喪中とは?忌中との違い

喪中:故人を偲び、お祝い事を控える期間で、一般的に1年間続きます。
忌中:故人の死後四十九日間を指し、喪中より厳格に穢れを避ける行動が求められます。
①喪中
親しい親族が亡くなった際に、その死を悼み、一定期間お祝い事や派手な行動を控える慣習のことを言います。
故人を偲ぶための期間であり、慶事(結婚式や新年会など)や派手な行動を避けるのが一般的です。
期間は主に故人との関係性によって変わり、近親者ほど期間が長い傾向があります。
➁忌中
忌中とは、故人が亡くなってから四十九日間を指し、この間は穢れ(けがれ)を避け、厳粛に過ごすことが求められる期間です。
喪中よりも厳格な習慣が多く、神棚を閉じてお祈りを一時中断したり、神社への参拝を控えるのが一般的です。
喪中や忌中の範囲と期間は、故人との親等や家族の価値観や関係性によって変わります。
特に現代では、慣習に縛られすぎず、家族内で相談して対応を決めるケースも増えています。
喪中の範囲は2親等までが一般的

喪中の範囲が2親等までとされるのは、故人との関係が近く、精神的な影響が大きいとされるからです。
この「親等(しんとう)」は、自分と親族の続柄を距離で示したもので、民法の規定に基づいて数えられます。
・1親等:父母、子ども
・2親等:兄弟姉妹、祖父母、孫
この範囲は法律で義務付けられているわけではなく、あくまで慣習的な基準です。
重要なのは、親等という基準を知ったうえで、関係性なども考慮して決めていくことです。
叔父、叔母は範囲に含まれる?
叔父や叔母は、自分から見て3親等にあたります。
一般的に喪中の範囲は2親等までとされるため、叔父や叔母は対象外となります。
ただし、家族や地域のしきたり、故人との関係性が深い場合には、叔父や叔母を喪中の対象とするケースもあります。
例えば、3親等の叔父が親代わりとして育ててくれた場合など、精神的な繋がりが深いと感じる場合は、喪中の範囲に含める判断をしても問題ありません。
兄弟の配偶者は範囲に含まれる?
兄弟の配偶者(義理の兄や義理の姉など)は、自分から見て3親等に該当します。
そのため、慣習上は喪中の範囲には含まれないとされるのが一般的です。
ただし、家族間の事情や故人との関係性が深い場合には、喪中として対応することもあります。
配偶者側の親族はどこまで含まれる?
配偶者側の親族についても、自分から見た親等が基準になります。
・1親等:配偶者の両親(義父母)
・2親等:配偶者の兄弟姉妹(義理の兄弟姉妹)、配偶者の祖父母
配偶者の親族であっても、1親等や2親等に該当する場合は、慣習的に喪中の対象に含めることが一般的です。
ただし、配偶者側の判断に委ねることも多く、自分の喪中範囲に含めない場合もあります。
配偶者側の親族で3親等以上(例:配偶者の叔父や叔母など)については、喪中に含めないケースが一般的です。
迷う場合は、配偶者と相談し、家庭内で一貫した対応を決めることが重要です。
親等ごとに喪中期間が変わる

喪中、忌中の期間は、親族との親等で期間が変わります。
一般的な目安として、以下のような期間が設けられています。
喪中期間 | 忌中期間 | |
---|---|---|
父母、配偶者 | 12~13ヵ月 | 50日 |
子供、兄弟姉妹、祖父母 | 3~6ヵ月 | 30日 |
曾祖父母、伯叔父母 | 1〜3ヵ月 | 30日 |
曾祖父母(そうそふぼ):自分の祖父母のさらに親、つまり「ひいおじいさん」「ひいおばあさん」にあたる方々です。
伯叔父母(はくしゅくふぼ):伯父・伯母(親の兄姉)と叔父・叔母(親の弟妹)を総称した呼び方です。
※曾祖父母と伯叔父母は3親等にあたるので、一般的には範囲外にはなりまが、喪中とする場合は上記の表を参考にしてください。
この期間は明治時代に定められたもので、現在は廃止になり法的拘束力はありません。
風習として残っているだけなので、喪中は1年を目処とする人が多いのです。
喪中に控えるべきこと

①お祝い事への参加や主催
結婚式や誕生日会などの慶事への出席や開催は避けるべきとされています。
➁年賀状の送付
新年を祝う年賀状の送付は控え、代わりに喪中はがきを送り、年始の挨拶を遠慮する旨を伝えます。
③お祝い事の贈答
お中元やお歳暮は感謝の気持ちを伝えるものであり、喪中でも贈ることは問題ありませんが、のし紙は無地の奉書紙や白地の短冊を使用するなどの配慮が必要です。
④神社への参拝
忌中(四十九日間)は、神道の考え方により神社への参拝を控えることが望ましいとされています。
これらの行動を控えることで、故人への哀悼の意を示し、周囲への配慮を行うことができます。
ただし、地域や家庭の慣習によって異なる場合もあるため、家族や関係者と相談しながら適切に対応することが大切です。
どの範囲まで喪中はがきを出す?

喪中はがきを出す範囲は、一般的に故人から見て2親等以内の親族が対象とされています。
具体的には以下の通りです。
・1親等:父母、子ども
・2親等:兄弟姉妹、祖父母、孫
ただし、地域や家庭の慣習、故人との親密度によっては、3親等(叔父、叔母など)やそれ以上の親族が亡くなった際にも喪中はがきを出すことがあります。
最終的には、家族や関係者と相談して判断することが望ましいでしょう。
送るタイミングは?
喪中はがきを送るタイミングは、11月中旬から12月初旬が一般的です。
この時期に送ることで、相手が年賀状を準備する前に受け取ることができ、無駄な手間をかけずに済みます。
注意点
・不幸が年末に近い時期にあった場合
喪中はがきが間に合わない場合は、年明けに寒中見舞いとして送ることができます。
寒中見舞いは1月7日から2月初旬までに送るのがマナーです。
・相手が遠方の場合
郵送に時間がかかることを考慮し、早めに準備しておくと安心です。
喪中はがきの書き方と例文
喪中はがきには、以下の内容を含めるのが一般的です。
①年賀欠礼の挨拶:喪中につき新年の挨拶を控える旨を伝える。
➁故人の情報:故人の氏名、続柄、亡くなった月日、享年。
③感謝の言葉:生前の厚情への感謝を述べる。
④今後のお願い:今後とも変わらぬお付き合いをお願いする。
以下に、叔父が亡くなった場合の喪中はがきの例文を示します。
喪中につき新年のご挨拶を控えさせていただきます
去る○月○日 叔父 ○○○○ が享年○○歳にて永眠いたしました
生前のご厚誼に深く感謝申し上げます
今後とも変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます
令和○年○月
(差出人住所)
(差出人氏名)
このように
「故人の続柄や氏名」
「亡くなった日付」
「享年」などを明記し、相手に故人との関係性を伝えることが大切です。
亡くなった際の忌引き休暇

忌引き休暇は、親族が亡くなった際に取得できる特別休暇で、日数は故人との親等や企業の就業規則によって異なります。
一般的な目安として、配偶者の場合は10日、1親等の父母は7日、子は5日、2親等の祖父母や兄弟姉妹は3日とされています。
3親等の曾祖父母、叔父、叔母は対象外とされています。
ただし、これらはあくまで一般的な例であり、実際の休暇日数は各企業の規定によります。
なので、忌引き休暇を取得する際は、事前に自社の就業規則を確認し、上司に相談することが重要です。
よくある質問
叔父が亡くなった場合、神社に行くのを控えるべきですか?
叔父は3親等にあたり忌中の対象にならないので、神社にお参りにいっても問題はありません。
ただし叔父との関係性が深く、忌中とするのであれば忌明けまでの亡くなってから50日間は、神社に行くのは避けましょう。
忌中は故人の死後四十九日間を指し、この期間中は「穢れ(けがれ)」を避けるという神道の考えにより、神社参拝を控えるのが一般的だからです。
まとめ
この記事では
・叔父が亡くなった際の喪中の範囲
・喪中の期間
・喪中はがきの送り方
などを解説してきました。
喪中の対象となるのは2親等までで叔父、叔母などは対象外ですが、関係性を踏まえて臨機応変に対応していくことが望ましいです。