お盆の期間と日程
お盆とは、夏の仏教行事であり、地域によって日程が異なりますが、主に7月13日から16日(7月盆)、8月13日から16日(8月盆)に行われることが一般的です。
特に8月盆は全国で広く行われており、最も一般的な日程とされています。
宗派によっても異なりますが、この期間中は「五供(ごく)」といわれる「香・花・灯明・浄水・飲食(おんじき)」をお供えします。
初盆(新盆)の場合でもお供えするものは一緒ですが、より丁寧に、華やかにお飾りやお供えをして供養を行う習慣があります。
お供えの基本【五供(ごく)】とは?
前述したとおり五供とは、仏事にお供えする基本のものとなります。
では、具体的に「香・花・灯明・浄水・飲食(おんじき)」とはどのようなものなのか解説していきましょう。
【香】
【香】はお線香のことをいいます。
仏様はお線香の香りを食べるといわれており、ご飯になるという意味があります。
その他にも、その場所や手を合わせている人とその周りの人の浄化、また、香の煙は祈りを天に届ける象徴ともされています。
【花】
【花】は生花や造花、プリザーブドフラワーのことをいいます。
故人様はお花の香りを好むともいわれています。
本来は生花が良いとされていますが、枯れることがない造花やプリザーブドフラワーを飾る人も近年では増えてきました。
注意点として、日持ちのしない花やトゲのある花、匂いのきつい花は避けたほうが良いでしょう。
お供えにおすすめの花
1年中おすすめの花
・菊
・カーネーション
お盆におすすめの花
・ユリ
・トルコキキョウ
【灯明】
【灯明】はろうそくのことをいいます。
ろうそくの火や光を灯すことで、心の迷いを除き、清浄な状態を保つとされています。
また、ろうそくを消す際は息をふきかけるのはNGです。
手で仰ぐか、ろうそく消しを使って消しましょう。
【浄水】
【浄水】は水やお茶などの飲み物のことをいいます。
仏様の喉が渇かないようにという意味を込めてお供えします。
水は水道水でも良いので毎日取り換えましょう。
また、ジュースやお酒などの故人が好きだったのみものでも良いでしょう。
【飲食】
【飲食】はご飯やお菓子、果物などの食べ物のことをいいます。
食べ物をお供えする注意点として、日持ちするものを選びましょう。
また、「三厭(さんえん)」と呼ばれる肉・魚・卵などの動物性食品や、「五葷(ごくん)」と呼ばれるニンニクやネギなどの刺激物は、お供え物としてはふさわしくありません。
お盆ならではのお供え物
基本的な「五供」の他にも、お盆ならではのお供えを紹介します。
精霊馬(しょうりょううま)
精霊馬は、お盆の時期に仏壇や仏前に供えるものです。
これらは、先祖の霊を迎え、送るために、ナスとキュウリを使って作られた動物の形をした乗り物です。
キュウリの馬は先祖の霊が速くこの世に戻って来られるようにという願いが込められており、ナスの牛はあの世へゆっくりと帰れるようにという願いが込められています。
そうめん
そうめんはその形状から「糸のように細く長く続く」という願いを込めて供えられることが多いです。
この「長く幸せが続くように」という意味合いが、先祖の霊を迎え供養するお盆の趣旨と合致しているのです。
お供えの仕方は地域によっても異なりますが、茹でずに束のまま真菰(まこも)の上に置くか、茹でた状態でお供えします。
精進料理
精進料理は、動物性食品である肉・魚・卵や、刺激があるニンニクやネギなどを避け、野菜中心で作ります。
「御雲供膳(おりょうぐぜん)」という5つの器に盛りつけ、一般的にお供えするお料理として、下記の5つとされています。
①ご飯
②お吸い物・味噌汁
③漬物
④和え物
⑤煮物
作る際に注意するポイント
●汁物を作るときは、動物性食品である鰹節や煮干しは避け、植物性である椎茸や昆布を使いましょう。
●漬物は「見切れ」を連想させないよう、3切れにならないようにしましょう。
おすすめのお供え物
お盆に限らず、お供え物には「消えもの」がいいとされていますが、中でも簡単に小分けできて、常温で日持ちのするお菓子は喜ばれるのでおすすめです。
また、お盆の暑い時期は水羊羹やゼリーなども良いでしょう。
相手の家族構成や好みを配慮し、選ぶことが大切です。
お供えの相場
お供えの相場は、3,000円~5,000円程度のものが一般的です。
初盆の場合は、5,000円~5.000円と少し高くなります。
故人と親しい間柄だった場合、もう少し高めのものを用意する方もいますが、あまりにも高額だと相手にも気を使わせてしまいます。
お供えの「掛け紙」マナー
お盆の時期には、ご先祖様や故人を供養するためにお供え物を贈りますが、その際に必要となるのが「掛け紙」です。
ここからは、掛け紙の表書きの書き方や水引の選び方を紹介していきます。
表書きの書き方
表書きは、「御供物」「御仏前」と記載するのが一般的です。
ただし、初盆(新盆)の場合は「新盆御見舞(にいぼんおみまい)」と記載することもあります。
また、書く際は濃墨を使用しましょう。
水引の選び方
お盆の贈り物には、白黒や黄白の「結び切り」の水引が用いられます。
結び切りは一度結んだらほどけない結び方で、仏事や弔事において「二度と繰り返さない」という意味が込められています。
地域によって水引の色は異なるので、事前に確認しておくと良いでしょう。
誰からいただいたものかわかるように、「外のし」で用意し、名前も記入しましょう。
地域ごとのお供え物の違い
地域によってお供え物の内容も異なる場合があります。
例えば、関東地方では豊富な種類の果物やお菓子を仏壇にお供えするのが一般的です。
また、果物の他に仏花や線香も欠かせません。
しかし、関西地方では、オリジナルの手作り料理を供えることが多く、特に精進料理が重視されます。
さらに、地域によっては夏の暑さを考慮して、プリザーブドフラワーをお供えすることもあります。
このように、地域によってお供え物の選び方も違いがありますので、その土地の習慣や風習を事前によく調べて、適切な贈り物を選ぶことが大切です。
よくある質問
お盆に仏壇にあげるものは何ですか?
お盆のお供えの基本は「五供(ごく)」といわれる、「香(線香)」「花(生花)」「灯明(ろうそく)」「浄水(水)」「飲食(ご飯)」の5つです。
お盆時期に関わらず、五供は仏壇のお供えの基本となります。
お盆のお供えでNGなものは?
日持ちしない食べ物は避けましょう。
また、「三厭(さんえん)」と呼ばれる肉・魚・卵などの動物性食品や、「五葷(ごくん)」と呼ばれるニンニクやネギなどの刺激物は、お供え物としてはふさわしくありません。
まとめ
今回の記事では、お盆のお供えについて詳しく解説しました。
お盆期間中は、仏壇や盆棚に五供を供え、故人様やご先祖様への感謝の気持ちを示すことが大切です。
特に初盆では、特別なお飾りや丁寧な供養を行うことで、故人様への敬意を表しましょう。
正しいマナーを守り、心を込めたお盆を過ごすことで、故人様やご先祖様への敬意を表し、家族や親族との絆も深まることでしょう。
この記事の著者・監修者
株式会社ディライト株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。
この記事の編集者
お墓の口コミ編集部
竹田 勇仁
東京都出身。大学を卒業後葬儀社で勤務。
現場経験を経て、消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。