亡くなって初めての正月の過ごし方
亡くなって初めてのお正月(喪中)を迎える際には、通常のお正月とは違う過ごし方になります。
特に、祝い事を避けることが重要です。
以下では、喪中期間中に控えるべきことや仏壇や正月飾りの扱い方、忌中と喪中の違いについて詳しく説明します。
喪中のお正月に控えるべきこと
喪中のお正月では、新年を祝う行為を控えるのが一般的です。
喪中期間中に避けるべき行動には以下のようなものがあります。
1.年賀状の送付
年賀状を送ることは新年を祝う行為とみなされるため、控えましょう。
代わりに喪中はがきを事前に送付します。
もし送っていなければ、寒中見舞いとして返信するのが適切です。
2.正月飾りの設置
門松やしめ縄、鏡餅などの正月飾りは控えます。
理由として、祝い事を象徴するものとして捉えられるためです。
ただし、仏壇や神棚に飾る鏡餅は例外です。
仏壇に飾る鏡餅は、一般的な正月飾りとしてではなく、供養や祈りの一環として供えることが許容される場合があります。
3.初詣や宴会
初詣やおせち料理を含む祝賀的な行為も控えるのが望ましいです。
家族内で控えめに食事をする程度にとどめると良いでしょう。
正月飾りではなく仏壇にお供え物をする
亡くなって初めての正月は、正月飾りの代わりに仏壇を整えることが重要です。
仏壇の飾り付けの具体例として、次のことが挙げられます。
①仏壇の掃除
年末に仏壇をきれいに掃除し、故人のための新しい仏花を用意します。
花は控えめな色合いのものを選ぶと良いでしょう。
➁お供え物の準備
故人が生前に好んだ食べ物や飲み物を仏壇に供えます。
地域や宗派によって異なるため、家族で話し合って決めることをおすすめします。
忌中と喪中の違い
忌中と喪中の違いを知ることで、適切な行動が取れます。
忌中
故人が亡くなってから49日間を指し、この間はお祝い事を避けるだけでなく、外出や参拝も控えることが推奨されます。
これは故人の霊が成仏するまでの期間とされているためです。
喪中
一般的に故人が亡くなってから1年間を指します。
この期間中は祝い事を控えますが、忌中よりも行動に柔軟性が認められる場合もあります。
仏壇と神棚の扱い方
喪中のお正月では、仏壇や神棚の扱い方が重要なポイントです。
以下では、仏壇の掃除や準備、神棚の飾り方とお神札の扱い方について解説します。
仏壇の掃除と準備
喪中の正月を迎えるにあたって、仏壇をキレイにすることは欠かせません。
適切な掃除と準備を行うことで、故人を大切に思う気持ちを形にできます。
1.仏壇の掃除方法
仏壇の掃除は、まず仏具を取り外し、柔らかい布でほこりを拭き取ることから始めます。
可能であれば、専用のクリーナーを使って木材部分を磨きましょう。
金箔部分には水を含ませないよう注意してください。
仏具も洗浄し、清潔な布で乾かします。
2.お供え物の選び方
故人が生前に好んだ食べ物や季節の果物を選ぶと良いです。
地域によっては、お餅やお酒を供える習慣もあります。
また、仏花は控えめな色合いのもの(白、黄色が中心)を選び、花器をきれいにして新しい水を用意しましょう。
3.仏壇を整えるポイント
掃除が終わったら、仏具や仏像を丁寧に戻します。
この際、お線香やろうそくを新しいものに取り替えるとさらに良いでしょう。
清潔で整った仏壇が、新年を迎える準備としてふさわしい環境を整えます。
神棚の飾り方とお神札の扱い
喪中のお正月では、神棚にも配慮が必要です。
仏壇とは異なるため、それぞれの扱い方を理解しましょう。
①神棚の掃除と準備
神棚も仏壇同様に掃除を行います。
しめ縄や神具のほこりを払い、新しいお神酒やお米を供えます。
古いお神札は神社に返納し、新しいお神札をお迎えするのが一般的です。
➁しめ縄やしめ飾りは控える
喪中の場合、しめ飾りを控える家庭もあります。
これは新年を祝う象徴としての意味があるためです。
ただし、地域や宗派によって異なるため、迷った場合は近隣の神社や仏寺に相談するのが良いでしょう。
③喪中ならではの配慮
喪中の神棚は、「お祝い」ではなく「静かな敬意」を表現する形で整えるのが適切です。
飾りやお供え物は簡素にまとめると良いです。
故人を偲ぶための正月の心構え
喪中のお正月は、故人を偲びつつ静かに過ごすことが大切です。
家族との話し合いで過ごし方を決め、故人にふさわしいお供え物やお花を用意することで、心穏やかな新年を迎えられます。
家族との話し合いで過ごし方を決める
喪中のお正月は、家族や親族と過ごし方を相談することが重要です。
故人を偲ぶ方法やお正月の過ごし方について話し合うことで、皆の気持ちを共有し、適切な対応ができます。
例えば、正月飾りを控えるかどうか、初詣に行くかどうかなど、家族の意向を尊重しながら決めると良いでしょう。
このような話し合いは、家族の絆を深め、故人への思いを共有する機会にもなります。
仏壇のお供え物やお花
仏壇やお墓に供えるお供え物やお花は、故人の好みや季節を考慮して選ぶと良いでしょう。
例えば、故人が生前好んでいた食べ物や飲み物をお供えすることで、故人への敬意と感謝の気持ちを表せます。
また、お花は白や淡い色のものを選ぶと、喪中の雰囲気に適しています。
ただし、地域や宗派によって習慣が異なる場合があるため、家族や親族と相談しながら決めることが大切です。
喪中でも守りたい基本マナー
亡くなって初めてのお正月は、通常のお正月とは違い、日常のマナーに加えて、喪中ならではの対応が求められます。
以下では、年賀状や挨拶の対応、初詣やおせち料理の扱い方について詳しく解説します。
年賀状や挨拶の対応方法
喪中の正月における年賀状や挨拶の対応は、重要なマナーの一つです。
適切な対応をすることで、相手への失礼を避けることができます。
1.喪中はがきの送付
故人が亡くなった場合、通常は年末までに喪中はがきを送付します。
そうすることで、新年の挨拶を控える旨を事前に伝えることができます。
2.年賀状を受け取った場合の対応
喪中はがきを送らなかった場合や、相手が喪中を知らない場合には、年賀状が届くことがあります。
その際は、1月7日以降に寒中見舞いとして返信するのが一般的です。
「喪中につき年始のご挨拶を控えさせていただきます」といった一文を添えると丁寧です。
3.直接の挨拶の注意点
親族や知人と直接会う場合、「明けましておめでとうございます」といった祝いの言葉は避け、「今年もよろしくお願いします」など、控えめな表現を心がけましょう。
初詣やおせち料理も注意が必要
喪中の正月では、初詣やおせち料理の扱い方に関しても注意が必要です。これらは新年を祝う行為とみなされるため、慎重な対応が求められます。
①初詣について
喪中期間中でも、忌中を過ぎていれば初詣に行くことが可能です。
ただし、華美な服装や騒がしい行動は避け、静かに参拝することが推奨されます。
一方で、忌中の期間中は参拝を控えるのが一般的です。
➁おせち料理の代替案
おせち料理は、祝い事を象徴するものとして捉えられます。
そのため、喪中の正月では控える家庭もあります。
ただし、簡易的な食事や家庭料理で静かに過ごすことは問題ありません。家族で話し合い、無理のない範囲で対応しましょう。
③新年の食事の注意点
正月らしい食事を全く避ける必要はありませんが、「祝いの意図を込めない」という点を意識することが重要です。
よくある質問
亡くなって初めての正月にお年玉を上げたり貰ったりしても良い?
喪中の正月にお年玉を上げたり貰ったりすることは、必ずしも禁止されているわけではありません。
ただし、新年を祝う意味が含まれるため、控える家庭も多いです。
一方で、子どもにとってお年玉は楽しみの一つです。
なので、家庭内で話し合い、状況に応じて判断すると良いでしょう。
もしお年玉を渡す場合は、「お年玉」という名前を避け、「お小遣い」として渡すなど配慮すると安心です。
お年玉の袋も、華やかなデザインではなく、控えめな無地のものを選ぶのがおすすめです。
仏壇へのお供え物として、オススメのお菓子は?
仏壇へのお供え物としては、故人が生前好んでいたお菓子を選ぶのがオススメです。
お供え物は故人への敬意を表すものなので、故人の好みを優先することが大切です。
具体的には、羊羹や煎餅、まんじゅうなど、日本の伝統的なお菓子がよく選ばれます。個包装されているものは清潔で扱いやすいためおすすめです。
避けるべきものとしては、匂いが強いものや傷みやすいもの、アルコールが含まれているものなどがあります。