亡くなった方が阿弥陀如来の救いによって極楽浄土へ往生し、すぐに仏となるため、「霊」になるという考え方がないためです。

そのため、香典袋には 「御仏前」や「御供」 と書くのが適切です。

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よくある質問

曹洞宗と浄土真宗、何が違うの?

曹洞宗は、座禅を組み、自分自身の力で修行を積んで悟りを目指します。
一方、浄土真宗は、阿弥陀如来の力を信じ、念仏を唱えることで救われると考えます。

このように、両者はまったく異なる教えを持つ宗派です。

禅宗と真言宗、どう違う?

禅宗は、臨済宗・曹洞宗・黄檗宗の3つの宗派を総称したものです。
座禅の修行を通じて自力で悟りを開くことを目指し、ご本尊はお釈迦様(釈迦如来)です。

一方、真言宗では「即身成仏」の教えを大切にし、生きたまま仏になれると考えます。
仏の力を借り、修行を通して仏と一体となることで悟りに至るとされています。
ご本尊は大日如来で、密教の神秘的な教えを学ぶことが特徴です。

浄土真宗と真言宗、その違いとは?

浄土真宗は、阿弥陀如来の本願を信じることで救われる「他力本願」の教えを大切にしています。
「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えることで、極楽浄土へ往生できるとされています。

一方、真言宗は、「即身成仏」という考えのもと、修行を通じて大日如来と一体化し、自ら悟りを開いて仏になることを目指します。

浄土真宗では、厳しい修行は一切なく、念仏を唱えることが中心ですが、
真言宗では、密教ならではの厳しい修行や儀式を行うのが特徴です。

まとめ

今回は、禅宗と浄土真宗の違いについて解説しました。

禅宗は、自ら悟りを開くために地道な修行を積むのに対し、浄土真宗は阿弥陀如来の力に委ね、修行をしなくても仏になれるという、まったく異なる考え方を持っています。

どちらも鎌倉時代に成立した仏教の宗派ですが、その性質は正反対です。

それぞれの本質的な違いを理解し、安心してお葬式などに参列できるようにしましょう。

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