お彼岸の期間
お彼岸は春と秋に年に2回あり、それぞれ春分の日と秋分の日を中日として、前後3日間を合わせた計7日間の期間で行われます。
2024年の春のお彼岸は3月17日(日)から3月23日(土)で、中日は3月20日(水)です。
また、秋のお彼岸は9月19日(木)から9月25日(水)で、中日は9月22日(日)となります。
この期間にはお墓参りをしたり、お供え物を用意したりしながら先祖供養を行います。
お彼岸の意味と由来
「お彼岸」とは、「彼岸(あの世)」と「此岸(この世)」が最も近づく日とされています。
仏教においては、「此岸(この世)」にある者が「六波羅蜜(ろくはらみつ)」の修行をすることで、「彼岸(あの世)」へ到着することが出来るということを意味しており、「至彼岸(とうひがん)」といいます。
「至彼岸」は元々、サンスクリット語の「パーラミタ」という言葉が語源となっており、般若心経に出てくる「波羅蜜多(はらみた)」は音写語となります。
また、仏教においては、彼岸に至るために波羅蜜多として「六波羅蜜(ろくはらみつ)」と呼ばれる6つの修行に励むとされています。
お彼岸にすることとは?
春のお彼岸も、秋のお彼岸も基本的にすることは一緒です。
しかし、地域や宗派によっては異なる部分もあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。
では、具体的にどんなことをするのか紹介します。
お彼岸にやってはいけないことも以下の記事で紹介しています。
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六波羅蜜(ろくはらみつ)の修行
「六波羅蜜」とは、彼岸に至るための6つの修行のことをいいます。
お彼岸の期間は、浄土へ生まれ変わりたいと願い、下記のことを実践する期間とされています。
●布施(ふせ)・・・見返りを求めず、施すこと。
●持戒(じかい)・・・戒律を守り、正しい行いをすること。
●忍辱(にんにく)・・・苦難に耐え忍ぶこと。
●精進(しょうじん)・・・努力を惜しまず、継続的に励むこと。
●禅定(ぜんじょう)・・・精神を安定させること。
●智慧(ちえ)・・・真実を見極め、判断・処理すること。
また、お彼岸にお墓参りをしたり、お供えをすることも六波羅蜜の一環といえます。
お墓参り・お墓掃除
ご先祖様の供養として、家族そろってお墓参りに行くのが一般的です。
春分の日や秋分の日にあたる、中日に行くのが良いとされていますが、難しい場合はお彼岸中ならいつ行っても良いとされています。
着いたらまず、ご先祖様に挨拶をし、掃除をしましょう。
お墓周りの雑草を取ったり、墓石に水をかけタワシなどで軽くこすって汚れを落とすなど、普段よりもしっかり掃除すると良いでしょう。
仏壇・仏具の掃除
お彼岸を節目として、仏壇と仏具の掃除も念入りにしましょう。
仏具は、洗剤などを使うと色落ちや変色する恐れがあるので、柔らかいタオルで乾拭きすることをおすすめします。
また、最初に置いてあった仏具の配置が分からなくなってしまわないよう、掃除をする前に写真を撮っておくと良いでしょう。
彼岸会(ひがんえ)に参加
お彼岸の期間になると、お寺では「彼岸会(ひがんえ)」と呼ばれる合同法要が執り行われます。
菩提寺(先祖代々のお墓があり、葬儀や法要をお願いするお寺のこと)がある場合は参加すると良いでしょう。
お布施の金額相場
お布施の金額は地域やお寺によって異なるため、一概には言えませんが、一般的には3,000円~10,000円程度が目安とされています。
お布施は白無地の封筒や奉書紙に包みます。
水引は不要で、特に決まりはありませんが、「お布施」や「御布施」と表書きするのが一般的です。
彼岸会に参加する際の服装
礼服を着る必要はありませんが、清潔感のある、黒・紺・グレーなどの落ち着いた色味の服装がおすすめです。
露出の多い服や派手な服、毛皮や本革のジャケットは避けましょう。
【お彼岸】仏壇のお供え物
定番のお供え物から、お彼岸ならではのお供え物を紹介します。
お彼岸は、ご先祖様へ感謝の気持ちを伝える期間でもあるため、普段より豪華にお供えすると良いでしょう。
ぼた餅・おはぎ
お彼岸といったら「ぼた餅」と「おはぎ」を中日にお供えする風習があります。
どちらも、あんこともち米を使って作りますが、牡丹の花が咲く春には「ぼた餅」、萩の花が咲く秋には「おはぎ」と呼ばれています。
大きな違いはありませんが、ぼた餅は牡丹の花をイメージして大きく豪華なもので、一方おはぎは小さな萩の花をイメージした小ぶりのものとされています。
また、ぼた餅は「こし餡」、おはぎは「粒あん」で作られていたり、ぼた餅はもち米をよく潰し、おはぎはあまり潰さず粒が残るようにするといったような違いもあります。
地域によって違いはありますが、ご先祖様を供養するために昔からお供え物として広く用いられています。
彼岸団子
家庭や地域によっても異なりますが、「彼岸団子」と呼ばれるお団子をお供えする風習がある地域もあります。
お団子の積み方や、お供えする時期は地域によって違いがありますが、お彼岸の初日(彼岸入り)にお供えする団子は「入り団子」、最終日(彼岸明け)にお供えする団子は「明け団子」と呼ばれます。
季節の果物
春はイチゴ、秋はぶどうや桃、柿などの旬の果物をお供えすると良いでしょう。
日持ちのするリンゴやオレンジ、メロンなどもおすすめです。
お供えした後は、傷んでしまう前に家族皆で召し上がるようにしましょう。
故人が好きだった食べ物
生前、故人が好きだった食べ物や飲み物をお供えするのも通例です。
ただし、仏教においては肉や魚などの殺生を連想させるもの、においの強いものは避けるのが基本とされています。
精進料理
精進料理はお彼岸やお盆にお供えする料理のことをいい、仏教の教えに基づき、肉や魚を使わずに野菜や穀物、豆類などを中心に作ったものをいいます。
「御料具膳(おりょうぐぜん)」と呼ばれる専用のお膳を使用するとより良いでしょう。
生花
お花は普段からお供えしている家庭も多いかもしれませんが、お彼岸の時期はより盛大にお供えしましょう。
春のお彼岸には「アイリス」や「ストック」、秋のお彼岸には「リンドウ」や「ケイトウ」「コスモス」などがおすすめです。
また、「菊」は1年を通して販売されていますが、秋に旬を迎えるので、秋のお彼岸には是非お供えしてみてくださいね。
選ぶ際には、トゲや毒のあるもの、香りが強いものは避け、故人が好きだったお花を選ぶのも良いでしょう。
お彼岸に贈る定番のお供え物
地域によっては、お彼岸の時期に他家へお供え物を持って行ったり、行けない場合には郵送で送ることもあるかと思います。
定番のお供え物としては、
●お菓子(個包装されたもの)
●線香
●ロウソク
●果物
上記のような日持ちのする、消えものが良いとされています。
他家へのお供えの相場
相手との関係性によっても異なりますが、一般的には3000円~5000円程度とされています。
故人が生前よくお世話になった方の場合は、5000円~10000円程度と通常より高めのものを用意する場合もあります。
ただし、あまり高価なものだと相手にも気を使わせてしまうので注意しましょう。
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よくある質問
お彼岸にすることとは?
お墓参りやお墓掃除、仏壇・仏具の掃除をより丁寧にしましょう。
また、いつものお供え物にプラスし、お彼岸のお供え物の定番、ぼた餅やおはぎをプラスし、いつもより豪華にお供えすると良いでしょう。
これを通じてご先祖様を供養し、感謝することが大切です。
まとめ
今回の記事では、お彼岸にすることや、仏壇のお供え物について詳しく解説しました。
お彼岸は、春と秋の年に2回あり、ご先祖様の供養を行う大切な期間です。
お墓参りやお供え物をするのはもちろん、お彼岸期間だけでも六波羅蜜を意識して過ごしてはいかがでしょうか?
きっと自分自身を見直せる有意義な期間になるでしょう。
この記事の著者・監修者
株式会社ディライト株式会社ディライトは、葬儀業界とお墓業界の「集客の困った」と「人の困った」を解決する会社です。
この記事の編集者
お墓の口コミ編集部
竹田 勇仁
東京都出身。大学を卒業後葬儀社で勤務。
現場経験を経て、消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「お墓の口コミ」を運営している。