喪中の正月に神棚をどう扱うべきか?
喪中の正月に神棚をどう扱うべきか、悩まれる方も多いでしょう。
結論として、喪中期間中は神棚を「神棚封じ」することが一般的です。
これは、神道の教えに基づき、故人の「穢れ(けがれ)」を神様に及ぼさないための配慮です。
以下では、神棚封じの意味や方法、期間について詳しく解説します。
喪中期間中の神棚封じとは?
神棚封じは、家族が亡くなった際に神棚を白い半紙で覆い、神様との交流を一時的に控える儀式です。
これは、故人の「穢れ」が神様に及ぶのを防ぐために行います。
神道では、死は「穢れ」として扱われます。
そのため、家族が亡くなった際には、故人を偲ぶ期間中、神様と直接的な接触を避けることが重要とされています。
手順としては、神棚の扉を閉め、白い半紙を貼って全体を覆います。
神棚封じ中は、お供え物や拝礼を控えます。
神棚封じの期間は、忌中とされる50日間が一般的ですが、地域や宗派によって異なる場合があります。
神棚封じの手順
①必要な道具を準備する
1.白い半紙(神棚全体を覆える大きさのもの)
2.両面テープや糊(半紙を固定するため)
3.掃除用具(神棚を清掃してから封じるのが一般的)
➁神棚を掃除する
1.封じる前に神棚を清掃します。
2.お供え物や榊、水などを下げ、埃を拭き取ります。
3.すべての扉を閉じておきます。
③半紙を神棚全体に覆う
1.白い半紙を神棚の扉の前面に貼り付けます。
2.半紙がたるまないように丁寧に固定します。
3.神棚全体が隠れるように覆うのが理想的です。
④神棚封じの期間を守る
一般的には「忌中」の期間(50日間程度)が神棚封じの目安です。
地域や宗派によって異なる場合があるため、慣習を確認してください。
神棚封じの解き方
①忌明け後に半紙を取り外す
忌中が明けたら、半紙を丁寧に取り外します。
取り外した半紙は、他のゴミと分けて捨てるか、浄火して処分します。
➁神棚を清掃する
再び神棚を清掃します。
半紙を貼っていた間に溜まった埃などをしっかり拭き取ります。
③お供え物を整える
1.榊、水、お米、お酒などのお供え物を再び配置します。
2.新しいお札を用意している場合は、このタイミングで交換します。
④再開の挨拶を行う
神棚封じを解いた後、静かに手を合わせ、神様に「忌中が明けたこと」と「これからまたお守りいただくこと」への感謝を伝えます。
喪中でも神棚を封じない場合の注意点
一部の地域や宗派では、喪中でも神棚を封じない習慣があります。
その場合でも、神棚の掃除やお供え物の交換を控えるなどはした方が良いです。
また、神棚封じを行わない場合でも、神社への参拝は忌明け後の50日以降に行うのが一般的です。
地域や家庭の習慣によって対応が異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
神棚のお札・飾り・お供えの扱い方
喪中の期間中、神棚のお札や飾り、お供え物の取り扱いに悩む方も多いでしょう。
結論として、喪中の間は神棚に触れず、神棚封じを行うことが一般的です。
以下では、お札の交換時期や飾り物、お供え物の扱いについて詳しく解説します。
喪中期間中にお札の交換はしない
喪中の際、新年を迎えるにあたりお札の交換をどうすべきか迷うことがあります。
結論として、喪中期間中は神棚に触れることを避けるため、お札の交換は行わないのが一般的です。
喪が明けた後に、古いお札を神社に納め、新しいお札を受け取るようにしましょう。
理由として、神道の教えにおいて「穢れ」を神様に及ぼさないよう配慮するためです。
喪中は家族の一員を失った悲しみの期間であり、神棚に手を触れること自体が不適切とされています。
ただし、地域や宗派によって異なる場合もあるため、地元の習慣や神社に確認することをおすすめします。
喪中は正月飾りやお供え物を飾らない
喪中の正月における飾り物やお供え物の扱いについて、以下の点に注意しましょう。
しめ縄や鏡餅
しめ縄や鏡餅は、お祝い事の象徴であるため、喪中の期間中は飾らないのが一般的です。
お供え物
神棚封じを行った際に、お供え物はすべて下げます。
喪中の間は新たなお供え物をする必要はありません。
喪中の正月に避けること
喪中の正月には、避けるべき行事や注意点がいくつかあります。
以下に、控えるべき行事や行動、そして親戚や知人への挨拶時のマナーについて詳しく解説します。
①初詣
神社への参拝は、忌中(約50日間)は避けるべきとされています。
これは、神道において死が「穢れ」とされるためです。
ただし、忌明け後であれば、本人や周囲が不快でなければ参拝しても問題ないとされています。
➁正月飾り
門松、しめ縄、鏡餅などの正月飾りは、新年を祝う意味が込められているため、喪中の期間は控えるのが一般的です。
③おせち料理
おせち料理も祝い膳とされるため、喪中の間は避ける家庭が多いです。
ただし、家庭の事情や故人の意向によっては、普段通りに過ごす場合もあります。
喪中の正月に親戚や知人への挨拶マナー
喪中の期間中、新年の挨拶にも注意が必要です。
以下に、適切な挨拶の仕方やマナーを紹介します。
①新年の挨拶
通常の「明けましておめでとうございます」という挨拶は避け、「旧年中はお世話になりました」「本年もよろしくお願いいたします」といった表現が適切です。
➁年賀状ではなく喪中はがき
喪中期間は年賀状は送りません。
その旨を年末までに、喪中はがきとして親戚や知人に送付します。
ただし、喪中はがきを事前に送っていない場合、知人、親戚から年賀状が届くこともあります。
その際は、松の内(1月7日または15日)を過ぎてから寒中見舞いとして返事を出すのが一般的です。
③贈答品は送れる
お歳暮は感謝の気持ちを伝えるものであり、お祝いではないため、喪中でも贈ることができます。
ただし、忌中(約50日間)は避け、忌明け後に贈るのが望ましいとされています。
神道、仏教、地域によって喪中は異なる
日本各地で喪中の習慣は異なります。
例えば、喪中の期間は一般的に1周忌(約13ヶ月)までとされていますが、地域や家庭によっては半年や100日などを区切りとする場合もあります。
宗教的な違いもあります。
神道では、死を「穢れ」と捉え、忌中(約50日間)は神社への参拝を控えることが一般的です。
一方、仏教では、故人の供養を重視し、忌中であってもお寺への参拝は問題とされません。
このように、宗教によって喪中の過ごし方や行事への参加に対する考え方が異なります。
神道の法事について知りたい方仏教との違いも説明しています。
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よくある質問
親が亡くなった場合は神棚をどうする?
親が亡くなった場合、神棚を「神棚封じ」するのが一般的です。
封じる期間は忌中(約50日間)とされていますが、地域や宗派によって異なる場合があります。
忌明け後には、半紙を取り外し、再度清掃してお供え物を整えます。
詳しい手順や期間については、地元の神社や専門家に相談すると安心です。
神棚封じしないとどうなる?
神棚封じをしない場合、神道の「穢れ」を神様に及ぼさないという教えに対して、配慮が欠けることになります。
神道では、死は「穢れ」とされ、故人が亡くなった家で神棚をそのままにしていると、神様への礼を失する行為とみなされる場合があります。
これが気になる人も多いです。
神棚封じを行わない場合でも、神棚を清掃しお供え物を控えるなどで対応しましょう。
別居の親が亡くなっても神棚封じはしなくても良い?
別居している親が亡くなった場合、必ずしも神棚封じをする必要はありません。
理由として、神棚封じは「故人の穢れが直接的に神棚に及ぶのを防ぐ」という考えに基づいているからです。
別居している場合、故人が亡くなった家と神棚のある家が異なるため、穢れが直接神棚に及ばないとされています。
まとめ
この記事では
・喪中正月の神棚の扱い方
・神棚封じの手順や注意点
・喪中の正月行事の控え方
について解説してきました。
神棚封じは、神道の教えに基づき、穢れを神様に及ぼさないための儀式であり、正しい手順で行うことが大切です。
この記事を参考にし、神棚への扱い方に安心感をもって、新しい年を迎えましょう。