法事は何回忌まで親戚を呼ぶ?
結論、法事には親戚を三回忌まで呼ぶことが一般的とされています。
初七日(しょなぬか)、四十九日、一周忌、三回忌の合計4回は親戚を呼び、それ以降は家族のみで法事を行う方が増えています。
詳しく説明していきます。
三回忌まで行うのが一般的
最近では、亡くなってから2年後の三回忌まで親戚を呼ぶのが一般的です。
理由として、三回忌の次は亡くなってから6年後の七回忌なので、期間が開くため区切りが良いのが三回忌とされています。
他にも三回忌までは故人の記憶が新しく思い出を共有しやすいからという理由もあります。
ただし、法事に親戚を呼ぶかどうかは宗教や地域の慣習、家族の考え方によって異なります。
七回忌以降に親戚を呼んではいけないという決まりはないですし、呼ぶことで喜ばれることもあります。
明確な決まりはない
ここまで読んできて三回忌まで呼ばなければいけないと考える方もいると思いますが、明確な決まりはなく各家族で自由に決めてよいという事を忘れないでください。
最近では核家族化が進み親戚、家族が集まりづらい事や、費用も掛かってしまうことから初めから家族のみで行う法事も多いです。
一番大切なのは形式にとらわれず、故人を思う気持ちと思い出を共有する場を作ろうとすることです。
そもそも法事の意味は?
法事とは、故人(亡くなった人)の冥福を祈り、家族や親族、知人が集まる仏教行事を指します。
つまり、法事は行事全体の総称を呼び、法事の中にある仏教儀式を法要と考えるとわかりやすいです。
もう少し詳しく説明していきます。
法事と法要の違い
法事と法要の違いとして、法要は読経や焼香を中心とした宗教的な儀式を指すのに対して、
法事は法要に加えてお斎(おとき)と呼ばれる会食を含んだ行事全体のことです。
法要には、四十九日までの日単位で行う忌日法要(きじつほうよう)とその後、年単位で行う年忌法要(ねんきほうよう)があります。
四十九日まで故人の魂がこの世にいると言われ、その魂は49日目に閻魔様に裁きを下されるとされています。
少しでも良い裁きを受けれるように49日間で故人の魂を応援してあげることを忌日法要といいます。
もっと簡単に言うと「法要=閻魔様から良い裁きを受けれるように亡くなった人の魂を応援することです」
法事を行う理由
法事を行う理由は大きく3つに分けられます。
・故人の魂の成仏
・家族、親族とのつながりの再確認
・生き方を見つめなおすきっかけ
詳しく説明していきます。
故人の魂の成仏
故人の魂は亡くなってから49日間この世とあの世をさまよいます。この期間を中陰といいます。
中陰の49日間に故人の魂が極楽浄土に行く助けをするのが法要を行う意味です。
家族、親族とのつながりの再確認
最近だと核家族化が進み、親戚どころか家族とも会う機会がない人が増えています。
法事を行うことで久しぶりに顔を合わせて繋がりを再確認できます。
・久しぶりに会い「最近どうしてる?」などの近況報告。
・「おばあちゃんが作ってくれた料理、美味しかったね」という故人の思い出の共有。
・子供や孫の「おばあちゃんてどんな人だったの?」という次世代に思いを伝える。
具体例を出しましたが、法事を行うことによって繋がりや絆を再確認する機会になります。
生き方を見つめなおすきっかけ
法要には、一周忌、三回忌などの年忌法要と呼ばれるものがあります。
基本的に三十三回忌で弔い上げをされますが、32年もたつと亡くなった親の年齢を子供が上回ります。
「自分の人生も先は長くない、何かやり残したことはないか?」と生き方を考えるきっかけにもなるのが法事です。
法事に呼ぶか呼ばないかの決め方
実際どのように決めればよいの?自分一人で決めても問題ない?
などの不安があると思うので、以下を参考にしてみてください。
家族の意見を聞く
法事に親戚を呼ぶか呼ばないか迷った場合は、まず家族に相談してみると良いでしょう。
話し合うことで故人の生前の意向や家庭の考え方を踏まえての判断ができるので、未然にトラブルを防止できます。
話し合いの内容として法事の目的を話し合いましょう。
・故人の供養が目的の場合→家族のみや近親者も招いて行う。
・故人を偲ぶ場を作りたい場合→広く親戚を招いて思い出を共有する。
など目的にあった法事を行うことができます。
負担にならないかで決める
法事に親戚を呼ぶか迷ったら開催者の時間・費用や親戚に対する負担から考えてみるのも良いでしょう。
大規模な法事の場合は、会場の手配やお食事の手配、そのほかに案内状の送付など時間や費用面で負担が大きくなります。
法事を行うための負担が大きくて仕事やプライベートに支障が出るのであれば、小規模な法事を選択肢に入れてみてください。
また、親戚の移動や費用の負担も考えましょう。
高齢な方が多く、遠方からの移動が難しい場合や費用が掛かってしまうなどの負担を減らすために招待を控えることも考えてみてください。
親戚が集まりやすいお盆やお彼岸に合わせると参加しやすいです。
また、最近ではオンラインでの法事もあるので活用して、遠方の親戚が参加しやすいように開催しても良いでしょう。
親戚との関係性や過去の招待具合で決める
法事に呼ぶかを親戚の関係性や今までどれくらい親戚を招待しているかで決めるのもオススメです。
法事で特に重要視されている初七日と四十九日法要は親戚だけでなく知人も呼ぶのが一般的です。
その後、年忌法要に入りますが、亡くなってから1年目の一周忌は、四十九日に招いた方をそのまま招待するのが無難です。
三周忌からは、一周忌よりも規模を小さくすることが多くなり、近い親戚(いとこや叔父、叔母)は招き、遠い親戚は招待しないケースが増えていきます。
一例として、誰を招待するかの判断の基準にして見てください。
法事を家族のみで行う場合
今までは親戚を呼んで法事を行っていたけど、今回からは準備と費用の負担を減らすために家族で法事を行いたい。
そういう方に、家族のみで行う法事の流れと費用について解説します。
事前準備と流れ
家族のみでの法事をする場合、親戚を呼んでの法事と比べて規模が小さい分、会場や食事を準備する負担を減らせます。
また、親戚を招待するための案内状も必要ないので全体的に準備が簡単です。
以下が、家族で法事を行う場合に必要な準備の流れです。
1.日程と場所を決める
2.僧侶の依頼
3.法事当日の流れ
4.当日に必要な準備
詳しく説明していきます。
1.日程と場所を決める
日程
家族内で都合の良い日を決めます。親戚を呼ばないので平日でも予定を合わせやすいです。
お寺のスケジュールを確認してから決めましょう。
基本的に命日に法事を行うことが推奨されていますが、日程を合わせられない可能性があります。その場合は命日よりも前に法事を行うと良いです。
理由として、命日よりも後に法事を行うと故人が法事を忘れてしまったと悲しんでしまうからです。
場所
自宅や菩提寺、お墓の前で行うことが一般的なので費用が掛からないことが多いです。
自宅で法事を行う場合、移動の手間も省けます。
2.僧侶の依頼
法要で読経してもらうために僧侶に依頼をします。
依頼の方法は菩提寺や葬儀社又はインターネットでも手配可能です。
自宅で法要を行う場合は仏壇の前で読経を行ってもらいます。
日程が決まったら直前ではなく、1か月前には余裕をもって依頼しましょう。
菩提寺に依頼する場合は、地域や寺院によってお布施の相場が異なるので事前に確認してください。
3.法事当日の流れ
開式
家族全員が集まり仏壇や会場で読経を唱えます。
↓
焼香
基本的に年長者から順番に焼香を行います。
↓
法話
僧侶から仏教の教えや故人にまつわる話をしてもらいます。
↓
お墓参り
お墓の前に移動して供花や線香を手向けます。
↓
会食
故人を偲びながら会食をします。飲食店を利用することが多いです。
4.当日に必要な準備
当日に必要な準備として
・供花や供物
仏壇やお墓に飾るお花や、果物、お菓子など。
・焼香セット
自宅の場合はお線香や香炉を準備。
・写真や位牌
仏壇やテーブルに故人の写真や位牌を飾ります。
法事にかかる費用
家族のみで法事を行う場合、費用の合計は4~7万円程度で抑えられることが多いです。
以下がその内訳となります。
・僧侶へのお布施「3~5万円」
・供花、供物「5千~1万円」
・会食費「5千~1万円」
・会場費「5千円」
これに対し親戚を呼ぶ場合、人数にもよりますが、15万~20万程度かかるので家族のみで法事を行うと負担を減らせます。
家族法事でも親戚への連絡は必要
家族のみで法事を行う場合でも連絡は必要です。
法事が終わった後に、「無事法事を終えました」などの挨拶状を送ると親族の方は安心してくれます。
特に故人と親しかった方は法要について気にしていますので忘れないようにしましょう。
法事の前に連絡をしても良いのですが、親戚が心配して香典や供物を送るなど、かえって相手に気を遣わせてしまうかもしれません。
なので法事の前に連絡を入れる必要はありません。
よくある質問
七回忌はお参りだけで大丈夫でしょうか?
家族の状況や地域の風習で異なりますが、最近ではお参りのみで済ませる方が増えています。大切なのは故人を思い偲ぶ気持ちを持つことです。
よって、七回忌はお参りだけでも大丈夫です。
法事は何回忌まで行えばよいでしょうか?
一般的には十三回忌や三十三回忌で終えることが多いです。
まとめ
今回の記事では
・何回忌まで親戚を呼べばよいか
・家族だけでの法事の準備と費用
・親戚を呼ばない場合のマナー
などを詳しく解説してきました。
親戚を呼ぶか迷われている方は、親戚との関係性や負担などを考えて、家族と相談して決めると満足いく法要が行えるでしょう。
また下記にある関連記事を見て、法事や法要の疑問を解決してみてください。
葬儀の人材派遣と集客支援の最大手、株式会社ディライトの代表取締役。20歳で葬儀の人材派遣スタッフとして働き始め、独立。以降約20年間、葬儀、お墓業界の「人の困った」と「集客の困った」を解消し続けている。
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この記事の著者・監修者
株式会社ディライト株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。
この記事の編集者
お墓の口コミ編集部
竹田 勇飛
東京都出身。計400社以上の墓石、葬儀会社と繋がりを持ち、お墓ディレクター2級を有している。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。