散骨とは?散骨の基本を分かりやすく紹介!

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散骨とは?散骨の基本を分かりやすく紹介!

近年、供養方法が時代とともに変化し、昔ながらの遺骨をお墓に納める方法から、永代供養や樹木葬といった多種多様な供養方法が登場しています。

その背景には、少子化の影響でお墓の継承者がいなくなり、お墓の維持ができなくなっていることがあります。

今回は、そんな多様化している供養方法の1つでお墓を必要としない「散骨」について、要点を分かりやすく紹介していきます!

散骨とは?

散骨とは?

散骨とは、遺骨を粉末状にして自然環境に撒くことをいいます。自然に還すということから「自然葬」とも呼ばれています。

有名な散骨方法としては、海に遺灰を撒く「海洋散骨」、自然の里山などに遺灰を撒く「森林散骨」、遺灰をロケットなどで打ち上げる「宇宙葬」などがあります。
遺体を墓地以外に埋葬することは法律で禁じられていますが、散骨に関しては「葬送を目的とし節度を持って行う限り、死体遺棄には当たらない」とされています。

ただし、どこに撒いてもいいわけではなく、自治体によっては条例で規制されているところもあるので事前に確認しておきましょう。

散骨の種類

散骨にはいくつか種類があります。それぞれの特徴や、注意点を紹介していきます。

海洋散骨

海洋散骨とは、故人の遺灰を海に散骨する葬送および供養のスタイルです。

散骨方法として主に「個別散骨」「合同散骨」「委託散骨」の3つがあります。

個別散骨とは、1家族で船を貸し切り行う方法です。落ち着いてお見送りができますが費用はその分掛かります。

合同散骨とは、複数の遺族が船に乗り合わせて行う方法です。費用は抑えることができますが人数や日程に制限があります。

委託散骨とは、遺族は乗船せず、業者が代理で行う方法です。費用的には1番抑えることができます。散骨時の写真など受け取ることができるサービスもあります。

散骨を行う海域は条例によって制限がされている場合がありますので、事前に確認しておきましょう。また、遺族が海洋散骨に馴染みが無い場合は、説明をして理解を得ておくことが重要です。

森林散骨

森林散骨とは、故人の遺灰を山や森に散骨する葬送および供養のスタイルです。

ただし、山への散骨はあまり実施されていないというのが現状です。なぜなら、森林は必ず誰かが所有している土地であるからです。市町村長の許可を取っていれば問題はありませんがなかなか難しいでしょう。

また、散骨した遺灰の上に少しでも土や枯れ葉などをかぶせてしまうと埋葬行為になってしまうので注意が必要です。

森林散骨は、海洋散骨に比べると難易度が高いので散骨業者も海洋散骨を多く行っています。森林散骨を行う場合は、散骨業者としっかり準備をすることが重要です。

宇宙葬

宇宙葬とは、故人様の遺灰を宇宙に打ち上げて散骨する葬送および供養のスタイルです。

宇宙葬にはいくつかの方法があり、特殊なカプセルやバルーンを使って遺灰を宇宙に送ります。基本的に宇宙葬は生前契約を推奨しています。

以前までは宇宙葬を行う際、海外の業者に依頼するしか方法がありませんでしたが、最近では日本でも宇宙葬に対応可能な業者が増えてきています。

散骨のメリット

比較的安価で行える

散骨は遺灰を自然に還すため、お墓の購入費用や管理費用がかかりません。

継承者不要

一般的なお墓のように、維持や管理を行うことが無いため、子どもに負担をかけたくない方や継承者がいない方には安心です。

宗教宗派不問

海や山などの自然に還すため、宗教宗派にとらわれず誰でも行えます。

散骨のデメリット

遺骨を回収することができない

遺灰を一度散骨すると、二度と取り戻すことができないので注意が必要です。

家族や親族の理解を得にくい

散骨はまだ認知度は低く、親戚や家族の同意を得ることが難しい場合があります。

特に、先祖代々受け継いでお墓を維持してきた方などは、散骨に対して抵抗感を抱くこともあるので事前にしっかり話し合うことが大切です。

手を合わせる場所がない

散骨を行うと故人に対して手を合わせる特定の場所が無く、寂しく感じる方もいます。
事前に家族や親族と話し合っておきましょう。

散骨時の注意点

散骨を行う際は、正しく行わないと条例や法規制に引っ掛かってしまう場合があります。各自治体でルールが決まっているので、散骨を行う自治体の条例を守って行いましょう。

多くの自治体では、遺骨を2ミリ以下のパウダー状にする必要があります。また、散骨を行ってはいけない場所なども決まっているので事前に確認して行うことが重要です。

また、散骨した遺灰は自然に還るので一度散骨を行うと改めて回収することはできません。

後から、手元に残しておきたい・お墓を建てることになったとしても手元には戻らないので注意が必要です。

最近では、遺灰の一部を手元に残す「手元供養」を行う方も増えています。

散骨は、遺灰を自然に返す考えの供養方法になるため、お墓を建てて代々受け継いでいきたい方にはなかなか理解が難しい場合があります。家族や親族の方には事前に相談して決めましょう。

散骨の流れ

事前相談

散骨を行う前には、家族や親族と事前に話し合い、「散骨を行うこと」・「散骨場所」など決めておくことが重要です。

家族や親族の理解を得たら、散骨業者と事前の相談を行い、「疑問点」「遺骨の取り扱い」「その他注意事項」など確認しておきましょう。

申し込み

1.散骨業者に問合せ
・日時や場所、料金の確認


2.必要書類の提出
・同意書
・依頼者の身分証明書


3.法律で定められた書類の確認
・埋葬許可証:火葬が完了している証明
・改葬許可証:既にお墓に埋葬された遺骨を散骨する場合に必要(地域によっては発行されない場合がある)
・納骨証明書、遺骨引渡証:「改葬許可証」が発行されなかった場合に代わりに墓地管理者が発行する書類

遺骨を業者に引き渡し粉骨

申し込みが完了したら、業者へ遺骨の引き渡しを行います。
遺骨を2ミリ以下にするために行います。専用の機械で行うことが多いですが遺族が自ら行う方法もあります。

当日の流れ

当日に関しては、遺族が立会いのもと行う方法と委託した業者が代行して行う方法があります。

立ち合いの場合は、献花や黙祷などを行い、故人様とのお別れをします。

散骨が完了しましたら、散骨証明書を受け取り終了となります。

まとめ

散骨は自然に還るという埋葬方法で、近年注目されています。
継承者がいない、宗教宗派不問など現在の日本のニーズに合った新しい供養のカタチです。

一方で、家族や親族の理解が得にくい、一度散骨すると回収が困難などの懸念もあります。

散骨を検討する場合は、しっかりと家族や親族と相談し、後悔の無いお墓選びをすることが重要です。

高橋亮

この記事の著者・監修者

株式会社ディライト 代表取締役

高橋亮

葬儀の人材派遣と集客支援の最大手、株式会社ディライトの代表取締役。20歳で葬儀の人材派遣スタッフとして働き始め、独立。以降約20年間、葬儀、お墓業界の「人の困った」と「集客の困った」を解消し続けている。

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株式会社ディライト

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株式会社ディライト

株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。

竹田 勇飛

この記事の編集者

お墓の口コミ編集部

竹田 勇飛

東京都出身。計400社以上の墓石、葬儀会社と繋がりを持ち、お墓ディレクター2級を有している。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。

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