お布施の書き方の基本
まず最初に、お布施の書き方の基本的なルールを確認しましょう。
具体的には、以下のポイントを取り上げます。
● お布施に使う封筒の種類と選び方
● 表書き・裏書の正しい書き方
● お布施の金額を書くときの漢数字のマナー
● 書き間違えた場合の対処法
● 薄墨・筆ペン・ボールペン、どれを使う?
お布施の書き方には、宗派や地域の慣習による違いもありますが、基本的なマナーを押さえておけば迷うことはありません。
各項目ごとに詳しく解説するので、正しい方法を身につけましょう。
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お布施に使う封筒の種類と選び方

基本的には、以下のような封筒が適しています。
1. 白無地の封筒
一般的なのは、郵便番号の記載欄がない白無地の封筒です。宗派や仏事の種類を問わず使えるため、迷ったときはこの封筒を選ぶとよいでしょう。
2. 奉書紙
格式を重んじたい場合は、奉書紙を用いるのが適しています。
奉書紙は和紙の一種であり、正式な場面で使用されることが多いです。
3. 水引のない封筒
お布施には水引が不要とされています。
ただし、地域や宗派によっては水引付きの封筒を使う慣習があるため、事前に確認しておくと安心です。
このように、シンプルで上品な封筒を選ぶことが、お布施のマナーとして大切です。
市販のものでも問題ありません。
ただし、中身が透けて見えるような薄手の封筒は避けましょう。
また、弔事の際は「二重封筒」を避けることがマナーとされています。
これは「不幸が重なることを避ける」という意味があるためです。
表書き・裏書の正しい書き方

お布施の封筒には、表書きと裏書きでそれぞれマナーがあります。
表書きの書き方
①中央上部に「御布施」または「お布施」と記載する
まずは、封筒の表面の中央よりやや上の位置に「御布施」または「お布施」と縦書きで記入しましょう。
②その下に施主の名前を記載する
表書きの下側には、お布施を渡す人の氏名をフルネーム、または「〇〇家」と記入します。
裏書きの書き方
封筒の裏面左下に、施主の住所と金額を縦書きで記入します。
金額は、旧字体の漢数字(大字)を用いて「金〇〇圓也」と書くのが一般的です。
詳しい漢数字の書き方は次の項目で説明します。
これらのマナーを守ることで、丁寧なお布施の準備ができます。
お布施の金額を書くときの漢数字のマナー
お布施の金額を記載する際には、旧字体の漢数字(大字) を使用しましょう。
これは、金額の改ざんを防ぐための配慮でもあります。
具体的な書き方を説明します。
旧字体の漢数字(大字)の一覧
一 | 二 | 三 | 五 | 六 | 七 | 八 | 十 | 百 | 千 | 万 | 円 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
壱 | 弐 | 参 | 伍 | 陸 | 漆 | 捌 | 拾 | 佰 | 阡 | 萬 | 圓 |
金額の記載方法
お布施の金額を書く際は、次のルールに従いましょう。
1.金額の前に「金」を付けます。
2.先ほどの表を参考に、旧字体の漢数字で金額を書きましょう。
3.金額を書いたら、金額の後ろに「圓也」を付けます。
具体的な書き方は以下の通りです。
1万円→金壱萬圓也 5万円→金伍萬圓也 10万円→金拾萬圓也
お布施を丁寧に用意することは、僧侶やお寺に対する敬意を示す大切な行為です。正しいマナーを押さえ、失礼のないように準備しましょう。
書き間違えた場合の対処法
お布施の封筒や中袋に誤って記入してしまった際、修正液や二重線での訂正は避けるのがマナーとされています。修正の跡が残ると、相手に対して失礼にあたると考えられているためです。
新しい封筒や中袋を用意する
誤記入してしまった場合は、新しい封筒や中袋を使い、改めて書き直すのが基本です。
予備の中袋がない場合の対処法
中袋が付属していない場合や、書き間違えてしまった場合は、半紙や白い紙(コピー用紙など)でお金を包んでから封筒に入れると良いでしょう。
もし書き損じてしまった場合も、落ち着いて新しい封筒を用意すれば問題ありません。
ちょっとしたミスは誰にでも起こるものです。慌てずに整え、心を込めてお布施を準備しましょう。
薄墨・筆ペン・ボールペン、どれを使う?
ここでは、薄墨、筆ペン、ボールペンの使い分けについてご紹介します。
薄墨の使用について
お布施を書く際には、薄墨は使用しません。
薄墨は、葬儀や告別式で「涙で墨が薄まった」という意味を持つため、弔事には適していますが、お布施には不向きです。
筆ペンの使用について
お布施の記入には、筆に近い書き味の筆ペンが適しています。
表書きや裏書きには、濃い墨の筆ペンを使用すると、格式があり丁寧な印象になります。
ボールペンの使用について
ボールペンはカジュアルな印象を与えるため、お布施の記入には避けた方がよいでしょう。
もし筆ペンが手元にない場合や、筆で書くのが苦手な場合は、黒のサインペンを代用しても問題ありません。
適切な筆記具を選び、一文字ずつ心を込めて丁寧に記入することが大切です。
【ケース別】お布施の書き方の違いと注意点
お布施の封筒には、中袋(内袋)が付いているものと、付いていないものがあります。
お布施の封筒の書き方は、封筒の種類や中袋の有り無しによって少しずつ違いがあるのです。
この章では、以下のポイントについてわかりやすく解説します。
● 【中袋なし】封筒の書き方・金額の記入方法
● 【中袋あり】表書き・中袋・裏書のルール
● お布施の「名前」は誰の名前を書く?喪主・家族連名のルール
● お布施の封筒に住所は書くべき?
中袋の有無によって、金額や名前の記載方法が異なるため、それぞれの書き方をしっかり押さえておくことが大切です。
それぞれのケースに合わせたマナーや注意点を詳しくご紹介していきます。
【中袋なし】封筒の書き方・金額の記入方法

中袋なしの封筒を使用する場合の封筒の書き方について、正しく理解しておきましょう。
1.表書き(表面)
まず、封筒の中央上部に「御布施」または「お布施」と縦書きで記入します。その下に、施主の名前をフルネーム、または「〇〇家」と書きましょう。
2.裏書き(裏面)
文字が完全に乾いたら、封筒を裏返します。
左下の端に、「金〇〇萬圓也」のように金額を記載しましょう。
金額の書き方については、「お布施の金額を書くときの漢数字のマナー」を参考にしてください。
金額を記入したら、その右側に施主の住所を縦書きで書きます。
中袋を使用しない場合は、封筒の裏面に必要な情報をしっかり記入することで、正式なお布施として適切に扱われます。
詳しくは、画像を参考にしてみてください。
【中袋あり】外袋・中袋の記入方法

お布施の封筒に中袋(内袋)が付いている場合の記入方法と気をつけるポイントをご紹介します。
外袋の記入方法
外袋に記載するのは、表面のみです。
まず、封筒の中央上部に「御布施」または「お布施」と縦書きで記入します。
その下に、施主の名前をフルネームで書くか、「〇〇家」と記載します。
中袋の書き方
1.表書き
中央部分に縦書きで金額を記入しましょう。
金額を書くときは「金〇〇萬圓也」といった旧字体の漢数字(大字)を使用します。
2.裏書き
文字が乾いたら封筒を裏返し、左下に施主の住所と氏名を縦書きで記載しましょう。
郵便番号や電話番号を併記すると、より丁寧な印象になります。
詳しくは画像を参考にしてみてください。
お布施の「名前」は誰の名前を書く?喪主・家族連名のルール
お布施の封筒には、誰からのものかを明確に示すための記入ルールがあります。
状況に応じた適切な書き方を紹介しますので、迷った際の参考にしてください。
1.喪主(施主)が個人で渡す場合
封筒の表面中央下部に、喪主(施主)の氏名をフルネームで縦書きします。
2.家族全員の連名で渡す場合

・3名までの場合
それぞれの氏名をフルネームで縦書きします。
目上の人から順番に書くのがマナーです。
・4名以上の場合
代表者の氏名をフルネームで記載し、その左横に「外一同」と添えるのが一般的です。
全員の氏名を記載した別紙を同封すると、より丁寧な印象になります。
3.家名で渡す場合
封筒の表面中央下部に「〇〇家」と書きます。
お布施の封筒に住所は書くべき?
お布施の封筒に住所を書くかどうかは、中袋(内袋)の有り無しや地域の習慣によって異なります。「書いたほうがいいの?」と迷ったときは、以下を読んで参考にしてみてください。
1.住所を記載するメリット
住所が書かれていると、誰からのお布施かがはっきり分かるため、寺院側の記録管理や後日の連絡がスムーズです。
また、住所を記載しておくことで、施主の丁寧さや礼儀正しさが伝わります。
2.記載しない場合の注意点
必ずしも住所の記載が必要とは限りませんが、地域や寺院によっては書いたほうが良い場合もあります。
あらかじめ、僧侶に確認しておくと安心です。
お布施の準備においては、相手への気遣いが大切です。マナーを守りながら、心を込めて用意しましょう。
【宗教別】お布施の書き方

この章では、以下の宗教・宗派ごとのお布施の書き方をわかりやすく解説します。
● 仏教のお布施の書き方
● 神道のお布施の書き方
● キリスト教のお布施の書き方
● 特定の宗教がない場合のお布施のマナー
それぞれの宗教や宗派には、独自の考え方やしきたりがあります。基本的なルールを知っておけば、安心してお布施を準備することが可能です。この機会に、適切なお布施の書き方を身につけておきましょう。
仏教のお布施の書き方
お布施の表書きは、仏教の宗派によっても違いがあります。
ここでは、浄土真宗の場合とその他の仏教宗派の場合に分けて説明します。
浄土真宗の場合
・表書きは「お布施」または「御布施」のみ
「御礼」「御経料」「御回向料」などは使いません。
浄土真宗は、阿弥陀如来の本願を信じ、念仏を称えることで救済されると説く宗派です。そのため、お布施は僧侶に対する謝礼ではなく、仏法への感謝の気持ちをあらわすものとされています。
その他の仏教宗派の場合
・表書きは「お布施」「御布施」が基本
ただし、地域や寺院の慣習によっては、「御礼」「御回向料(ごえこうりょう)」「御経料」以下の表記も使われることがあります。
神道のお布施の書き方
神道では、仏教の「お布施」とは異なり、神職への謝礼として「御礼」や「御祭祀料」といった名目で金銭をお渡しします。
封筒の選び方
封筒は白無地のものを使用しますが、仏教で使用される蓮の花が描かれたものは避けましょう。
また、神道では水引を用いることもあります。
黒白や双銀の結び切りの水引が一般的とされています。
名前や住所の記載方法
仏教の場合と変わりません。
中袋を使用する場合、表面には旧字体の漢数字(大字)で金額を記載し、裏面には施主の住所と氏名を縦書きで記載します。
施主の氏名は封筒の中央下部にフルネームで記載し、家名で渡す場合は「〇〇家」と書くことも可能です。
神道の儀式における謝礼は、仏教とは異なる点が多いため、神道のマナーに則った準備を心掛けることが大切です。
キリスト教のお布施の書き方
キリスト教では、仏教の「お布施」に当たるものとして、教会や司祭、牧師への謝礼があります。
「献金」や「御礼」と呼ばれ、表書きや封筒の選び方に特有のマナーが存在します。
表書き
・教会宛ての場合
封筒の中央上部に「献金」と記載します。 カトリックの場合は「御ミサ料」でも良いでしょう。
・司祭(神父)や牧師個人宛ての場合
「御礼」や「謝礼」と記載するのが一般的です。
・その他
キリスト教の場合は、オルガニストにも「謝礼」をわたします。
封筒の選び方
白無地の封筒を使用します。
仏教的な蓮の花のデザインが入ったものは避け、十字架や百合の花がデザインされたキリスト教専用の封筒を使用してもよいでしょう。
記載内容
封筒の表面中央上部に「献金」または「御礼」と記載し、その下に施主の氏名をフルネームで縦書きします。
キリスト教の献金や御礼は、個人の信仰に基づいて行われるものであり、教会や司祭、牧師への感謝の気持ちを表すものです。
特定の宗教がない場合のお布施のマナー
無宗教の場合は、僧侶に読経をお願いすることがないため、お布施を用意する必要はありません。
ただし、無宗教の場合でも、式場を使用する場合は式場の使用料やスタッフの人件費が必要です。
お布施を用意する必要はありませんが、その他の必要な費用についてしっかり把握し、適切に準備を進めましょう。
お布施の金額相場はいくら?ダメな金額はある?
お布施の金額は、法要の種類や地域、宗派によって違います。
どのくらい包めばよいのか迷うこともありますよね。
この章では、以下のポイントについてわかりやすく解説します。
● 法要ごとのお布施の相場と追加費用
● お布施で避けたほうがよい金額とその理由
● 【菩提寺がある場合】お布施の相場と尋ね方
● 【僧侶を手配する場合】お布施の相場
一般的なお布施の金額の目安を知っておくことで、失礼のない形で感謝の気持ちを伝えることができます。
次の項目では、それぞれのケースに応じた相場について詳しく説明していきますので、参考にしてみてください。
法要ごとのお布施の相場と追加費用
お布施の金額は、法要の種類や地域、寺院の慣習によって違います。ここでは、一般的な相場をご紹介します。
通夜・葬儀・告別式のお布施
通夜や葬儀・告別式の際にお渡しするお布施は、10万円~50万円程度が目安です。
この中には、読経料や戒名料が含まれることが多く、戒名の位によって金額が変わることもあります。
四十九日法要のお布施
四十九日法要は、故人が亡くなってから49日目に行う大切な法要です。
お布施の相場は、3万円~5万円程度とされています。
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納骨法要のお布施
納骨法要は、故人の遺骨をお墓や納骨堂に納める際に行う法要です。
お渡しするお布施は1~5万円程度です。
四十九日法要や一周忌法要と一緒に行われることもあります。
一周忌法要のお布施
一周忌法要(亡くなって1年目の法要)では、3万円~5万円程度のお布施を包みます。
三回忌以降の法要のお布施
三回忌以降の年忌法要では、1万円~5万円程度が目安です。
地域や寺院の慣習によって金額が異なることもあるため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
御車料と御膳料について
法要の際に、僧侶へお渡しするお布施とは別に、以下の費用を用意することがあります。
これらのお金は、お布施とは別の封筒で準備します。
・御車料
僧侶が法要の会場へ来る際の交通費として、お布施とは別にお渡しします。
相場は5,000円~1万円程度です。
・御膳料
僧侶が法要後の会食を辞退された場合に、食事代としてお渡しします。
相場は5,000円~2万円程度です。
【菩提寺がある場合】お布施の相場の尋ね方
寺院に直接尋ねる
お布施の金額について、寺院に直接確認することは決して失礼にはあたりません。
「お気持ちで結構です」と言われることもありますが、その場合は、
「一般的にはどのくらいのお布施をお渡ししていますか?」
と具体的に尋ねると、目安を教えてもらえることが多いです。
檀家総代や地域の方に相談する
菩提寺がある場合、檀家総代(寺院の代表的な信徒)や地域の方々が、過去の事例や慣習を知っていることがあります。
このような方々に相談することで、その地域や寺院に合った適切なお布施の金額を知ることができます。
葬儀社に相談する
もし、直接寺院に尋ねるのが気が引ける場合は、葬儀社に相談するのも一つの方法です。
葬儀社は地域の寺院との関わりが深いため、適切な金額の目安を教えてもらえることがあります。
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【僧侶を手配する場合】お布施の相場
菩提寺がない場合や、特定のお寺とのお付き合いがない場合、僧侶派遣サービスを利用して葬儀や法要をお願いすることができます。
ネットで「僧侶手配」と検索すると、いろいろな派遣サービスのお布施の料金を確認することができます。
通常の相場より安いケースが多いですが、サービス内容にどのようなものが含まれているか、しっかり確認した上で手配を行いましょう。
チェックポイントは以下のとおりです。
✓基本料金に含まれるサービス範囲
✓故人や遺族の希望する宗派への対応
✓御車代や御膳料などの追加費用
✓住んでいる地域に派遣が可能か
お布施で避けるべき金額とその理由
お布施の金額を包むときには、縁起を考えて特定の数字を避けるのがマナーとされています。
これは、日本の文化や習慣に基づくもので、以下のような数字に注意が必要です。
避けるべき金額
「4」は「死」を、「9」は「苦」を連想させるため、これらの数字を含む金額は避けるのが一般的といわれています。例えば、4万円や9万円などです。
具体的な金額設定の例
3万円、5万円、7万円などの奇数金額が好まれる傾向があります。ただし、地域や宗派によって異なる場合があるため、事前に確認することが重要です。
お布施は、気持ちを伝えるものなので、適切な金額を選び、丁寧に準備しましょう。
また、地域や寺院の慣習によって異なる場合がありますので、事前に確認することが望ましいです。
お布施の包み方と渡し方のマナー
奉書紙の包み方と折り方

お布施を包む際、最も正式とされるのが奉書紙を用いる方法です。以下に、図解とともに奉書紙を使った包み方と折り方の手順を説明します。
①奉書紙を平らな場所に広げ、角が上部にくるように菱形に置きましょう。
➁奉書紙の中央にお札を置いてください。お札の肖像画が上向きになるようにし、全てのお札の向きを揃えます。
③奉書紙の右側の角を中央に向かって折り、お札を覆います。
④次に、下の角を上に折り上げましょう。
⑤左側の角を中央に向かって折り、さらにお札を包み込みます。
⑥最後に、上の角を下に折り下げて包んだら完成です。
このようにして奉書紙でお布施を包むことで、丁寧な印象を与えることができます。
ただし、奉書紙が手に入らない場合は、白無地の封筒を使用しても問題ありません。
お布施を袋に入れる向きとマナー
お布施を封筒や奉書紙に包む際には、お札の向きや入れ方にも注意が必要です。
また、新札を使用するべきかどうかも、正しいマナーを理解しておくことが大切です。
お札の向き
お札を封筒に入れる際は、肖像画が表側(上向き)になるようにします。
これは、お布施が感謝の気持ちを込めて丁寧に準備されたものであることを示すためです。
仏式の香典などでは肖像画を下向きにすることが多いですが、お布施の場合は逆になります。
新札を使うべきか?
お布施には、基本的に新札を使用するのが望ましいとされています。
これは、事前に準備をしておくことで、僧侶や寺院への敬意を示す意味があるためです。
新札が手元にない場合でも、できるだけ綺麗なお札を使用しましょう。
お布施の正しい渡し方

お布施を渡す際のマナーも重要です。
以下に、正しい渡し方の手順を説明します。
1.お布施を袱紗に包んで持参します。袱紗は、弔事の場合、紫や紺色などの落ち着いた色を選びましょう。
2.お布施を渡す際、直接手渡しするのは避け、切手盆(小さなお盆)に載せて渡すのが正式なマナーです。切手盆がない場合は、袱紗の上にお布施を載せて差し出します。
3.お布施を渡す適切なタイミングは、法要や葬儀の前後です。具体的には、僧侶が到着した際の挨拶時や、法要後の会食前などが一般的です。
4.お布施を渡す際には、「本日はよろしくお願いいたします」や「どうぞお納めください」といった感謝の言葉を添えると良いでしょう。
これらのマナーを守ることで、相手に対して失礼のない丁寧な対応ができます。
やってはいけないNGマナー
お布施を渡す際、以下の点に注意しましょう。
・直接手渡しする
お布施を直接手渡しすることはマナー違反とされています。必ず切手盆や袱紗に載せて渡しましょう。
・不適切な封筒を使用する
郵便番号欄がある封筒や装飾のある封筒は避け、無地の白封筒を使用します。
そもそもお布施の役割とは?
お布施は、仏教において僧侶や寺院を支え、仏法の発展に貢献する重要な行為です。
これは、単なる金銭のやり取りではなく、「布施行(ふせぎょう)」と呼ばれる仏教の実践の一つであり、施しの精神を表しています。
仏教では、布施には三つの種類があります。
財施(ざいせ):金銭や物品を寄進する行為であり、お布施もこの一種です。
法施(ほっせ):仏の教えを広める行為です。
無畏施(むいせ):他者の不安を取り除く行為を指します。
お布施は、僧侶の生活を支え、修行や寺院運営のための資金として役立てられます。
特に、檀家制度が機能している寺院では、檀家からの定期的なお布施が寺院の維持に不可欠です。
一方で、檀家制度に属さない人でも、法要や葬儀の際に僧侶の読経に対する感謝の気持ちとしてお布施を渡すのが一般的です。
また、お布施には「お金の対価ではなく、感謝の心を示すもの」という考え方が根付いています。そのため、具体的な金額の設定はなく、「お気持ちで」と言われることが多いのです。
お布施を通じて仏教の精神を実践し、僧侶や寺院への感謝を形にすることが、大切な行いです。
よくある質問
お布施と香典の違いはなんですか?
お布施は僧侶や寺院への謝礼、香典は遺族への弔意と経済的支援という意味を持ちます。適切な場面で正しく使い分けることが大切です。
お布施とは
先述の通り、僧侶への謝礼として渡す金銭で、読経や戒名授与などの宗教儀式に対する感謝の気持ちを示します。
香典とは
香典は、弔意を示す意味もあり、葬儀の参列者が持参します。
香典の表書きは「御霊前」「御香典」などが使われることが一般的です。
お布施の封筒、中袋あり・なしはどちらを使うべき?
どちらを選択しても間違いではありませんが、どちらを選ぶべきかは、法要の規模や地域の慣習によって異なります。
格式を重んじる場合や、葬儀・法要の規模が大きい場合は、中袋ありの封筒を使用するのが望ましいです。
一方で、地域の習慣によっては、中袋なしの封筒が一般的に使われることもあります。
どちらを選ぶのがよいか迷ったときは、寺院や葬儀社に相談すると安心です。
お布施の封筒は〆たほうがいいですか?
お布施の封筒は、封をしないのが一般的なマナーとされています。
ただし、金額が多いと封が開きやすくなるため、軽く糊付けする場合もあります。
迷ったときは、あらかじめ寺院に確認するか、のり付けせずに封筒のフタを軽く折り込む形にしておくと安心です。
まとめ
お布施の書き方やマナーには、宗派や地域による違いがありますが、基本的なポイントを押さえておくことで、適切な対応が可能となります。
● お布施の表書きには「御布施」または「お布施」と記載する
● 封筒は白無地のものを使用し、中袋の有無は状況に応じて選ぶ
● お札は新札を使用し、肖像画を上向きにする
● お布施を渡す際は、袱紗に包み、切手盆に載せるのが正式なマナー
お布施は僧侶や寺院への感謝の気持ちを形にするものです。基本のマナーを押さえれば、失礼にあたることはありません。迷ったときは、事前に寺院や葬儀社に確認すると安心です。正しいマナーを守り、気持ちよくお布施をお渡ししましょう。