位牌を置ける納骨堂は「仏壇式納骨堂」「ロッカー式納骨堂」の2つだけ

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「納骨堂に自宅の位牌を置けるか」で悩んでいませんか?実は納骨堂の種類によって、位牌の扱いは大きく異なります。

結論、位牌を常時安置できる納骨堂は、仏壇式納骨堂とロッカー式納骨堂の2つだけです。
本記事では、仏壇式とロッカー式の「費用相場」「事前の確認ポイント」について解説します。

〈この記事を読むとわかること〉
● どの納骨堂なら位牌を置けるのか
● 仏壇式とロッカー式それぞれの費用相場
● 契約前に必ず確認すべきポイント

お墓の口コミ監修者:株式会社ディライト 代表取締役 高橋亮
著者・監修者
株式会社ディライト 代表取締役
高橋 亮

葬儀の人材派遣と集客支援の最大手、株式会社ディライトの代表取締役。20歳で葬儀の人材派遣スタッフとして働き始め、独立。以降約20年間、葬儀、お墓業界の「人の困った」と「集客の困った」を解消し続けている。

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お墓の口コミ編集者:お墓ディレクター2級 竹田勇飛
編集者
お墓ディレクター2級
竹田 勇飛

東京都出身。計400社以上の墓石、葬儀会社と繋がりを持ち、お墓ディレクター2級を有している。消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。

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仏壇式納骨堂とロッカー式納骨堂は位牌を置ける

納骨堂には以下の5つのタイプ(種類)があります。
1. 自動搬送式納骨堂
2. 位牌式納骨堂
3. 墓石式納骨堂
4. 仏壇式納骨堂
5. ロッカー式納骨堂

5種類の中で、位牌を置ける納骨堂は、基本的に「仏壇式納骨堂」と「大きめのロッカー式納骨堂」だけです。下表に納骨堂のタイプ別に位牌が「置けるかどうか?」「注意点」をまとめました。

位牌を置ける納骨堂は「仏壇式納骨堂」「ロッカー式納骨堂」の2つだけ

仏壇式納骨堂|位牌も遺骨も一緒に置ける

仏壇式納骨堂の内部写真

仏壇式納骨堂は、確実に位牌を置くことができます(位牌と遺骨を一緒に安置できる)。
仏壇式納骨堂は各区画が小さな仏壇のような形になっており、ご本尊、位牌台、骨壷を置くスペースが標準装備されています。そのため、自宅で使っていた位牌をそのまま持ち込んで安置することができます。

仏壇式納骨堂での位牌の置き方

仏壇式納骨堂では、扉を開けると中に位牌台があり、そこに位牌を安置します。位牌の下には骨壷を収めるスペース(カロート)があり、お線香や花などのお供え物も一緒に置けることが多いです。

仏壇式納骨堂の費用相場

仏壇式納骨堂の初期費用の相場は30万円〜80万円程度です。]

「お墓の口コミ」の調査データでは、仏壇式納骨堂を購入した方の24.9%が「50〜70万円未満」、19.8%が「70〜100万円未満」を支払っています。
立地や設備、管理費などによって価格は変動しますので、複数の施設を比較検討するとよいでしょう。

位牌のサイズ制限は必ずチェック

仏壇式納骨堂を契約する前には、置くことができる位牌の寸法を必ずチェックしましょう。

仏壇式納骨堂を契約する前のチェック事項
1. 位牌のサイズ制限はあるか
2. 初期費用、年間管理費はいくらか
3. 合祀されるまでの期間
4. お参りの制限(時間、回数など)
5. お供え物の制限

「お墓の口コミ」の調査では、仏壇式納骨堂を購入した後の想定外のこととして「思ったより費用がかかった」と回答した方が16.9%、「墓参ルールが厳しかった」と回答した方が16.1%でした。
事前にルールをしっかり確認しておくことが大切です。

ロッカー式納骨堂はサイズ次第で位牌を置ける

位牌台付き大型ロッカー式納骨堂の内部写真

ロッカー式納骨堂は位牌台付きを選べば位牌を安置できます。

ロッカー式納骨堂での位牌の置き方

ロッカー式納骨堂は扉を開けると中に骨壷を収納するスペースがあります。標準的なサイズのものでは位牌を置くスペースがないことが多いですが、大型タイプや位牌台付きのロッカーを選べば、位牌も一緒に安置することが可能です。

ロッカー式納骨堂の費用相場

ロッカー式納骨堂の費用は、サイズや立地によって大きく異なります。位牌も置けるような大型タイプでは、30万円〜70万円程度が相場です。

東京都内のある大型ロッカー式納骨堂では、内寸が高さ30cm×幅25cm×奥行30cmの区画が用意されており、一般的な位牌(高さ20cm前後)を置くことができます。また、位牌台付きタイプは追加費用5万円程度で選べる施設もあります。

「お墓の口コミ」の調査では、ロッカー式納骨堂の購入金額として「30〜50万円未満」が22.1%と最も多く、次いで「50〜70万円未満」が19.6%となっています。

事前に確認すべきこと

ロッカー内に位牌を安置したい方は、以下の3つを確認しましょう。
1. 施設のルール: 施設が位牌の常設を認めているか
2. ロッカー内の寸法: 位牌が収まるサイズか
3. 位牌台の有無: 専用の位牌台が設置されているか

どんなに大きなロッカーであっても、そもそも施設のルールで位牌の常設が禁止されていれば置くことはできません。必ず事前に確認しましょう。

ロッカー内の寸法は、契約前の見学時にメジャーを持参して直接測定するのが確実です。可能であれば実際に使う位牌を持参して、収まり具合や見栄えを確認するのもおすすめです。実物を見ながら検討することで、後悔のない選択ができます。

「お墓の口コミ」の調査によると、ロッカー式納骨堂を選んだ理由として「管理が容易」が54.0%と最も高く、次いで「費用を抑えられる」が47.9%となっています。ロッカー式は管理のしやすさと適度な費用のバランスが取れたタイプと言えるでしょう。

他のタイプの納骨堂での位牌の取り扱いについて

墓石式納骨堂、位牌式納骨堂、自動搬送式納骨堂では位牌の取り扱いがそれぞれ異なります。

墓石式は位牌台があれば参拝時に位牌を置ける

墓石式納骨堂は、多くの場合、墓石の前に位牌台が設けられています。この位牌台があれば、少なくとも参拝時に位牌を置いて供養することが可能です。

中には位牌を常時置いておくことも許可している施設もあります。とはいえ、施設ごとに位牌の取り扱いルールは異なりますので、契約前に「常時置いておけるのか」「参拝時だけ置けるのか」を必ず確認しましょう。

位牌台が設けられていない墓石式納骨堂では、一時的に位牌を墓前に置くことさえ禁止している場合もありますので、特に注意が必要です。

位牌を常時安置できる場合の費用相場は50万円〜100万円程度です。

位牌式納骨堂に置かれる位牌は施設が新調

位牌式納骨堂では、施設側が用意した統一デザインの寺位牌を使用します。
寺位牌とは、お寺で管理される位牌のことで、一般的に黒檀や紫檀などの高級木材で作られ、宗派の作法に沿って制作されます。
位牌式納骨堂では、遺骨は別の場所に保管され、個人の位牌は持ち込めないケースがほとんどです。

自動搬送式納骨堂は位牌持ち込み不可が多い

ほとんどの自動搬送式納骨堂では位牌の持ち込みを禁止しています。
施設によっては特別な法要の際にのみ一時的な位牌の持参を許可する場合もありますが、きわめて限定的です。

FAQ(よくある質問)

納骨堂に置ける位牌のサイズ制限はありますか?

多くの納骨堂では、位牌のサイズ制限があります。
仏壇式や大型ロッカー式の場合、一般的な制限は高さ30cm以内、幅20cm以内程度です。契約前に必ず確認しましょう。

自宅の位牌を納骨堂に移す際の閉眼供養は必要ですか?

位牌を別の場所に移す場合、一旦閉眼供養を行い、新しい場所で再び開眼供養を行うのが一般的です。
これについては、お寺や納骨堂の管理者に相談するとよいでしょう。

寺位牌を作る費用はいくらくらいかかりますか?

寺位牌の費用は素材や大きさによって異なりますが、一般的に3万円〜10万円程度です。
黒檀や紫檀などの高級素材を使用すると、さらに高額になることもあります。

ミニサイズの位牌を新しく作れば、どんな納骨堂でも置けますか?

残念ながら、ミニサイズの位牌でも置けない納骨堂タイプがあります。
位牌式や自動搬送式では施設のルール上、個人の位牌を置くこと自体ができないケースがほとんどです。

自宅の位牌と納骨堂の位牌を両方維持することはできますか?

可能です。
多くの方が自宅に元の位牌を残し、納骨堂用に新しい位牌を作成します。ただし、宗派によっては考え方が異なる場合もありますので、菩提寺に相談することをおすすめします。

まとめ

既にお手元にある位牌を納骨堂に置けるかどうかは、納骨堂のタイプによって大きく異なります。

仏壇式納骨堂:位牌と遺骨を一緒に安置できる(初期費用相場:30〜80万円)
ロッカー式納骨堂:位牌台付きのものを選べば安置可能(初期費用相場:30〜70万円)
墓石式納骨堂:位牌台がある場合は参拝時の一時安置が可能な場合が多い(初期費用相場:50〜100万円)
位牌式納骨堂:施設提供の統一寺位牌を使用、自宅位牌の持ち込みは不可
自動搬送式納骨堂:ほとんどの施設で位牌の持ち込み自体を禁止

納骨堂選びでお悩みの際は、複数の施設を見学し、位牌の扱いについても詳しく質問してみましょう。
可能であれば実際の位牌を持参して確認するのがベストです。
実際に見ることで、イメージと実際の違いが分かり、後悔のない選択ができるはずです。

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