浄土真宗の法事に対する考え方
浄土真宗の法事に対する考え方は他の宗派と異なります。
浄土真宗は即身成仏という教えでは、亡くなった人は阿弥陀仏の救いによってすぐに成仏し、極楽浄土へ迎えられます。
そのため、葬儀・法要でも故人の冥福を祈るのではなく、故人を偲ぶという意味で行われます。
浄土真宗の年忌法要
年忌法要とは、一般的に祥月命日(故人が亡くなった月日と同じ月日)に執り行うとされています。浄土真宗においても違いはありません。
年忌法要を執り行う日は祥月命日
年忌法要は一般的に祥月命日に執り行うのが一般的です。
ただし、さまざまな理由があり命日当日にできない場合もあります。
その場合は命日よりも前に移動するようにしましょう。
浄土真宗の年忌法要の種類
浄土真宗の年忌法要は一周忌・三回忌・七回忌・十三回忌・十七回忌・二十三回忌・三十三回忌を行い、三十三回忌とされています。
年忌法要 | 執り行う時期 |
---|---|
一周忌 | 亡くなってから一年後 |
三回忌 | 亡くなってから二年後 |
七回忌 | 亡くなってから六年後 |
十三回忌 | 亡くなってから十二年後 |
十七回忌 | 亡くなってから十六年後 |
二十三回忌 | 亡くなってから二十二年後 |
三十三回忌 | 亡くなってから三十二年後 |
年忌法要は誰を呼べばいいの?
年忌法要は一周忌と三回忌、七回忌程度までは、家族だけではなく親族などまでを招いてある程度大きな規模で行うことが多いです。それ以降は遺族のみで行うことが多いです。
年忌法要はいつまで?
個別の法要を終了することを弔い上げ(とむらいあげ)と言います。
弔い上げのタイミングには決まりはありません。
一般的には三十三回忌を弔い上げとすることが多いですが、必ずしも三十三回忌をやらなければいけないということでもありません。
そのため、非常に早くに弔い上げをすませてしまう家庭もあれば、親族がいる限り長く続けていくという家庭もあります。
ご家庭によって違いますが、最近は十三回忌から二十七回忌を省く人は多いです。
浄土真宗の法事を準備する流れ
他の宗派と同じように浄土真宗でも法事を行う際には、準備が必要です。
お寺への連絡
法事を行う際は菩提寺に連絡し、日程を決めましょう。菩提寺がない場合は、紹介やインターネットで調べて探すことができます。
案内ハガキの送付
招待する方に法事の日程や会場を明記した案内はがきを送ります。招待するのが身内だけでお寺の場所を知っている場合には、電話やメールによる連絡でも構いません。
お斎の予約
法要後に会食をする場合は、事前に予約をした方が良いでしょう。会場までの移動手段がない場合には送迎してくれるお店を選ぶと良いです。
料理は基本的には和食が一般的ですが、お祝い事で使われる伊勢海老や鯛は避けた方が無難です。
お供え物の用意
基本のお供え物は「お仏飯」「お餅」「お菓子」「果物」を用意します。お供えする台に、左右に同数ずつお供えします。自宅で行う際は線香やお花、お経本も用意しましょう。
引き出物の用意
香典のお返しとして引き出物も準備しておきましょう。引き出物はお菓子の詰め合わせやカタログギフトなどが人気です。故人が好んでいた物を渡すのも、故人を思い出すことができてよいかもしれません。
浄土真宗の法事の作法
浄土真宗の法事に参列する際や主催するときに注意すべき作法をご説明します。
香典に「御霊前」と記入しない
浄土真宗では、亡くなった人はすぐに成仏すると考えられているので、香典の表書きに「御霊前」とは記入しません。
「御仏前」や「御香典」と記入するのがマナーとされています。
浄土真宗以外の宗派では、四十九日前の香典の表書きは「御霊前」と記入し、四十九日を過ぎたら「御仏前」と記入するのが一般的です。
焼香は宗派で異なる
他の宗派との違いは焼香をつまんだ後に押しいただかずそのまま香炉にくべることです。浄土真宗本願寺派では1回、真宗大谷派では2回、焼香を行います。そのほかに真宗興正派では2回、真宗高田派では3回など宗派によって回数が定められています。
線香は寝線香
浄土真宗では寝線香が作法です。香炉の大きさに合わせて1本の線香を2つや3つに折り、横に寝かせて供えます。
よくある質問
浄土真宗の法要の回忌はいつまでですか?
三十三回忌まで行うことが一般的ではありますが、明確に何回忌まで行わなければならないという決まりはありません。
まとめ
今回の記事では、浄土真宗における年忌法要について詳しく解説してきました。
浄土真宗は法事に対する考え方が他の宗派と比べると大きく異なる点です。
今回の記事で紹介したのは一般的な例です。菩提寺や地域などによって注意すべき点が異なることもあるので、事前に確認しておきましょう。
この記事の著者・監修者
株式会社ディライト株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。
この記事の編集者
お墓の口コミ編集部
竹田 勇仁
東京都出身。大学を卒業後葬儀社で勤務。
現場経験を経て、消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。