樹木葬で起こりやすいトラブル11選
樹木葬は、自然に還る埋葬方法として注目されていますが、事前の準備や確認が不十分だと、さまざまなトラブルが発生することがあります。
以下では、主なトラブル事例を紹介し、それぞれの原因と解決策を詳しく解説します。
①不便な立地にありお墓参りが難しい
樹木葬地は、自然豊かな環境を重視して選ばれることが多く、都市部から離れた場所にあることが多いです。
そのため、交通アクセスが悪く、家族や親族にとってお参りが難しいという問題が発生します。
特に高齢の親族や車を持たない方にとっては、立地の不便さが大きな負担となります。
原因
自然を優先する傾向が強いため、交通利便性が考慮されていない場所が選ばれることが多いです。
公共交通機関でアクセスできない場合、タクシーや車が必須となることがあります。
解決策
契約前に現地を訪問し、最寄りの駅やバス停からの距離や交通手段を確認しましょう。
高齢者や小さな子どもがいる場合は、徒歩での移動が可能かどうかを確認することも大切です。
また、駐車場の有無や利用可能時間もチェックしておくと、後々のトラブルを防げます。
➁手入れがされずに荒れて見える
樹木葬地の管理が不十分だと、雑草が生い茂ったり、シンボルツリーが枯れてしまうことがあります。
このような状態になると、美しい自然環境を期待して樹木葬を選んだ家族にとって、大きな失望に繋がってしまう可能性があります。
原因
運営側の人手不足や、管理費用の不足が原因で、適切なメンテナンスが行われていないことが多いです。
解決策
事前に施設を訪問し、植栽の状態や清掃状況を確認しましょう。
過去の利用者からの口コミや評判を調べることで、管理体制がしっかりしている施設を見極めることができます。
契約時には管理費用が適切に設定されているかどうかも確認し、メンテナンスが保証されるプランを選ぶようにしましょう。
③思っていたよりも費用が高額
樹木葬は一般的に「従来型のお墓よりも費用が安い」というイメージを持たれることが多いですが、実際には予想以上の出費が発生する場合があります。
特に初期費用だけでなく、年間管理費や追加オプションの費用がかさむことがあります。
原因
契約時に費用内訳を十分に確認していないため、後から予想外の費用が発生することがあります。
また、費用表記が不透明な施設もあるため、詳細を把握しないまま契約してしまうことが原因です。
解決策
契約前に、初期費用、年間管理費、追加費用などの内訳を細かく確認しましょう。
複数の施設を比較し、料金体系が明確であることを確認することが大切です。
将来的な費用負担を軽減するプランを選ぶことで、安心して利用することができます。
④お供えや献花に制限がある
樹木葬地では、環境保護や火災防止の観点から、線香やお花を供える行為が禁止されている場合があります。
そのため、従来のお墓参りのような供養ができず、困惑する方も少なくありません。
原因
環境を守るためのルールや、防火のための規制が設けられていることが主な原因です。
解決策
契約前に施設の利用規約を確認し、供養に関するルールを把握してください。
禁止されている場合でも、許可されている代わりの手段を提案してもらうことが可能です。
また、家族にとって受け入れやすい供養方法を事前に話し合い、共有しておくと良いでしょう。
⑤個別の区画で永久的に埋葬できない
樹木葬では一定期間が過ぎると、個別の区画が解約され、遺骨が合祀される場合があります。
これにより、永久的な個別埋葬を希望していた方の意向が反映されないケースがあります。
原因
施設の運営方針や土地利用の制約により、個別埋葬の期間が限定されていることが原因です。
解決策
個別区画の利用期間や契約条件を事前に確認してください。
契約時に期間延長が可能かどうかを尋ね、必要に応じて永続利用が保証されているプランを選ぶようにしましょう。
また、利用期間終了後の対応についても確認しておくと安心です。
⑥希望する人数分の埋葬ができない
樹木葬では、区画の広さや施設の方針により、納骨できる人数に制限がある場合があります。
これにより、家族全員を一緒に埋葬したいという希望が叶わないケースが発生します。
原因
区画が小さい場合や、施設の運営方針として一つの区画に埋葬できる人数を制限していることが原因です。
また、家族向けのプランがない施設もあります。
解決策
契約前に希望する人数を施設に伝え、対応可能な区画やプランを確認してください。
家族全員を埋葬できる「ファミリー区画」や広めの区画が用意されている施設を選ぶと安心です。
また、長期的な計画を立て、将来的な埋葬についても考えることが重要です。
⑦どこに埋葬したのかが分からなくなる
樹木葬地で合祀型を選んだ場合、遺骨が他の遺骨と一緒に埋葬されるため、後から埋葬場所が特定できなくなることがあります。
この問題は、家族がお参りする際に大きな障害となります。
原因
合祀型はコストを抑えるために多くの遺骨を一緒に埋葬する形式で、各個人のお墓の目印がないことが多いです。
その結果、埋葬場所の特定が困難になります。
解決策
契約時に合祀型か個別区画型かを確認し、希望に合った形式を選びましょう。
個別区画には目印が設置される場合が多いため、後から特定しやすくなります。
また、埋葬記録をきちんと保存してくれる施設を選ぶことも大切です。
⑧季節によって景観が寂しく見える
樹木葬の景観は季節や天候に大きく影響されます。
特に冬季や植栽が枯れる時期には、理想としていた自然の豊かさが感じられず、寂しい印象を受けることがあります。
原因
シンボルツリーや植栽の種類が四季によって見た目に変化がある場合や、管理が十分でない場合に発生します。
また、期待していた景観と現実が異なることも原因となります。
解決策
契約前に施設を訪問し、季節ごとの景観について説明を受けることが重要です。
また、植栽の種類や管理方法を確認し、季節ごとの変化を受け入れる心構えを持つことも大切です。
⑨ペットと一緒に埋葬できない
ペットも家族の一員と考える方が増える中、ペットと一緒に埋葬したいという希望が叶わない場合があります。
一部の樹木葬地では、法律や施設規則によりペット共葬が認められていません。
原因
日本の法律では、人と動物の遺骨を同じ場所に埋葬することに制約がある場合があります。
また、施設側がペット共葬に対応していないことも原因です。
解決策
ペット共葬が可能な施設を探し、契約前に確認してください。
一部では専用の「ペット共葬区画」を提供している施設もあります。
希望を叶えるために、事前に対応可能な施設の情報を収集することが重要です。
⑩あとから遺骨が取り出せない
樹木葬の合祀型では、一度埋葬すると遺骨を取り出すことができない場合があります。
この問題は、後に改葬を希望する家族にとって大きな障害となります。
原因
合祀型では、多数の遺骨を一緒に埋葬するため、個別の遺骨を取り出すことが物理的に難しいことが原因です。
また、施設の規約で取り出しが認められていないこともあります。
解決策
改葬を視野に入れている場合は、合祀型ではなく個別区画型を選びましょう。
また、遺骨を取り出せる期間や条件について契約時に確認することが重要です。
家族の意向を考慮しながら、将来的な選択肢を残しておくことが大切です。
⑪家族や親族が樹木葬に反対している
樹木葬を選ぶ際、家族や親族の理解が得られず、意見が対立することがあります。
特に従来の墓地や納骨堂を希望する親族がいる場合、話し合いが難航することがよくあります。
原因
樹木葬がまだ一般的でない地域では、従来の墓地が根付いており、新しい埋葬形式に抵抗を感じる親族が多いです。
また、環境保護や費用面の違いに対する認識不足も原因です。
解決策
樹木葬のメリットや費用面の利点、自然に還る意義などを家族や親族に丁寧に説明しましょう。
必要に応じて、施設のパンフレットや見学の機会を活用して理解を深めてもらうことが有効です。
感情的な対立を避け、冷静に話し合いを進めることが大切です。
トラブルを防ぐためのポイント
樹木葬を安心して利用するためには、事前の情報収集と確認が欠かせません。
樹木葬選びの過程で誤った判断を避けるためには、具体的な対策とチェックポイントを押さえておくことが重要です。
以下では、購入前に取るべき行動とそのメリットを解説します。
購入前に現地を見学する
樹木葬を選ぶ際には、必ず現地を訪問し、施設の実際の雰囲気や環境を確認することが大切です。
写真やパンフレットだけでは、現地の立地や管理状況、自然環境のリアルな状態はわかりません。
例えば、交通アクセスの不便さや周囲の環境が自分の希望と合わない場合があります。
現地見学のポイント
現地見学では、施設全体の雰囲気や管理が行き届いているかを確認しましょう。
植栽の状態や墓地の清掃状況、設備の整備具合なども重要なポイントです。
さらに、現地スタッフに直接質問をすることで、気になる点や契約条件をクリアにすることができます。
契約書を細かく確認する
契約書には、埋葬期間や費用、管理内容などの重要な情報が記載されています。
これを見落とすと、後々予期せぬトラブルが発生する可能性があります。
たとえば、個別区画の利用期間が短かったり、管理費が追加で発生したりする場合もあります。
確認ポイント
・埋葬期間:個別区画の利用期間や延長の可否。
・費用の内訳:初期費用や管理費、追加費用があるかどうか。
・管理内容:施設のメンテナンスや植栽の手入れがどの程度行われるのか。
契約書を確認する際は、わからない点や不明瞭な部分を施設スタッフに質問しましょう。
また、複数の施設で条件を比較検討することも有効です。
口コミや評判を調べる
インターネット上の口コミや利用者の体験談は、施設を選ぶ際の貴重な情報源となります。
実際に利用した人の声を参考にすることで、広告やパンフレットではわからない実態を知ることができます。
たとえば、管理状況が悪い、追加費用が多いといった問題点を事前に把握することができます。
確認ポイント
・具体的なトラブル事例や満足度に関する内容。
・過去数年間の評判を確認し、長期間にわたる信頼性を評価する。
・評価が偏りすぎていないかを見極める(ポジティブ・ネガティブ両面を見る)。
また、施設の公式ウェブサイトだけでなく、第三者のレビューサイトやSNSも活用して多角的に情報収集を行いましょう。
現地の雰囲気を直接確かめる前に口コミである程度の絞り込みをすることで、効率的な樹木葬選びが可能になります。
樹木葬を選ぶ際に重要なポイント
樹木葬を選ぶ際には、家族全員が納得できる選択をするために、押さえておくべきポイントがあります。
以下では、立地条件や費用、管理体制など、選ぶ際に重要な基準を具体的に解説します。
立地条件を優先する
樹木葬を選ぶ際には、立地条件が非常に重要です。
アクセスの良さや家族が訪れやすい場所を選ぶことで、将来的にお参りがしやすくなります。
都市型と地方型のどちらを選ぶかも、希望する環境や生活スタイルによって異なります。
都市型の樹木葬地は、公共交通機関でアクセスしやすい場所にあり、頻繁にお参りに訪れたい家族に向いています。
地方型の樹木葬地は自然豊かで静かな環境にあり、より自然と一体化した埋葬を希望する方に適しています。
ただし、地方型はアクセスが不便になることが多いため、車を利用する機会が増える可能性があります。
家族構成や移動手段、頻繁に訪れるかどうかを考慮し、無理なく通える立地を選びましょう。
費用が予算に合っているか
費用面も、樹木葬を選ぶ際に重要なポイントです。
一般的に、樹木葬は従来型の墓地よりも費用が安いとされていますが、具体的な費用は施設やプランによって大きく異なります。
また、初期費用以外にも年間管理費や追加費用が発生する場合があるため、予算とのバランスを慎重に検討する必要があります。
樹木葬の費用相場は、一般的に30万円から100万円程度ですが、個別区画やファミリー区画を選ぶとさらに高額になることがあります。
管理費についても、年間1万円から3万円程度が一般的です。
追加費用が発生する場合もあるため、契約前に費用の内訳を詳細に確認することが大切です。
費用を抑えるコツとしては、複数の施設を比較して、料金体系が明確で無駄のないプランを選ぶことが挙げられます。
管理体制をチェックする
樹木葬地を選ぶ際には、管理体制がしっかりしているかを確認することも重要です。
管理体制が整っていない施設では、景観が損なわれたり、家族がお参りに訪れた際に不快な思いをする可能性があります。
管理が適切に行われている施設では、植栽が健康的に育ち、清掃が行き届いています。
また、施設全体が整然としており、スタッフが親切で丁寧な対応をしていることが特徴です。
契約前に見学を行い、施設の管理状況を自分の目で確認することが重要です。
さらに、永続的に施設が運営される保証があるかどうかも確認しましょう。
施設の運営者の信頼性や実績、財務状況などもチェックポイントです。
特に、新しい施設の場合、長期的に安定して運営されるかを見極めるために、口コミや利用者の声を参考にすると良いでしょう。
樹木葬が向いている人
樹木葬は、自然志向や家族への負担を減らしたい方にとって、理想的な埋葬方法と言えます。
一方で、従来型のお墓を希望する方は、樹木葬が適さないケースもあります。
以下では、樹木葬がどのような人に向いているか、そして向いていない場合の理由について詳しく解説します。
自然志向の方
樹木葬は、「自然に還りたい」という思いを持つ方にとって大変魅力的な埋葬方法です。
シンボルツリーの下に埋葬されることで、自分の遺骨が木々や土に溶け込み、自然の一部になることを感じられます。
また、自然環境の保全や持続可能性を意識する方にも適しています。
樹木葬地は、開発による自然破壊を抑える目的で設けられることが多く、環境への配慮がされています。
自然志向の方が自身の埋葬を通じて環境保護に貢献したいと考える場合、樹木葬はその価値観に合った選択肢と言えます。
ただし、季節や天候によって景観が変化することを理解し、その変化を受け入れられるかどうかも重要なポイントです。
お墓の後継者に悩んでいる方
樹木葬は、従来のお墓に比べて管理の負担が少ないため、お墓の後継者に悩む方にとって理想的な選択肢です。
特に家族や親族が遠方に住んでいる場合や、継承する後継者がいない場合に適しています。
多くの樹木葬地では、施設側が永代供養を提供しているため、遺族に定期的な管理や供養を依頼する必要がありません。
なので、家族に負担をかけることなく、安心して自分の最期を迎えることができます。
費用を抑えたい方
樹木葬は、従来型の墓地に比べて費用を抑えられる場合が多く、コストパフォーマンスを重視する方に向いています。
特に、墓石を必要としないため、初期費用が大幅に削減されるのが大きな特徴です。
一般的な樹木葬の費用は30万円から100万円程度で、これは墓石や土地を購入する従来型の墓地に比べて格段に安い場合があります。
また、管理費も安価で、年間1万円から3万円程度に設定されていることが多いです。
ただし、施設によっては管理費や追加オプション費用が高額になる場合もあるため、事前に費用の内訳を確認することが重要です。
費用を抑えながら、自然志向の埋葬方法を選びたい方にとって、樹木葬は魅力的な選択肢と言えるでしょう。
樹木葬のメリットとデメリット
樹木葬は、自然と共に眠る新しい埋葬方法として注目されていますが、良い点ばかりではありません。
検討する際には、メリットだけでなくデメリットも把握することが重要です。
以下では、樹木葬の長所と短所を詳しく解説します。
メリット3つ
①環境に優しい埋葬方法
➁費用塗担が少ない
③後継者問題の解決
①環境に優しい埋葬方法
樹木葬の最大の魅力は、自然に還ることができるという点です。
墓石を使用せず、シンボルツリーの根元や自然の中に埋葬されることで、環境への負荷を軽減します。
さらに、樹木葬地が自然保護区域の役割を果たすこともあり、自然環境の保全に貢献できる点も評価されています。
また、植樹を伴う樹木葬では、家族が木を育てることで自然とのつながりを実感できるメリットもあります。
このような特徴から、環境問題に関心がある方や自然志向のライフスタイルを大切にする方に支持されています。
➁費用負担が少ない
一般的な墓地に比べ、樹木葬は初期費用や維持費が安く抑えられるケースが多いです。
墓石を必要としないため、購入費用が不要であり、土地の契約も比較的簡易です。
また、永代供養が含まれるプランが多く、長期的な費用負担を軽減できるのも魅力です。
さらに、年間管理費が安価に設定されていることが多く、継続的な負担を心配する必要が少ない点もメリットです。
特に、家族に負担をかけたくないと考える方にとって、樹木葬は経済的にも優れた選択肢と言えます。
③後継者問題の解決
伝統的なお墓の場合、次世代が管理を引き継ぐ必要がありますが、現代では核家族化や少子化により後継者問題が深刻化しています。
一方、樹木葬は施設側が管理を行うため、家族に管理の負担をかけることがありません。
特に、永代供養がセットになっている場合、遺族は供養や管理の手間を考える必要がなく、安心して利用できるのが大きな利点です。
これにより、子どもがいない家庭や単身者にとっても選びやすい埋葬方法となっています。
デメリット3つ
①伝統的な供養ができない
➁景観や環境の変化
③家族の理解が得られない場合がある
①伝統的な供養ができない
樹木葬地では、従来のお墓参りと同じような供養が難しい場合があります。
線香を焚いたり、お花を供えたりといった伝統的な供養行為が禁止されていることが多く、従来型の供養を重視する家族にとっては物足りなさを感じることがあります。
➁景観や環境の変化
樹木葬の景観は季節や天候に左右されます。
例えば、冬には葉が落ちて寂しい印象を受ける場合があります。
また、施設の管理が行き届いていない場合、雑草が生えたり植栽が荒れてしまう可能性もあります。
さらに、合祀型の場合、埋葬場所が特定できなくなることもデメリットとして挙げられます。
このような点を考慮し、施設選びの際には景観や管理状況について十分に確認することが大切です。
③家族の理解が得られない場合がある
樹木葬は新しい埋葬方法であるため、伝統的なお墓を望む家族や親族から反対されることがあります。
特に高齢の親族にとっては、樹木葬の概念が受け入れにくい場合も少なくありません。
また、「自然志向」「簡易な供養」といった特徴が家族の価値観に合わないこともあります。
そのため、契約を進める前に家族全員の意見を聞き、丁寧に話し合うことが不可欠です。
【5ステップ】購入の手順
樹木葬を購入する際は、しっかりとした手順を踏むことが大切です。
思わぬトラブルを避けるためにも、各ステップを丁寧に進め、家族や施設との十分なコミュニケーションを行いましょう。
以下では、樹木葬を購入する際の基本的な手順を解説します。
ステップ1:家族との話し合い
まずは、樹木葬の購入について家族や親族と話し合いを行いましょう。
特に親族間で意見が分かれることがあるため、樹木葬を選ぶ理由や、希望する供養のスタイルについて丁寧に説明することが重要です。
家族の理解が得られないと、後々トラブルになる可能性があります。
樹木葬の特徴やメリット、管理の手軽さなどを共有し、全員が納得できる選択を目指してください。
また、家族の希望や意見も積極的に取り入れることで、満足度の高い決定ができます。
ステップ2:情報収集と候補地の選定
次に、樹木葬を提供している施設について情報収集を行います。
インターネットで検索するだけでなく、口コミサイトやレビューを参考にしながら、信頼できる施設を選びましょう。
ポイント
・アクセスの良さ(家族が訪れやすいか)
・費用(初期費用や年間管理費の内訳)
・管理体制(植栽や景観が適切に維持されているか)
さらに、都市型と地方型のどちらを選ぶかも検討しましょう。
自分や家族のライフスタイルに合った施設を選ぶことで、安心して利用できます。
ステップ3:現地見学
候補地が絞り込めたら、実際に現地を訪れて見学を行いましょう。
写真やパンフレットだけではわからない施設の雰囲気や、管理状況、周囲の環境を確認することができます。
ポイント
・植栽や樹木の健康状態、景観の整備状況
・トイレや駐車場などの施設の充実度
・スタッフの対応(親切で丁寧かどうか)
また、スタッフに対して質問をすることで、不明点や疑問点をクリアにしておきましょう。
特に、費用の内訳や契約条件について詳しく聞くことが重要です。
ステップ4:契約内容の確認と契約手続き
現地見学を経て納得できたら、次に契約手続きを進めます。
この際、契約書の内容を十分に確認してください。
特に以下のポイントは必ずチェックしましょう。
・埋葬期間:個別区画の利用期間や延長の可否
・費用:初期費用、年間管理費、追加費用の有無
・管理内容:施設側がどのようなメンテナンスを行うか
ステップ5:購入後のフォロー
契約が完了した後も、施設との連絡を怠らないようにしましょう。
定期的に施設の管理状況を確認し、必要に応じて問い合わせを行います。
家族にも契約内容や施設の連絡先を共有しておくことで、安心して供養を続けることができます。
また、定期的に施設を訪問し、景観や植栽の状態を確認することをおすすめします。
施設側と良好な関係を築くことで、トラブルのリスクを減らすことができるでしょう。
樹木葬の費用
樹木葬は、一般的な墓地に比べて費用が抑えられることが多いと言われています。
しかし、施設やプランによって費用は大きく異なり、追加費用が発生するケースもあります。
以下では、樹木葬にかかる費用の内訳や、費用を抑えるコツについて詳しく解説します。
一般的な費用相場
・個別埋葬プラン:30万円〜100万円程度
・合祀(合同)埋葬プラン:10万円〜30万円程度
・ファミリー区画プラン:50万円〜150万円程度
この費用には、シンボルツリーやプレートの設置費用、永代供養の費用が含まれている場合が多いです。
ただし、施設によっては管理費やオプション費用が別途必要となる場合もあるため、契約時に詳細を確認することが重要です。
初期費用と追加費用の内訳
●初期費用
初期費用には、埋葬区画の利用料金やプレート設置費用が含まれます。
また、永代供養がセットになっている場合、その費用も初期費用に含まれることが一般的です。
●年間管理費
施設の維持管理にかかる費用として、年間1万円〜3万円程度が設定されている場合があります。
この管理費がかからないプランもありますが、その場合は施設の管理状況を確認することが重要です。
●追加費用
プレートのカスタマイズ、埋葬人数の追加、埋葬式の実施などで追加費用が発生することがあります。
特にファミリー区画の場合、人数が増えると費用が高額になることがあるため注意が必要です。
ペット樹木葬の費用
ペットとの共葬を希望する場合、専用の区画やプランが必要になるため、費用が高くなることがあります。
一般的には以下の費用が目安となります。
・ペット共葬プラン:50万円〜150万円程度(人とペットを一緒に埋葬するプラン)
・ペット専用区画プラン:10万円〜50万円程度
ペット共葬が可能な施設は限られているため、希望する場合は事前に対応可能な施設を調べておくことが重要です。
また、ペット用のプレートや供養費用など、追加費用が発生することがあるため、契約前に確認しましょう。
費用を抑えるためのポイント
1.複数の施設を比較する
同じようなプランでも、施設によって費用に差がある場合があります。
複数の施設で見積もりを取り、費用の内訳を詳しく確認しましょう。
2.シンプルなプランを選ぶ
豪華な設備やサービスが含まれるプランは魅力的ですが、必要以上に費用が高くなることがあります。
自分の希望に合ったシンプルなプランを選ぶことで、無駄な費用を抑えることができます。
3.管理費が無料の施設を選ぶ
管理費が発生しない施設を選ぶことで、長期的な費用負担を軽減できます。
ただし、無料の施設の場合は、管理が行き届いているか事前に確認することが重要です。
4.キャンペーンや割引を利用する
施設によっては、新規申し込み時の割引キャンペーンや特典が用意されている場合があります。
これを活用することで、初期費用を抑えることができます。
樹木葬の基礎知識
樹木葬は、自然に還ることをテーマにした新しい埋葬方法です。
墓石を必要とせず、シンボルツリーや草花のもとに遺骨を埋葬することで、環境への配慮を実現しながら供養を行います。
樹木葬の種類
1.個別埋葬型
個別の区画を設け、シンボルツリーの周辺や個別プレートの下に遺骨を埋葬する形式です。
一人分または家族分のスペースが確保されるため、従来のお墓と近い感覚で利用できます。
2.合祀型
他の方の遺骨と一緒に埋葬する形式で、費用が抑えられるのが特徴です。
ただし、後から遺骨を取り出せない場合が多いため、慎重な検討が必要です。
3.ファミリー型
家族全員を一つの区画に埋葬する形式で、家族の絆を重視する方に人気があります。
利用スペースが広いため、費用が高めになる場合があります。
4.ペット共葬型
人とペットを同じ区画に埋葬する形式です。
ペットを家族の一員と考える方にとって理想的な選択肢ですが、対応している施設は限られています。
埋葬方法
1.直接土に還す方法
遺骨を粉骨して土に直接埋める方法で、環境への負担を軽減します。
この方法は、自然に還りたいという希望を持つ方に適しています。
2.骨壷を使用する方法
骨壷に遺骨を納めたまま埋葬する方法です。
骨壷は土に還る素材で作られる場合が多く、環境への配慮もされています。
3.木や花の根元に埋葬する方法
シンボルツリーや花壇の下に遺骨を埋めることで、自然と共存する供養を実現します。
訪れるたびに自然の美しさを感じられるのが魅力です。
一般墓・永代供養墓・納骨堂との違い
一般墓との違い
樹木葬は、墓石を使用しない埋葬方法です。
一般墓では墓石を購入して建てる必要があり、その費用は数十万円から数百万円にのぼりますが、樹木葬は費用が抑えられるのが特徴です。
また、一般墓は家族や後継者が管理を引き継ぐ必要がありますが、樹木葬は施設側が管理するため、家族に負担をかけません。
さらに、樹木葬では自然の中で供養を行える点が一般墓との大きな違いです。
永代供養墓との違い
永代供養墓と樹木葬は、どちらも施設側が供養や管理を行うため、家族に負担をかけないという共通点があります。
しかし、永代供養墓は合同で遺骨を埋葬する「合祀型」が多いのに対し、樹木葬は個別区画を選ぶことで、遺骨の場所を特定できる場合があります。
また、樹木葬は自然環境の中で供養を行う点が特徴で、永代供養墓のような墓石や建造物ではなく、シンボルツリーや草花が目印になります。
納骨堂との違い
納骨堂は、遺骨を室内で保管し、天候に左右されない安定した環境で供養が行えるのが特徴です。
一方、樹木葬は自然の中で埋葬されるため、四季の移ろいを感じながら供養できる点が異なります。
また、納骨堂は都市部に多く、アクセスしやすい場所にあることが多いですが、樹木葬は郊外や自然豊かな場所にあることが一般的です。
管理の手軽さはどちらも共通していますが、供養のスタイルに違いがあります。
よくある質問
樹木葬は成仏できないの?
樹木葬だからといって成仏できないことはありません。成仏の考え方は、宗教や個人の価値観によって異なります。
樹木葬は自然に還る供養方法として選ばれることが多く、宗教的儀式を省略する場合もありますが、供養の方法として適切に選べば、成仏できないということはありません。
例えば、施設によっては僧侶による読経や供養式を行えるプランが用意されています。
また、永代供養が含まれる樹木葬では、供養が続けられるため安心です。心配な場合は、宗派や習慣に合った施設を選ぶと良いでしょう。
お墓はクーリングオフが適用されますか?
はい、訪問販売や電話勧誘でお墓(墓石)を契約した場合、クーリングオフが適用されます。
招待状や電話で呼び出された場合も、訪問販売と同様にクーリングオフが可能です。
契約書を受け取った日から8日以内であれば、無条件で契約を解除できます。
ただし、自分で霊園や石材店に出向いて契約した場合は対象外です。
まとめ
この記事では
・樹木葬のトラブル事例
・トラブルを防ぐポイント
・樹木葬のメリット、デメリット
・樹木葬の費用
・樹木葬の基礎知識
などを解説してきました。
樹木葬は、自然と共に眠る新しい供養方法として注目されています。
その一方で、契約や選択を誤るとトラブルになる可能性もあります。
この記事を参考に、納得のいく選択をしていただければ幸いです。
樹木葬を通じて、大切な方との絆を自然の中で紡ぎ続けられるよう、心から願っています。
葬儀の人材派遣と集客支援の最大手、株式会社ディライトの代表取締役。20歳で葬儀の人材派遣スタッフとして働き始め、独立。以降約20年間、葬儀、お墓業界の「人の困った」と「集客の困った」を解消し続けている。
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この記事の著者・監修者
株式会社ディライト株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。
この記事の編集者
お墓の口コミ編集部
竹田 勇飛
東京都出身。計400社以上の墓石、葬儀会社と繋がりを持ち、お墓ディレクター2級を有している。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。