樹木葬って何?永代供養との違いや種類、メリット・デメリットについても徹底解説!

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空と木

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  • 樹木葬と永代供養の違いについて知りたい方

  • 樹木葬の種類について詳しく知りたい方

  • 樹木葬のメリット・デメリットを知りたい方

樹木葬は、近年注目を集めている新しい供養の形です。

自然の中で眠る樹木葬は、故人が木々や花々に包まれながら安らかな眠りにつく供養方法で、環境にも優しいとされています。

また、金銭面や後継者がいないなどの時代のニーズに合わせて、近年、樹木葬での永代供養を選ぶ方が増えています。

今回の記事では、樹木葬と永代供養の違いや、樹木葬の種類、メリット・デメリットまで詳しく解説していくので、樹木葬での永代供養をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

樹木葬と永代供養の基本知識

樹木葬を考える女性

樹木葬とは、墓標として樹木や花々といった植物を利用するスタイルのお墓のことをいい、樹木や花々の下、もしくは周辺に埋葬することで、自然との調和や共存を実現できます。

しかし、樹木葬はどこでもできるわけではなく、許可を受けている寺院や霊園にて行います。

永代供養とは寺院や霊園が遺骨の管理を行うことで、遺族が墓守をする必要がありません。

永代供養料を支払う仕組みになっており、5年、10年、33年など契約している期間を過ぎると他の遺骨とまとめて埋葬されるのが一般的です。

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樹木葬と永代供養の違い

樹木葬は埋葬方法のことを指しており、永代供養は供養方法の一種です。

樹木葬は許可を受けている寺院や霊園で行うことから、永代供養のひとつに分類されます。

ただし、永代供養は樹木葬以外に納骨堂や墓石なども含まれており、永代供養=樹木葬というわけではありません。

あくまで樹木葬は永代供養の一種だと覚えておきましょう。

樹木葬の種類と埋葬方法

樹木葬には「公園型」「山里型」「ガーデニング型」の主に3種類のタイプがあります。

更に埋葬方法も「合祀(ごうし)型」「集合型」「個別型」の3つの方法があります。

以下では、それぞれの特徴や詳細について見ていきましょう。

樹木葬の種類

①公園型

公園型は、公園のように人工的に整備された墓地を利用する樹木葬のことです。

本格的な大自然の中に還るわけではないものの、シンボルツリーと呼ばれる木や花々の下に埋葬されることで自然との一体化を目指せます。

②里山型

里山型では、山林に遺骨を埋葬します。

自生樹木を利用するほか、新しく樹木葬用の木々を植えるパターンもあり、「自然に還りたい」という希望を満たせる点が特徴です。

ただし、山林という環境が必要になるため、田舎や郊外などのアクセスが悪い場所に位置している傾向にあります。

③ガーデニング型

ガーデニング型は庭園型とも呼ばれ、公園型に比べると規模が小さく、都市部に多い傾向があります。

墓地全体が西洋風の庭園のように整備され、花や低木、樹木が配置されており、明るく開放的な雰囲気で近年注目を集めています。

樹木葬の埋葬方法

①合祀型

合祀型では、1本の木の下にまとめて遺骨を埋葬します。

区画が特に設けられているわけではないので、見ず知らずの人々と一緒に埋葬されるスタイルの樹木葬です。

②集合型

集合型は、1本の木に対して複数の区画を共有するスタイルの樹木葬です。

区画は明確に分けられるので、個人、家族、夫婦などで埋葬できます。

骨壷で安置され、一定の期限後に合祀墓へ移されるケースが多くなっています。

③個別型

個別型では、1つの区画につき1本の木が割り当てられます。

家族や夫婦で埋葬できるものの、1本の木を独占することになるため費用は高額です。

集合型と同様に骨壷で安置され、一定の期限後に合祀墓へ移されるケースが一般的です。

樹木葬での永代供養が向いている人

樹木葬の永代供養は、遺族にお墓の管理を頼みたくない、もしくは頼めないという方に向いています。

霊園や寺院が遺骨を保管するため、永代供養料を納めるだけで遺族への負担をかけることなく遺骨を埋葬できます。

墓石と比べると料金がリーズナブルなケースが多く、お墓にお金をかけたくない場合にもおすすめです。

また、樹木葬は自然と一体化できる埋葬方法であるため、自然環境に囲まれて眠りたいという希望を持つ層からも支持を得ています。

樹木葬での永代供養のメリット

樹木葬の永代供養には、継承が不要、リーズナブルな価格設定、宗教や宗派の縛りがないといったメリットがあります。

ここでは、各メリットについて深堀していきます。

継承の必要がない

自然の中に遺骨を埋葬する樹木葬や永代供養は、霊園や寺院に管理費を支払うだけで利用可能です。

一般的なお墓のように継承させる必要がなく、子どもに負担をかけたくない場合や子どもがいない方にとって大きなメリットとなります。

費用を安く抑えられる

樹木葬での永代供養のメリット2つ目は、価格の安さです。

樹木葬にかかる費用の平均は、一般的に約70万円とされています。

具体的な費用は選ぶ種類によって異なるものの、合祀型では1人あたり5万~30万円、集合型では1区画あたり20万~60万円、個別型は1区画あたり40万~100万円程度です。

公園型と里山型のいずれであっても合祀型、集合型、個別型の中から選ぶ仕組みになっているので、上記の金額が樹木葬にかかるおおよその目安です。

墓石を建てる場合、墓石費用が約60万~200万円、墓地代に約35万~130万円かかります。

樹木葬の方がリーズナブルな価格設定になっているため、経済的な負担軽減に繋がります。

宗教や宗派を問わない場合が多い

一部の寺院を除いて、多くの樹木葬では宗教や宗派を不問としています。

信仰の縛りがないことから、無宗教の方や特定の宗教や宗派に則った埋葬に抵抗意識がある方でも安心です。

樹木葬での永代供養のデメリット

さまざまなメリットがある樹木葬の永代供養ですが、デメリットについても理解しておく必要があります。

樹木葬の永代供養には遺骨を取り出せないほか、粉骨が必須となるケースや樹木の管理状況に関する問題点も挙げられます。

以下で詳細について解説していくので、デメリットを把握した上で考えてくださいね。

遺骨を簡単に取り出せない

樹木葬では、合祀型、集合型、個別型のいずれの種類であっても最終的に合祀墓に移されるケースが多くなっています。

特定の遺骨のみを取り出すことは難しいため、将来的に改葬を希望する可能性がある場合は注意が必要です。

粉骨が必須となるケースもある

墓地のスペースが限られている霊園や寺院では、遺骨の粉骨を条件としている場合もあります。

故人の遺骨を砕くのは精神的・身体的な負担も大きいため、抵抗意識がある際は粉骨の必要がない霊園や寺院を選ぶことが大切です。

霊園や寺院によって樹木の管理にムラがある

樹木の管理は、霊園や寺院が行います。

植物である樹木は適切な管理を行わなければ枯れてしまうため、ずさんな管理やメンテナンスをしている霊園や寺院で埋葬すると荒れ地のような墓地になってしまいます。

「大自然の中で安らかに眠りたい」「美しい自然に還りたい」という希望を満たす上でふさわしくない景観や環境になる可能性も考え、納得した上で樹木葬を選んでくださいね。

樹木葬を選ぶ際の注意点

POINT

樹木葬を選ぶにあたって、押さえておくべきポイントがあります。

樹木葬を選んで後悔しないためにも、ここでは3つの注意点についておさらいしていきましょう。

①費用形態と予算がマッチするか確認する

樹木葬は墓石を建てる場合と比べて安価な傾向にあるものの、選ぶ種類によっては高額になるケースも考えられます。

合祀型、集合型、個別型の順に価格が高くなっており、最も高額な個別型では1区画あたり40万~100万円が目安です。

ただし、オプションを色々と加える場合は相場よりも高額になる可能性が高く、基本料金に埋葬金額がプラスされることも忘れてはいけません。

霊園や寺院によって年間管理費用の有無なども異なるため、樹木葬=無条件に安いわけではないということを覚えておきましょう。

各霊園・寺院の費用形態をしっかりと比較検討した上で、必要なオプションと価格のバランスを確認しておくことが大切です。

②樹木葬の種類と自分のニーズを照らし合わせる

具体的に霊園や寺院を選ぶ前に、まずは自身がどのような樹木葬を行いたいのかを明確にしましょう。

樹木葬では、3種類の埋葬方法と2種類の環境を基準に希望するものを選びます。

合祀型、集合型、個別型、公園型、里山型にはそれぞれ違った特徴があるので、区画が必要か否か、整備された場所と大自然のどちらが自分に合うかなどについて考えることが重要です。

また、中にはペットと一緒に埋葬できるプランを提供している樹木葬もあり、カスタマイズ性の高い樹木葬を叶えられます。

満足度の高い樹木葬を実現するためにも、自身のニーズをあらかじめ書き出した上で対応している霊園や寺院を選択するようにしましょう。

③立地

公園型や里山型は、都市部から離れた郊外に位置するケースが多くなっています。

公共交通機関の便が悪い、車でしかアクセスできない、飛行機の距離にあるといった立地の場合、遺族がお墓参りをすることが難しくなります。

自分自身も下見や契約などで複数回足を運ぶことになるので、料金やオプション内容だけでなく行きやすさについても判断材料にすることが必須です。

よくある質問

樹木葬では、木や花の種類は選べるのでしょうか?

樹木葬では多彩な木や花々を対象としており、自身が埋葬されたい木や花の種類を選ぶことは可能です。

特に桜、モミジ、クスノキ、ポプラ、ツバキ、パンジーなどは樹木葬での需要が高く、さまざまな寺院や霊園で取り入れられています。

尚、管理が難しいものやマイナーな植物に関しては取り扱っていないケースも多いので、事前に寺院や霊園へ確認しておくようにしましょう。

樹木葬の場合、1区画に入れる人数の上限はありますか?

区画が分かれていない合祀型であれば、埋葬する人数の上限はありません。

一方で1区画ごとに契約する集合型や個別型に関する人数制限は、寺院・霊園やプラン内容によってさまざまです。

個人や夫婦用であれば1~2人、家族用であれば4~5人までといった制限を設けているケースもあるものの、中には集合型や個別型であっても上限がない樹木葬も存在します。

尚、もし途中で埋葬したい人数が契約区間分を上回った場合、新たに区画を購入することが多くなっています。

まとめ

樹木葬は自然との一体化を叶えられるだけでなく、遺族への継承の負担軽減や価格帯に関するメリットもあるお墓です。

ただし、墓石や納骨堂にはないデメリットも見られることから、樹木葬について多方面から検討した上で契約することが重要です。

費用形態と予算のバランス、樹木葬の種類と自身のニーズ、アクセスの良し悪しに関しても考え、理想の樹木葬を実現させてくださいね。

株式会社ディライト

この記事の著者・監修者

株式会社ディライト

株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。

竹田 勇仁

この記事の編集者

お墓の口コミ編集部

竹田 勇仁

東京都出身。大学を卒業後葬儀社で勤務。
現場経験を経て、消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。

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