そもそもお彼岸とは?
お彼岸とは、日本の伝統的な行事であり、春分の日と秋分の日の前後3日間を含めた1週間の期間を指します。
1948年に施行された祝日法により、春分の日は自然をたたえ生物をいつくしむ日、秋分の日は祖先をうやまい、亡くなった人々を偲ぶ日と定められています。
お彼岸は、ご先祖様に祈りをささげる大切な時間であり、日本特有の風習です。
「彼岸」という言葉は、ご先祖様が住むとされるあの世を指し、私たちが生きるこの世は「此岸」と呼ばれ、この間に流れる川を「三途の川(さんずのかわ)」と呼ばれます。
お彼岸期間中はこの距離が最も近くなるといわれており、家族でお墓参りをし、ご先祖様に祈りを捧げることで、先人の教えを思い起こす良い機会となります。
お彼岸に花を飾る理由
仏教では一般的に「五供(ごく)」と呼ばれる、【香(お線香)・花・灯明(ろうそく)・浄水・飲食】の5つの基本的なお供え物が重要とされています。
その中の一つの「花」を飾る理由として、
●故人やご先祖様に感謝の気持ちを表すため
●命の儚さや尊さを知るため
●お供えする人の心を清め、豊かにする
など、宗派によっても異なりますが、上記のような理由があるといわれています。
お彼岸にはどのような花を選べばよい?
お彼岸にお供えする花に決まりはありませんが、季節の花や故人が好きだった花、また、できるだけ長持ちする花を選ぶと良いでしょう。
しかし、花を選ぶ際は、それぞれの花が持つ意味やマナーを考慮することが大切とされています。
ここでは、お彼岸にお供えする定番の花から、春・秋のお彼岸におすすめの花を紹介します。
季節問わず定番の花
季節問わず、1年を通して入手できるおすすめの仏花を紹介します。
菊
菊の花は、お供えに用いる代表的な花とされています。
菊は古くから邪気を払うとされており、その長寿の花持ちからも、仏壇や墓前にお供えするのに非常に適しています。
なお、菊は奇数本数で贈るのが良いとされるため、3本や5本などの束で準備するのがマナーです。
ユリ
ユリの花もお供えに選ばれることが多い花です。
特に白いユリは、純潔と尊敬の象徴とされ、仏壇や墓前にお供えするのにふさわしい花です。
また、ユリの美しい香りは、故人への思いをより深いものにしてくれます。
ただし、香りが強すぎる場合は控えめな量にすることもマナーです。
カーネーション
カーネーションもお供えに適した花の一つです。
カーネーションは長持ちするため、お彼岸の期間中、花がしおれずに美しさを保つので、お供え物として非常に適しています。
春のお彼岸におすすめの花
●スイートピー
●アイリス
●スターチス
●ストック
●トルコキキョウ
●フリージア
●牡丹
秋のお彼岸におすすめの花
●ケイトウ
●リンドウ
●キキョウ
●ダリア
●コスモス
●ハギ
お彼岸におすすめの花の色は?
お彼岸のお花の色に決まりはありませんが、故人が亡くなってから四十九日までや、初めて迎えるお彼岸は、白を基調とした色合いの花をお供えすることが多いです。
これを「白上がり」といいます。
四十九日や一周忌以降は、淡い色の花をお供えするのが一般的で、黄色や紫もよく使われます。
あまり派手な色合いにならないように気をつけましょう。
お彼岸に避けたほうがいい花
お彼岸に避けたほうがいい花として、トゲのある花や毒のある花、匂いが強過ぎる花やツルのある花が挙げられます。
下記のような花は避けたほうが良いでしょう。
●椿
●彼岸花
●キンモクセイ
●バラ
●アサガオ
など。
お彼岸の花の飾り方
お彼岸に仏壇やお墓参りでお供えする場合は「左右一対」の花束を用意し、対象になるように飾りましょう。
日本では慶事には奇数がいいとされており、一束の花の本数は3本・5本・7本などの奇数にし、それぞれ同じ花束を一束ずつお供えするのが正式なマナーです。
仏壇にお供えする場合は、そのまま飾れるアレンジメントや、枯れないプリザーブドフラワーも人気です。
お供えの花を長持ちさせる方法
お墓や仏壇にお供えした花は、なるべく長持ちするような配慮が必要です。
まず、お供えする前に花立を綺麗に洗いましょう。
お墓にお供えした花の水を毎日替えるのは難しいかと思いますが、仏壇にお供えした花は毎日こまめに水を替え、その都度、花立も洗いましょう。
また、葉が水に浸かっていると水が汚れやすいので、茎の下の部分についている葉はあらかじめ取り、2日に1回程度、茎の根元から2~3cmのところをハサミでカットしましょう。
そうすることにより、水を吸いやすくなり花まで水が行き渡るため、花持ちが良くなります。
よくある質問
お彼岸にお供えする花は?
春のお彼岸なら「アイリス・ストック・牡丹」、秋のお彼岸なら「ケイトウ・リンドウ・コスモス」などが良いでしょう。
お彼岸のお供えにプリザーブドフラワーを飾ってもいいですか?
お供えする花は、生花ではならないという決まりはなく、プリザーブドフラワーでも造花でも問題ありません。
ただし、プリザーブドフラワーは紫外線に弱いので、お墓などのお供えには向きませんので注意しましょう。
まとめ
今回の記事では、お彼岸にお供えする定番の花から春彼岸・秋彼岸におすすめの花、また、花の飾り方や選ぶ際の注意点などについても詳しく解説しました。
「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように、お彼岸は過ごしやすくなってくる時期でもあります。
今回解説したポイントをおさえ、この機会に家族でお墓参りに行ったり、仏壇に花をお供えして、ご先祖様に感謝の気持ちを伝えましょう。
この記事の著者・監修者
株式会社ディライト株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。
この記事の編集者
お墓の口コミ編集部
竹田 勇仁
東京都出身。大学を卒業後葬儀社で勤務。
現場経験を経て、消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。