浄土真宗におけるお布施の意味と一般的なお布施の意味
浄土真宗におけるお布施は、他の仏教宗派とは異なる意味合いを持っています。
では、具体的にどのように違うのか詳しく解説します。
浄土真宗におけるお布施の意味
浄土真宗では、阿弥陀如来(あみだにょらい)の本願によってすべての人が救われるという「他力本願」の教えが強調されており、自らの修行や行いによって悟りや功徳を得ることを目的としません。
お布施もその思想に基づいて解釈され、僧侶への感謝だけでなく、「阿弥陀如来の救いに対する感謝の気持ちとして納めるもの」とされています。
お布施をすることで、自分たちが仏教の教えを受け続けることができ、その教えによって亡くなった人が幸せになれるよう願うことができるのです。
一般的なお布施の意味
一般的にお布施は、日本の仏教文化に根付いており、僧侶や寺院への感謝や支援、修行や祈りに対する報酬として行われますが、その本来の意義は「無償の施し」にあります。
この無償の施しは「布施(ふせ)」といわれ、主に三種類あります。
●財施(ざいせ):金銭や物資を施すこと。寺院や僧侶へのお金や供物、お花や食べ物などを供えること。
●法施(ほうせ):仏教の教えや知識を分け与え、精神的な施しを行うこと。
●無畏施(むいせ):他者の恐怖や苦しみを取り除く施し。励ましやサポートを行うことで、心の安定や安心を与えること。
このように、仏教修行のひとつとされています。
しかし現代では、葬儀や法要などの際に僧侶が読経をしてくれたことに対して、感謝の意を込めた対価となっています。
その額については宗教や地域、慣習によって異なり、一定の決まりはありません。
浄土真宗のお布施の相場
適切な金額を把握し準備することで、故人への敬意を表し、適切な形で僧侶への感謝を示すことができます。
ここからは、葬儀や法事・法要などの異なる場面でのお布施の金額について具体的な相場を紹介し、初めての方でも安心して準備できるよう解説します。
葬儀でのお布施の相場:10円~30万円
浄土真宗における葬儀でのお布施の相場は、10万円から30万円程となり、枕経から通夜・葬儀まで含めた金額となります。
お勤めをしてくれる僧侶の人数によっても金額が大きく変わってくるので、金額に幅があります。
一般的な葬儀の場合、2人の僧侶にお勤めいただくので、導師のお布施(10万円~30万円)と副導師のお布施(5万円~15万円)を準備する必要があります。
副導師が増えることによって、そのぶんお布施の金額も高額になりますが、最近では家族葬が増え、導師1人にお願いすることも増えてきています。
お布施には決まった金額はないのですが、お寺や地域によって決まっている場合もあるので、お寺や葬儀社に直接確認してみるとよいでしょう。
法事・法要でのお布施の相場:3万円~5万円
浄土真宗における四十九日や一周忌法要など、法事・法要でのお布施の相場は、3万円~5万円程が一般的です。
納骨を一緒に行う場合は、1万円~3万円が納骨の相場となります。
法名(戒名)にかかる費用は不要
他宗派で「戒名(かいみょう)」と呼ばれる、仏の世界における故人の新しい名前のことを浄土真宗では「法名(ほうみょう)」といいます。
他宗派でのお布施とは、【読経料+戒名料】といわれており、浄土真宗ではこの戒名がないので費用がかからないとされています。
法名はにかかる費用は基本的に無料ですが、格式の高い法名を希望する場合には20万円~50万円程の費用がかかります。
この記事の著者・監修者
株式会社ディライト株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。
この記事の編集者
お墓の口コミ編集部
竹田 勇飛
東京都出身。計400社以上の墓石、葬儀会社と繋がりを持ち、お墓ディレクター2級を有している。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。